実は、昨日はドルパの帰りに歌舞伎座に行って、夜の部を見ていたのでした。
今月の歌舞伎座は、昼は宮藤官九郎、夜は野田秀樹の脚本・演出ということで話題になっています。おかげで土日はチケット取りづらくて大変でした
が、昼の部はまなちゃんのおかげで、そして夜は自力でなんとか席を確保できました。よかった。
「野田版鼠小僧」
今回の「野田版鼠小僧」は再演です。初演(H15年)は観られなかったので楽しみにしていました。
師走の江戸の町、ネタバレするとホワイトクリスマスが舞台です。前回は8月の納涼歌舞伎でこれをやったのかと思うと意外な感じ。
ちょうど12月にこの作品を観られたというのは、かなり幸せなことなのかもしれません。
話の筋、舞台展開(合わせて舞台転回)、早口の言葉遊び、体全部を使った芝居、すべてが野田演劇でした。一言で言うと、面白かったです
主役三太の勘三郎は、汗水だくになって最初から最後までものすごくエネルギッシュ。
55才になろうという勘三郎(とてもそう見えないけれど)がこれだけやれるというのは修練の賜物でしょうね。
そして今回、ものすご~く良かった女形陣
勢左衛門の後家おらんの扇雀。その娘のおしなに七之助。貞女の誉れ高い(実は××)お高が福助。大岡の妻おりよの孝太郎までが、ものすごく生き生きとしていて大暴れで、最高でした。
特にお高とおらんの火花散らす場面などは、間の取り方も台詞も絶妙です。やっぱり福助、好きだ~ そして扇雀さんも良い。この二人の掛け合いは「愛侘姫」でも大笑いでしたが、これからも新作歌舞伎で期待大のコンビです。
三津五郎さんも悪の大岡越前を好演。押入れに逃げ込んで茶を立てるシーンでは、涙を流して笑ってしまいました。
またもネタバレですが、最後、三太が死ぬときの音楽が尺八の「ホワイトクリスマス」だったのには、意表をつかれました。ジンときました…
欲を言えば子役がカツゼツ悪くて最後の肝心な台詞も聞き取れずそれだけが惜しかったです。子どもだからしょうがないといわず、かなり大切な役ですからもう少し大きい子を使ってでも、ちゃんとしゃべらせたほうが良かったと思います
一応、他の二つの演目についても感想書いておくと(おざなりっぽい・笑)
「双蝶々曲輪日記 引窓」
三津五郎さんが登場シーンから可愛いかったです。この与兵衛は、役人、町人、夫、息子といろいろな顔を持っていますが、どれも自然で、台詞も聞かせてくれて、最後の「残る三つは母への進上」もグッときました。さすがです
橋之助は優男のイメージがあったので、相撲取りの濡髪長五郎の役はどうなのと危ぶんでいましたが、肉襦袢効果か(失敬)貫禄出していて、手水鉢に映る場面での立ち姿もなかなか決まっていました。しかし台詞が入ると軽いんだよなあ~。何でかな~。
「鼠小僧」でも、悪人含めてみんな魅力的なのに、橋之助だけイマイチ好きになれなかったのは、好みの問題ですよね
ハッシーファンのみなさん(ここ見ちゃいないだろうけれど)すみません
「御名残押絵交張(おなごりおしえのはりまぜ) 雪傾城」
「芝翫が六人の孫と踊る」というのが話題です。さよなら歌舞伎座の舞台でめでたいことです。子どもには難癖つけられないけれど(←つけたいんだ・笑)、児太郎はもっと精進していただきたい。踊るたびに裾が広がっていくのが気になりました。
そして勘太郎と七之助の踊り上手に目を見張りましたが、まあ、子どもの中に混ざっていたからかもね