深追い (新潮文庫)/横山 秀夫
¥580
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不慮の死を遂げた夫のポケットベルへ、ひたすらメッセージを送信し続ける女。(表題作)
鑑識係、泥棒刑事、少年係、会計課長…。三ツ鐘署に勤務する七人の男たちが遭遇した、人生でたった一度の事件。その日、彼らの眼に映る風景は確かに色を変えた。骨太な人間ドラマと美しい謎が胸を揺さぶる、不朽の警察小説集―

前回読んだ横山秀夫の短編集「真相」が、それぞれ救いがなさそうだったのに比べて、こちらは全編ラストに何らかの前向きな未来を匂わせていて、読後感は良かったです。

だからと言って「真相」がよくなかったというわけじゃないけれどね。

「第三の時効」がすごく良かったので、これは「それなり」という感じでした。


震度0 (朝日文庫 よ 15-1)/横山 秀夫

¥840
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阪神大震災のさなか、700km離れたN県警本部の警務課長の不破義人が失踪した。

県警の事情に精通し、人望も厚い不破がなぜ姿を消したのか? 本部長の椎野勝巳をはじめ、椎野と敵対するキャリア組の冬木警務部長、準キャリアの堀川警備部長、叩き上げの藤巻刑事部長など、県警幹部の利害と思惑が錯綜する。ホステス殺し、交通違反のもみ消し、四年前の選挙違反事件なども絡まり、解決の糸口がなかなか掴めない……。

こっちは長編で、登場人物のそれぞれの思惑が絡み合って、かなり楽しめました。

キャラクターもかなり立てています。

コドモ部長に親近感を抱きました(笑)

阪神大震災という空前の事件(災害)が、軽くあしらわれてしまうほどの警察内部の激震という描き方が、個人的には面白く読めました。実際に震災にあった人からすると、不謹慎かもしれませんね。


アイム・ファイン!/浅田 次郎
¥1,470
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「鉄道員」で直木賞を受賞したベストセラー作家によるエッセイ集。
JAL機内誌「SKYWARD」人気連載中の旅エッセイ「つばさよつばさ」の単行本化第2弾。
(第1弾は2007年に単行本『つばさよつばさ』として刊行)

今作品も前作に引き続き旅をテーマにした一冊。ベストセラー作品『蒼穹の昴』の中国ロケで起きたこととは?(『西太后の遺産』)、熊本で出会った""しろくま""の正体とは?(『しろくま綺譚』)など笑いあり、涙ありの浅田節が存分に描かれています。


浅田次郎先生のエッセイ集。相変わらず面白いです。
JALの機内誌に連載されていたものなので、読んだことがあるものもいくつか。
「これ、どこに行ったときに読んだんだっけ?」と懐かしい気持になって、旅情もよみがえります。

競馬と温泉が二大趣味。嘘つきだけど約束は守る。我慢のきかないギャンブラー。気分屋で饒舌で吝嗇である(ご本人の弁)浅田先生が、ワタクシ他人とは思えません。
ひょっとして私は浅田先生の生まれ変わり……と妄想したけど、いかんせん私には先生のような卓越した才は無いのでした。
そもそも、浅田先生、まだお元気です。失礼しましたaya



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