ほかならぬ人へ/白石一文
¥1,680
Amazon.co.jp


愛するべき真の相手は、どこにいるのだろう?
「恋愛の本質」を克明に描きさらなる高みへ昇華した文芸作品。第二十二回山本周五郎賞受賞第一作! 祥伝社創立40周年記念出版。


二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。
明生は周囲の反対を押し切って、池袋のキャバクラで働いていた美人のなずなと結婚した。
しかし、なずなは突然明生に対して「過去につき合っていた真一のことが気になって夜も眠れなくなった」と打ち明ける。 (内容紹介 以下略)



「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」の2作品が入っていました。

白石一文の本を読んだのは初めてなので、他の作品のことはわかりませんが、この2つについてだけ言うと、とってもよく似た話でした。もちろん、わざとそうしているんでしょうね。男と女の主人公の違いが、ちょうど物語の裏と表の関係に読めました。

「ほかならぬ」「かけがえのない」ただ一人の相手って?

そういう人とみんなちゃんと出会えて、結婚しているの? 

みたいなテーマ?は伝わってきましたが、話的には私はイマイチ・・・汗aya


病気(癌)とか事故とか傷害事件とか死とか重々しい出来事がてんこ盛りの割に、とても淡々としている感じがしました。その静かな感じがかえって切なくて良いという人もいるかもしれません。


明生の台詞にこんなのがありました。


この世界の問題の多くは、何が必要で何が不必要かではなく、単なる組み合わせや配分の誤りによって生まれているだけではないだろうか。
これが必要な人にはあれが、あれが必要な人にはそれが、それがひつような人にはこれが渡されて、そのせいで世界はいつまでたってもガチャガチャで不均衡なままなのではないか。


思う人には思われず、思わぬ人から思われて、ほんにこの世はままならず・・・ってヤツですねリラックマ


ペタしてね