ミートパイ☆彡 | FLAME

ミートパイ☆彡

桃脳。-Image5216.jpg



私はミートパイを配っていました。
紙皿に乗せたミートパイを。

片手には、
重い麻袋を握り締めて。


ミートパイは
野良猫にあげました。
お腹を空かせた彼らは

ワァッと寄ってきて、
ミートパイを…
最初は食べずに

フンフン、フンフンっ!

と頻りに臭いを嗅いでいました。

「そんなに臭いを嗅いでいたら怪しまれちゃうじゃない。さぁ、お食べ。食べてよ。」

焼きが足りないのか、
赤みの強いミートパイ。
安い肉を使ったのか、
所々に白っぽい筋みたいな部分と、
あとは…
変わった臭い。

野良猫たちは、しばらく頻りに臭いを嗅いでいたけれど、
そのうち一匹が食べ始めると皆一斉に
クチャクチャと食べ 始め ました。


私はその様子を見届けてからふと、
麻袋を持つ手が少し痺れてきてしまったことに気が付きました。

しばらくするとミートパイを食べ終えた野良猫たちは三々五々あたりに散ってゆきました。

最後に残った目付きが鋭い痩せ細った老猫が、
私の顔をじっと
見つめていましたが、
私は目をあわせないようにして残った紙皿を拾い上げ、
麻袋の中に入れました。
麻袋の中身は

ガラン…と
乾いた音と

クチャ…っとした
湿った音が

紙皿にぶつかっていましたが、私はその音に向かって
「静かにね…」と
話し掛けました。


麻袋は
公園の池に投げ捨てました。
投げ捨てられた麻袋は

中に入れた鉄アレイの重さでブクブクと

時折赤い細かい泡を噴きながら

池の底に沈んでいきました。