流暢に話されると正しいと感じる

今井 むつみ


流暢性バイアス」も人がもともと持っているバイアスで、明らかに間違ったことでも、流暢に言われたり、書かれたりすると、納得しやすくなってしまう傾向のことです。


これは先日聞いた話ですが、あるコンサルティング会社では、新規顧客を開拓する際の営業トークは台本が決まっているといいます。しかも、ただ流れや言うべきことが決まっているだけではなく、どのようなトーンで話すか、どこで間を空けるかなども細かく決められており、新人はそれを身につけてからしか営業を行えないのだと言っていました。


実際、その訓練通りに話す場合とそれぞれが創意工夫を凝らして営業トークをする場合とで成約率を比べると、マニュアル通りのほうが成績がよかったそうです。つまり流暢に畳みかけて話すほうが、相手を説得し、成約を得る確率が高いということです。


私たちには、すらすらとわかりやすく話されると、中身までいいものに思えてしまうバイアスがあるのです(もちろん相手によっては流暢に畳みかけて話すことが逆効果になり、不審を招くので、実践にはお気をつけください)。


「流暢性バイアス」に対しては、注意の必要性がますます高まっています。みなさんは、ChatGPTなどの生成AIの答えに、考えもせず納得してしまうことはないでしょうか。これがほんとうに怖い。


人は考えながら話すと、間違えて言い直したり、訥々(とつとつ)とした話し方になったりしますね。しかし生成AIの返答は流暢です。間違った答えでも、ものすごく流暢なことばで返してくるわけです。立て板に水のような答えはそれだけで、私たちを納得させやすいものです。そのような答えに日頃から触れていると、子どもはとくに、「生成AIの答えは絶対正しい」と思うようになってしまうかもしれません。


最近ではとくに、生成AIも断定的な言い方をせず、「〜かもしれません」「〜の可能性があります」というような言い回しをすることが増えました。


しかし、「流暢性バイアス」にとらわれてしまうリスクが下がったかというと、そうは思いません。やはり使う人一人ひとりが、このバイアスを意識しながら接する必要があるでしょう。


政治家にも、訥々と中身のある政策を語る人と、中身はともかくまくしたてる人がいます。人には、その話しぶりだけで後者を信じてしまいやすいというバイアスがあるのです。





⚫︎感想


最近の人はAIの言うことが正しいと判断しすぎている傾向があると感じています。


AIには身体が無いから、例えば手がベトベトするっていう身体性が伴っていない。


確かにそうだと思います。体感すること、五感で感じることができないAIの情報は、ものすごい数の情報量がある人と同じで、知識は最高ですが、実際にやったことは無い。


ハワイのことを語れるけれど行ったことは無い。手がベトベトするという感覚も、手が無いAIには熱い、痛い、辛いなどと感じる五感が無く身体性が伴っていないのです。


例えば分散投資を理解するには、実際にカゴの中の卵を外に出して置いてみる。そうすればカゴを落とし割れてしまっても、カゴの外の卵は割れていないと実感するでしょう。


生き物は脳みそだけでは生きていないのです。やはり身体の感覚が無いとダメなんですね。


「経験がともなっていない言葉に騙されてはいけない」という話でした。



⚫︎物語の内容をChatGPTに聞くと


私は物語の内容をChatGPTに聞くことがあります。するとよく間違った情報が書かれているので、「そこの場面はこうでしたよね?」と聞くと「はい、正しくはそうですよね」と簡単に言ってくることがよくあります。

こういう間違いが起きることは、普通にあることなので、現時点では必ず検証することが大事ですね。



⚫︎自分の常識は世界の常識


「この着物を着なくてはいけない」とお姑さんから言われて、お嫁さんはまだ若かったこともあり、結婚式のためにドレスを新調していたため落ち込んでいた、とのことでした。


そのお姑さんは、どうやらさまざまなしきたりのある地域で育ったらしく、「〜しなくてはならない」ということがたくさんあるようでした。


お姑さんにとってはその着物を着ることは一般常識で、「自分のしきたりは正しいことである」「自分の常識は世間の常識だ」という思い込みがありました。


「一般常識に合わないことは、正しくない」。そうした思いからお姑さんは、しきたりを知らないお嫁さんにしっかりと教えなくてはという使命感に駆られていたのです。



⚫︎感想


これも確かにありますねー。思い込み…

いつの時代に生まれたのか?

どこの地域で暮らしたのか?

だれと一緒に育ってきたか?

これらの要素で皆んなちがう思い込みがあるんだと思います。

ここは俺たちの土地だ!というそれぞれの人の思い込みの違いから戦争も起こるんでしょうねぇ…