歌舞伎座さよなら公演、御名残四月大歌舞伎。本日、初日でした。
昨日、チケットweb松竹をたまたま覗いてみたら、なんと桟敷席(しかも前よりの良席)があるじゃないですか。
無職の私に桟敷は贅沢と思いつつ、最後の歌舞伎座だしとポチッと購入。
しかし、行ってよかったです
一、御名残木挽闇爭(おなごりこびきのだんまり)
悪七兵衛景清 三津五郎
典侍の局 芝 雀
工藤祐経 染五郎
曽我十郎 菊之助
曽我五郎 海老蔵
鬼王新左衛門 獅 童
小林朝比奈 勘太郎
片貝姫 七之助
半沢民部 團 蔵
秩父庄司重忠 松 緑
大磯の虎 孝太郎
小林舞鶴 時 蔵
二、一谷嫩軍記 熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷直実 吉右衛門
白毫弥陀六 富十郎
藤の方 魁 春
亀井六郎 友右衛門
片岡八郎 錦之助
伊勢三郎 松 江
駿河次郎 桂 三
梶原平次景高 由次郎
堤軍次 歌 昇
源義経 梅 玉
相模 藤十郎
三、連獅子(れんじし)
狂言師後に親獅子の精 勘三郎
狂言師後に仔獅子の精 勘太郎
狂言師後に仔獅子の精 七之助
僧蓮念 橋之助
僧遍念 扇 雀
一幕目の木挽闇爭こそ、初日らしい緊張感というか「未だこなれていない感」が満ち溢れていましたが(笑)、二幕三幕はさすがに何度も演じられているだけあって、初日といえども完璧でした。(一般的に歌舞伎は、練習日数が少ないこともあり、後半になるに従って完成度が上がると言われています)
今日は、歌舞伎座公演最後の月の初日ということで、役者さんたちの意気込みというか、気迫が伝わってきました。
一、御名残木挽闇爭
とにかく役者絵が美しかったです。個人的には曽我兄弟を楽しみにしていましたが、全員、眼福でしたよ
三津五郎さんの花道でのぶっ返り(衣装の引抜きによる早変わり)がちょっとモタついたのが、かわいそうでした。そして、孝太郎がまたしても足元おぼつかなくてハラハラしました。衣装がものすごく重そうだった。やっぱり彼は、町娘か気のいい女将さん役でお願いしたいものです。
二、一谷嫩軍記 熊谷陣屋
よかったです。この話は、私が歌舞伎を見はじめたばかりのころ「一枝をきらば一指をきるべし」という言葉に「一子」が掛かっていたんだ!とエラク感動してしまった思い出の演目です。最後の歌舞伎座の舞台、しかも桟敷席で観られたということにも大感激です。藤十郎さんと吉右衛門さんが良かったー!すっごいよかった。
最後に吉右衛門さんが花道で「十六年はひと昔 夢だ 夢だぁ」といって泣き笑いの顔をするのですが(いえ笑っているんじゃなくって泣いているんですが)、何ともいえずいいお顔でした。
観終わった後、隣の席の女の子と思わず顔を見合わせて、
「よかったですね」
「良い時代もの見せてもらいましたね」
と、意気投合しました。
三、連獅子
中村屋親子の連獅子、これはまたすごかったです。
三人が毛振りをして、ここまで揃っているのは初めて見ました。
欲を言えば、若干、勘太郎がズレ気味だったのですが、あれくらいなら揃っていたと言っていいと思います。
驚いたことに、勘三郎と七之助はほぼシンクロ
踊りは、勘太郎の方が上手でしたが、父と踊りの間を合わせるのは弟の方が合っていたと思いました。
本当に素敵な連獅子でしたよ。ありがたい。福が来そう~
余談ですが、私たちの一つ向こうの桟敷席、白髪にメガネのお母さんと髪の長い娘が二人で座っていたのですが、娘のケータイが一幕二幕で何度も何度も鳴るのです。そのたびにゴソゴソしてとめるんだけれど、また鳴るの。なんで電源を切らないんだろう。マナーモードにしてりゃ良いってもんでもないだろ
あの「ブーンブーン」が気になって気になって仕方ありませんでした
その親子、実は中村屋さんのファンだったらしく、一幕二幕では大人しかったくせに(いや、ケータイはうるさかったが)三幕になると身を乗り出しての大拍手
挙句の果てに、娘が叫んだ「なかむらやあああああーっ!!!」
二度も三度も叫んだ。
ドビックリ
大向こうでも、女性は遠慮するのに。
桟敷席から、大声で叫んだ
「お母さん、止めでくださいよ」と思ってみたら、一緒になって笑っている。
よくわかんない
最後だから何でもアリなのか。
休憩時間に撮った最後の歌舞伎座、桟敷席からの眺めです。
桟敷で隣り合った女の子とは、幕間で話が弾んで、帰る時にメール交換しました。
不思議な縁ですね。
