今日から5月。ドイツでは祝日である。
そして、バイエルン州の各地では「マイバウム(Maibaum)」という木の柱を、市や村の広場に立てる習慣がある。
「マイバウムフェスト」というお祭りも開かれ、人々はビールや食べ物を楽しみながら、一本の大きな木の柱が立てられていく様子を見物する。
初めて見に行ったとき、私は「5分くらいで一気に立てて、盛り上がって終わりかな」と思っていた。ところが、そうではなかった。
木の大きさにもよるが、2、30人ほどの男性たちが力を合わせて、
柱を少しずつ、少しずつ、ゆっくりと持ち上げていく。
そのため、柱が完全に立ち上がるまでに何時間もかかるのだ。
だからこそ、見物客もせかせかしない。
ビールを飲みながら、食事をしながら、会話を楽しみながら、
ふと気づけば「あ、ちょっと上がったね」といった感じで眺めている。
このゆったりとした時間の流れこそ、ドイツらしいなと思う。
暖かい春の日差しの中で、ビールとソーセージとパン。
どうでもいいようなことを話しながら、ほろ酔い気分で、
ゆっくり、ゆっくりと上がっていくマイバウムを見上げる。
なんて贅沢な一日だろう、と思う。