So many So sweet kiss…☆彡 | FLAME

So many So sweet kiss…☆彡

…電車は海沿いを走っていた。

砂浜は松林の向こう。

家並みが増えていく。





海、遠ざかる…





電車は都会に向かっていた。

各駅停車の小さな駅を通り過ぎ、

もうすぐ支線のターミナル駅に着く。



そこで、

お別れ。






窓からの風に、

潮の匂いが薄れていく。




「間もなく○○、○○~。●●方面へお越しのお客様は、お乗り換えです」



アナウンスで、彼が目を覚ました。





私、ずっと彼の寝顔を見ていた…



起きちゃった。


降りるんだよね。

あなたは違う電車に。


乗って家に帰る、

私も帰る…





電車はスピードを落とした。
まわりの人は立ち上がってドアの方へよろけながら集まってる。


彼も。



「ふぅーっ」とため息をついて目をこすりながら、


眠そうな目でこっちを見る。


とっさに。



「見られたくないっ」

って思った。


なんでかわからないけど。




自然と目を反らした。



…泣いてたかもしれない。

うううん。違う、

これはアクビ。

私も寝てたのやっと駅に着いたんだよ~って。




誤魔化そうと思い巡らせていたら彼が立った。





「離れたくないの、そばにいたい。帰りたくない。」


そんな想いが頭を巡る。


彼が呼んだ、

ん、なぁに?





顔をあげた。


(あ☆やば。涙が)



彼が私のあごにそっと手をあてた。




クンッ





やだ、涙こぼれちゃうよ。


そんなこと、考えながら


横目で降車する乗客の視線を感じつつ、


私は目を閉じた。




両方のまぶたに入りきらない、

あったかい液体が


頬を伝った。



優しくて、

甘いKiss。






甘いけど、

ちょっとにがい…





去りぎわに彼が指で涙を拭いてくれたの。



自分の指でもう一度、

そこをなでた。


頬にあてた指の上をまた、
さっきと違う液体が流れた。




ブブブ…

携帯が鳴ってる。


彼から。


メール。

すぐに見ないんだ、

後で見るの。




しばらく、

頬に残るしょっぱさを

遠ざかる海の薫りと紛らわせてから。