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自伐型林業家への道

脱サラを夢見る男が35歳に思い立った自伐型林業家への道のりの記録

5/25~5/26の土日、第四回目の自伐型林業学部。

今回の研修はこの学部の本丸、大橋式道づくり及びNPO法人 自伐型林業推進協会 中嶋健造氏による個別相談会です。

大橋式道づくりの講師は、清光林業の岡橋清隆氏です。

 

座学

初日午前中は座学で、前半は岡橋先生による作業道づくりの考え方を概要レベルで教授頂きました。

その中で一枚、補助間伐を行ったという写真がありました。

中嶋さん曰く、多間伐長伐期施業は、材積が増えるために本数を切らなくても儲かると言っているにも関わらず、なぜ自伐を続けている清光林業が補助間伐を行ったのか気になり質問しました。

これはやはり補助金目当てで行ったことであり、今は代替わりし、息子たちの代での営みであるため自分らは口出しはしないが、そもそも林業というのは企業でやること自体に無理があるのだと岡橋先生は答えました。

 

岡橋先生の代で育ててきた森を、補助金目的に過間伐されてしまうことに、心痛めたに違いないと私は思いました。

しかし、口出しはせずに息子たち現経営者が会社を守らんとしてとった施策を見守る岡橋先生に、親の強さを感じました。

 

後半は中嶋健造さんによる大規模施業と自伐型施業の環境への影響の差に関する講演です。

今回は自伐型林業推進協会の撮影も兼ねていたため、普段は来られませんが、事務局長の上垣さんもおられました。

中嶋健造さんの講演は動画を通して聴くこともできる内容です。

この方はモチベーターとしては超有能だと感じます。

如何に林業が厳しい世界と知っても、この方の話を聞くとやりたいという気持ちが溢れてくるのです。

 

作業道づくり

午後からは2日目にわたってユンボを使った作業道敷設の実演と実地体験を岡橋先生により実施頂きました。

同時に、個別相談会で生徒一人ひとり順番に中嶋健造さんと対話する時間が設けられます。

技能的には、ユンボの操作に終始した内容ですが、操作時間が増えれば慣れるものなので、はっきり言って難しいものではないです。

安全に十分注意し、焦らずゆっくりやれば誰でもできるし、慣れればスピードアップするので、問題ないものです。

しかしこのロボットを操作する感覚は、ゲーム性を感じられ楽しい作業です。

また、道がなかった場所に道が現れるので、遣り甲斐が直接的に表れる仕事だと感じることができます。

 

作業道づくりで一番大事なのは、どこに道を通すかの見極めであり、如何にトータルコストを抑えられるかが重要とのことです。

つまり、敷設にコストがかからない地形、地盤を見極め、かつ何十年も壊れない道を作ることが大事ということです。

これに関しては短い研修期間でどうこうできるものではないですね。

経験しないと身につかないものですし、大橋先生の本などから情報を得るのがよさそうです。

 

個別相談会

中嶋健造さんとの個別相談会ですが、私自身山を持ってなければ、林業家を目指そうと思いついてからここに至るまで、様々な考えや事実に触れたことで、本当に杣人(そまびと)になるのかすらも悩んでいる状況のため、特にこれといって相談できるようなこともなかったので、自伐型林業推進協会の状況や目指すべき林業の業態についての見解を伺いました。

日本林業は世界を取れるポテンシャルがあるが、海外需要を作るところからが必要なのだそうです。

もしこれが作れれば、材価向上の要因となり、日本林業ひいては日本復活のきっかけとなるのでしょう。

材価が上がれば、少量の切り出しで儲かり、森林は良質なものとなり、土砂災害はなくなり、日本経済が発展し、さらに良質な木材を生産という正のループとなる可能性があります。

そして、木材として超優秀な杉・檜が育林可能な国は、日本以外にはほとんどないそうです。

林業にこそ、日本の未来の可能性があると中嶋さんは言います。

しかし、一方で50年で皆伐してしまう今の日本の林業のまま、良材を安い材価で切り続ければ、日本林業、日本経済の復活はないでしょう。

国有林野管理経営法案は、この日本復活の可能性を紡いでしまうものです。

否決されることを、切に願います。

 

林業に対して今思うこと

林業の事を考えると、何か自分にできることはないものかとやるせない気持ちになります。

ですが最近私は、年金問題などもあり仕事の資産化についてをメインで考えるようになってきています。

「自伐型」(他人の山を施業すること)では付けた道が資産となりえないことから、「自伐」(自分の山で施業すること)でなければ、私が目指したい業態にはなりえないとも思います。

そして、仕事の資産化について調べを進めるうちに、林業へのこだわりは薄れてきました。

 

今の私が正直に思うことは、林業を生業にできるのは、必要量の山林をすでに持ち合わせている人に限られていると思います。

他人の山を施業するためには、山主との交渉及び森林組合との協調を避けて通れませんが、自伐型林業家は森林組合側から妨害を受けます。これは大きなハードルです。山を確保できなければ仕事の資産化どころか、日銭も稼げません。

なので、生業化する最低条件は、山を持つことであり、自伐型林業家ではなく自伐林業家として働くことに、持続可能性があると思います。

 

稼げなければ、持続可能性がなければ、どこかで必ず限界が来ます。

私が林業に取り組むとすれば、IT経験を活かして林業の作業の一部を効率化する仕組みを考えるか、または十分な稼ぎと時間ができた時のボランティア活動か趣味の範囲での活動となると思います。

でも、ここまでの見極めができたことそのものが、この研修を通して得た価値だと思います。

 

来月は関西への遠征。

私は何を見て、何を感じ、何を得るのでしょうか。