2016年は伊藤若冲生誕300年ということで5月に東京で
後にも先にもこんな超ウルトラスーパースター級の大傑作揃いの若冲展は無い
というほどの若冲展をやっていましたが 若冲が生まれて生きたのは京都
その京都でもささやかに若冲展をいっぱいやっていました。
せっかくなので、本(若冲への招待と京都国立博物館で購入した図録)や
展覧会ちらし、絵はがきの写真で紹介したいと思います。
(今さらですが・・・)



①細見美術館

規模は小さいですが若冲の絵を何点か持っているのは
知っていていつか行きたいと思っていた美術館です
今回は生誕300年ということで夏に特別展をやっていましたので
初めて訪問しました


「糸瓜群中図」



糸瓜にたくさんの昆虫が描かれています。
糸瓜だけだと「静」な絵ですが
たくさんの昆虫が描かれることで
「生命」「動」を感じることができます。


「鼠婚礼図」



遅刻?鼠を引っ張ってる鼠と
「何やってんだよ~」と言ってる鼠達
これは思わず微笑んでしまう可愛いい絵です


「仔犬に箒図」



仔犬と箒の組み合わせは若冲結構描いてます




②相国寺承天閣美術館



相国寺は若冲ゆかりのお寺であの有名な「動植綵絵」を奉納しています。
(残念ならが今は宮内庁のものになっていますが・・・)
他にも相国寺鹿苑寺大書院の若冲が描いた襖絵、壁画を全部所有しているので
毎年夏時期に展示しています。今年も見に行ってきました


「釈迦三尊像」



動植綵絵と共に奉納された「釈迦三尊象」ですが
この絵はここに残ってるので毎年見ることができます


「鳳凰図」



水墨画で描いた鳳凰図ですが色の濃淡、筆遣いで気高さが表現されています
まぁカラーで描いた鳳凰図は圧巻の作品ですがこれはこれで水墨画の良さが出てますね


「厖児戯箒図」



またここにも仔犬と箒が




③信行寺

今回の生誕300年京都で開催される若冲展の中で
一番の目玉はここです
普段非公開で、今回は11月の3日間だけの公開でした
時間制で一度に本堂に入るだけの人数を入れて
最初住職さんの説明を受け、その後20分程自由に天井画を見ます。
住職さんがとってもお話上手で面白可笑しく
ここに天井画がきた経緯や主な絵の紹介をして下さいました



本堂の天井には167枚の「花卉図天井画」がはめ込まれています。
元々は石峰寺の天井画として描いたのですが、その後売りに出されているのを
信行寺の檀家さんが見付け、寄進して今ここにあるそうなんです



絵自体は木に描かれているので色が薄くなっていますが
ゆっくり見ていると1枚1枚とっても興味深く描かれているんです。
花の種類も菊や椿は当時もちろんあったと思うんですが、
ハイビスカスも描かれているし、トリカブトやソテツなんて
えっそんなのも描くの??みたいなのもあったり
よくある花も普通に花を描くのではなく牡丹の花を後ろから描いていたり
とにかく1枚1枚面白いんです

私の好きな鶏頭はこんな感じです。
色が薄いですが茎のカーブがいいですよね~



お寺の住職さんのユーモアあふれる説明と
若冲の素晴らしい絵との至福の20分でした




④京都市美術館

10月~11月京都市美術館でも若冲展をやっていましたので信行寺を見た後
見に行ってきました。目玉となる作品は期間限定で順番に変わっていて
私が行った日は「象と鯨図屏風」でした。



大きな屏風で右に象、左に鯨が描かれています。



ここでも可愛い仔犬がいました
鶏が有名な若冲ですが仔犬もとっても可愛いんですよね~



写真は無いんですが、信行寺で見た天井画の花卉図も展示されていました。
滋賀県の義仲寺にも同じ天井画が15枚あるらしく
その内の数枚がこの特別展に展示されていました。
保存状態はあまりよく無かったですが、近くで見れたのは
信行寺帰りの私にはテンション




⑤京都国立博物館

最後は年末年始に開催されていた京都での若冲展最後に特別展です。



新年早々に行ったからか人も少なくゆっくり見れました。
作品もお気に入りが増えましたよ~


「鶏頭蟷螂図」

この絵で最初に気になったのは茎の色と流れです。
微妙な色合いで流れるように描かれています。
その先には鮮やかな鶏頭の花が目を惹きます
てっぺんで「イェ~イ」と誇らしげに立っているのが
カマキリです。美しい鶏頭の花に心奪われ独占することで
ご満悦の様子ですね



「石峰寺図」



京都にあるお寺で若冲が晩年過ごしたお寺です。
が、実際にこの絵はどこか中国風で
池と思われる水の上を歩く僧や象、獅子がいたり
勉強したり、お釈迦様のお話をきいている僧がいたり
遊び心あふれる絵になっていますね


「百犬図」



東京や京都市美の若冲展では期間限定の展示で日が合わず見れなかった絵です。
一度見てみたかったので今回は楽しみにしていたんです。
若冲の犬、とにかく可愛いんです~



この絵にもやはりありました。
真ん中の白い犬がくわえている緑の紐のようなもの
箒の先ですよね
仔犬と箒には一応意味があるようですが禅宗の
難しい問答なので私自身さっぱり意味がわかりませんでした
なので、私はかわいい仔犬と箒の組み合わせを見付けては
ただただ喜んでました



以上 京都と開催された若冲展巡りのまとめでした

次は没後300年、生誕400年?
私の生きてる内にもう一度やってくれないかな~
「動植綵絵」の相国寺に凱旋帰国ツアーなんてやってくれたら
毎日見に行くのになぁ~