自伐型林業家への道

自伐型林業家への道

脱サラを夢見る男が35歳に思い立った自伐型林業家への道のりの記録

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6/8~6/9、最終回、関西視察。この研修の言わば卒業旅行。

この日の前日、1歳9か月の娘が夜から明け方にかけて嘔吐し妻が看病にあたり、私も寝不足状態。

娘の状態を心配するも、妻に任せて出発することにしました。

後の診察で、娘はお腹にくる風邪との診断。翌日には元気になりました。

 

朝の6時前に家を出て、7時20分東京発の新幹線のぞみ205号で新大阪へ。

新幹線内の睡眠で寝違え、首が痛い。。。

9時50分に新大阪へ到着。10時の集合時間5分前に合流。

 

初日、兵庫県、山口さんの森林

その前に、道の駅 杉原紙の里の横にある青玉神社に立ち寄りました。

池に球体が設置されている、不思議な神社です。

奥に進むと社が建ち、手前には樹齢数百年はあろうかという大樹が数本、神々しく堂々と立ち並んでいます。

 

そして社の奥には、兵庫県の天然記念物に指定された樹齢千年という巨木、夫婦杉がありました。

 

威風堂々という感じです。感動しました。

 

さて、目的の山口さんの森林に到着。

山口さんは190haという広大な山林を管理されており、数年前に中島大輔さんに交代する前までは地球のしごと大学の講師を務められていたそうです。

山口さんの山の形状は比較的緩やかで、作業がしやすそうな山でした。

林業を営むなら、こういう山が適していて、林業家の多くはこのような良い形状の山林でやるものなんだろうなーと、勝手に思ってました。

まぁ、翌日この感想は撤回することになります。

 

かつてつけた道は大橋式のそれとは異なるもので、徐々に壊れてしまっており、少しずつ修復作業をしているとのことです。

やはり、壊れない道をつくることが重要ということですね。

 

山の事を話す山口さんは穏やかな人で、山の事が好きという気持ちがひしひしと伝わってきました。

好きだからやっている。これに尽きるという感じです。

 

誰かが質問していた、後継者について、このように語られていました。

 

「自分が山の面倒を見れなくなった時どうなるかわからないので、自分が見れなくなった後もしばらく面倒見なくても大丈夫なようにしておこうという気持ちで、今やっている。もちろん、誰かがいい状態を保ってくれればうれしいしそれを望みますが。」

 

この言葉には胸を打たれました。謙虚で穏やかで、やさしい世界。

どうかこの大切に育てられた山が永く続き、永遠にはげ山にされないことを願います。

 

この日の夜、奈良に移動し岡橋さん含め懇親会が開かれました。

その後みんなでお風呂に行ったとき、服を脱ぐと右足の脹脛当たり、ヒルに血を吸われた跡に気づきました。

人生初、ヒルの餌食になりました。

痛くもかゆくもなかったんですが、、、翌日の昼過ぎから急に痒みが出ました。

蚊に刺された程度の痒みです。

 

2日目、奈良県、岡橋さんの山林

山口さんの山で思った森林経営者の山=やり易い地形という説はあっさりと自ら否定しました。

 

急峻な山。

美しい道とヘアピンの連続。

プロの仕事とはこういうことだという事を見せつけられたようでした。

しかし、道中の木々は大きくても100年生くらいでしょうか。

千年杉も見てしまっているし、もう大きい木には見慣れてしまい、木に対して大きな感動は無いだろうと思っていました。

 

目的地に到着。

比較対象物がないため、写真を見ても大きさは判らないですね。

これ、1本の太さが元で直径1メートル以上あります。

200年生の群生する杉。

圧巻。

尊く、守るべき対象という感覚。

写真が下手すぎて伝わりにくいのが残念過ぎますが、想像力を全力で引き出してこの尺度を感じてみて下さい。

道中に感じていた、あの千年杉をみてしまったら、木に感動する事はなさそうという感想もまた何処かへ吹き飛んでしまいました。

 

この光景はいつか無くなってしまうのだろうか。

いや、なくしてはいけない。

そしてもっと多くの木をこのような木に育んでいかなくてはいけない。

 

総まとめ

林業の作業全般に言えることですが、一つ一つの作業が面白く感じました。

やればやるほど腕が磨かれ、その成果が形や仕事の速さにすぐに表れます。

研修では感じることはできませんが、管理する森が荒れた状態から日に日に良くなっていく楽しみもあり、仕事としては本当に面白みのあるものだと感じました。

 

しかし、稼ぎの面では大変厳しい現実を突きつけられました。

ベテランで素晴らしい森林を作ってこられた岡橋さんですら、厳しいと言います。

250年かけて育てた立派な木が、今の時代では立米あたりたったの70万程度。

250年生の1本の木で500万円程度と予想され、最盛期の約5分の1程度だそうです。

精魂込めて代々育てた木が、サラリーマンが1年で稼ぐ程度の金額にしかならないのは、まったく割に合いませんし、その程度の金額ならば、伐ってしまうのは勿体ない。

岡橋さんも山口さんも、ご先祖様が守った山があったからこそ、使命感が生まれ守り続けてきたのだと思います。

 

この研修を通して学んだことは、持続可能性の高い林業とは、木の最大限の価値を引き出せる森を作り、木の最大限の価値を引き出せる伐倒をし、木の最大限の価値を引き出せる玉切りをし、最大本数の木を山に残し続けること。

 ・木の最大限の価値を引き出せる森は、最小幅の道づくりなくしては実現しない

 ・木の最大限の価値を引き出せる伐倒は、伐倒技術なくしては実現しない

 ・木の最大限の価値を引き出せる玉切りは、造材知識なくしては実現しない

 ・最大本数の木を山に残すことは、森への愛情なくしては実現しない

ということを教えたいただきました。

 

私はすぐには林業家には転身しません。

ですが、様々な人と出会い、考えに触れ、色々な可能性を感じることができました。

これから自分がどうしていくか、じっくりと考え行動していきたいと思います。

また動きがあった時には更新しますが、一区切り、シーズン1終了というところです。

 

最後に

衰退産業と言われる林業は、欧米を真似て高性能林業機械を導入して効率化を図ろうとし、採算が合わないから補助金を出し、はげ山にした山が崩壊しても見て見ぬふりをし、それでも改善しようとせずに税金を投入し、補助金という名の血税を奪い合うように誘導したこの国が作り出した愚策そのもの。

この愚策のせいで材価は下がり、山はどんどん禿げ上がり、土砂崩壊は増え続けるのです。

みんな自分には関係ないことと思っているかもしれませんが、こんな風に私たちの税金は無駄遣いされているのです。

採算が合わないやり方ならば、見直さなくてはならないのに、ほとんどの林業会社は補助金なしでは倒産すると言われています。

 

本当におかしな国ですね。

どうせどっかの偉い人が世間にばれずに税金で私腹を肥やしたいがために、こういうことになってるんでしょう、ということは容易に想像ができます。

そのどっかの誰かさんのせいで、真摯に取り組む林業家の方々が苦労するのは、本当に納得いかないです。

世論が動かなければ、国は動かない。

どうか、このバカげた業態に気づく人が増え、良い形に変わりますように。

 

おまけのついでの備忘録

スケジュール

6/8

 7:20発 のぞみ205号で新大阪へ

 10:00 集合

 10:15 レンタカー手続き

 10:20~12:00 兵庫県 道の駅 杉原紙の里まで移動

 12:00~13:00 道の駅で昼食、山口さんと合流

 13:00~13:15 山口さんの山林まで移動

 13:15~15:30 山口さんの山林視察・質疑応答

 15:30~18:30 奈良県の宿「あるがまま」まで移動

 18:30 チェックイン

 19:30~22:30 懇親会

 22:30~23:00 お風呂に移動

 23:00~24:00 入浴

 24:00~24:30 宿まで移動

 24:30~25:30 就寝前の談話

 

6/9

 7:00 起床

 7:00~7:30 朝食

 8:00~8:30 清光林業まで移動、岡橋先生と合流

 8:30~11:30 移動、岡橋さんの山林①を視察

 11:30~12:30 移動、道の駅で昼食

 12:30~13:30 移動、岡橋さんの山林②を視察

 13:30~14:30 奈良県吉野周辺見学

 14:30~16:00 新大阪まで移動

 16:00~16:30 レンタカー返却、解散

 16:30~17:30 打ち上げ

 17:30~19:30 お土産、時間つぶし飲み

 19:53発 のぞみ254号で新横浜へ

かかった経費

新幹線、東京~新大阪、往復約28,000円。

宿泊費、移動費、食費、土産諸々で約22,000円。