- 雨に添う鬼 武市と以蔵/秋山 香乃
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武市は勤王のために愛弟子を鬼に変えた。以蔵は師に認められたい一心で次々と人を斬った。師弟愛を踏みはずした先に待つものは―。幕末に散った「人斬り以蔵」の真実。傑作歴史長編。
ネットで図書館に予約したのを取りに行ったので、手にするまでこの表紙は知りませんでした。
ど、どこのBL文庫ですか?!
これは、男性は手に取りづらいだろう。
向かって右が岡田以蔵、左が武市半平太。
いや~表紙書いた人、ちゃんと読んだのかこれ。←失敬
以蔵のイメージ全然違うよ(笑)
以蔵はねー馬鹿なの。馬鹿で粗暴で卑屈なの。
こんな美青年にしちゃダメだよ。
「龍馬伝」で佐藤健がやった時も、ちょっと違うと思った私です。
その馬鹿で人を斬るしか能がない以蔵は、武市に認めてもらいたくて色々やる。(ここには男同士だが以蔵の武市に対する愛情っぽいのがある)
武市はそんな以蔵を「可愛いヤツ」と思ったこともあるけれど、結局は鬱陶しくなって遠ざける。
現代の会社なんかでもありそうな話ですね。上司と部下の関係で。
で、遠ざけられた以蔵は、武市の裏切りが許せなくて、最後には拷問を受けて武市のことも全部しゃべる。
武市はこれ以上以蔵にしゃべらせまいと、獄中の以蔵に毒をのませようとする。
かつての師弟関係が最後は憎み合っての修羅場・・・・・・というのが、私の知っている武市と以蔵です。
この本は、かなりその史実に忠実に、師弟の愛憎関係もさほど腐女子に媚びることなく(とはいえ、行間に含みを持たせつつ・笑)描いています。
ちゃんとした歴史小説ですよ。幕末の歴史のおさらいにもなったし、土佐弁の勉強にもなりました。
しかし、私の以蔵のイメージはこっちですね。↓
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