服を選ぶことが、前より難しくなってきた。
流行はもう気にならない。というか、もう似合わない。選ぶのは、着ていて心地いいかどうか。動きやすくて、洗いやすくて、体にしっくりくるもの。それだけでいい。

 

でも、ドイツでそれを見つけるのはなかなか大変だ。
服はどれも、こちらの人の体型に合わせて作られている。手足が長くて、腰の位置が高くて、骨格もしっかりしている。

 

試着室で鏡を見るたびに思う。
「あ、遠山の金さんだ」
 

この裾の長さが目に入らぬか!

と夫には伝わらないので、1人で突っ込みを入れる。

 

袖は手の甲をすっぽり覆い、パンツのすそは床を引きずる。ウエストはガバガバ。どこもかしこも合っていない。

 

だから私は、いつものように、日本の服に頼ることにした。
無印とユニクロ。シンプルなTシャツを4枚。しわになりにくいワンピースを1枚。ハーフパンツも1枚。どれも穏やかな色で、気持ちが休まる。お出かけ用には、少しきれいなワンピースが1枚あれば十分だ。

 

服の数は少なくていい。
無理に着飾るより、自分の体に合った服を、静かに選ぶ。そんなふうに、少しずつ暮らしが変わってきている。

 

シンプルな服と静かな暮らしがあれば、それでいい。これにて一件落着。