今日は受験のことではなく、最近読んだ書籍の紹介です。

 

ののはな通信

三浦しをん著

 

第25回島清恋愛文学賞を受賞した作品です。

 

 

 

この小説は「のの」と「はな」の手紙のやりとりで

話が展開していきます。

名作「あしながおじさん」を

彷仏とさせるような、

手紙やメールのやりとりのみを

読者は読んで、話の展開についていきます。

 

「のの」と「はな」は女子高生で、

女子校で生徒に手を出している先生を

懲らしめるために

2人は協力します。

この、非道で無感情な男性先生を

2人がどのように懲らしめるのか・・・?に思いを馳せ、

ワクワクした気持ちで読み進めました。

 

さすが三浦しおんさん、「のの」の手紙の時と、「はな」の手紙の時

は全く文体や使用する語彙が異なります。

「のの」の実直で、少し神経質な性格と、

「はな」のおおらかで直感的な文章とで

全く文の流れが違うのです。

リアルに人の手紙を盗み見しているような

感覚に陥り、

それを楽しむのも味わい深いです。

 

 

やがて「のの」と「はな」は大学生となり、

そしてアラフォー世代へと歳を重ねていきます。

 

そして、「はな」はアラフォーになってから

思いもよらない人生を歩み始めます。

 

「はな」の転身を図る熱い思いと

それを受け入れようとする

「のの」の冷静な分析が交錯します。

 

「のの」の手紙の中で、

アラフィフの自分の心理を

言語化してくれた部分がありました

 

(引用)

高校生の頃の私だったら、

あなたのことをつぶさに

夢で知ることができた気がする。

中年になって、ずぶとく生活を続ける自分を、

あの頃の私が憤って見ている気配がします。

それでも私は、苦笑いをするだけです。

どこかで自分に愛想をつかし、

諦めて折り合っていかなければ、

中年になるまで生き延びることなんて

できないわよね。

そして、私は、そうやって、

年月を重ねてきた自分のことが、

やっぱり根本的には好きなのよ。

言い訳かもしれませんが、

諦めるとは自他を許すことだと思います。

(略)

だから、諦めを知って、ずぶとくなった

今の自分が、割と好きなのです。

あなたの全てを知って、

なお、受け入れたい。

許し合いたい。そう願える自分が。

 

ピュアで情熱的で、

まっすぐな女子高生同士の手紙から

中年になって諦めること

許し合うことの大切さがわかってくる。

 

そして、折り合っていくことを

受け入れられるようになる。

 

そんな女性の成長を

しみじみと感じる小説でした。

 

自分の人生を俯瞰したい人におすすめです。ニコニコ