レベッカ

1940年 アメリカ映画

監督 アルフレッド・ヒッチコック

脚本 ジョーン・ハリソン

原作 ダフニ・デュ・モーリエ

出演 ジョーン・フォンテイン

   ローレンス・オリヴィエ

   ジュディス・アンダーソン



⚫︎あらすじ


モンテカルロで貴族のマキシムと出会った「わたし」は、若く内気な女性だったが、彼と恋に落ちて結婚する


マキシムは、一年前に最愛の妻レベッカを海難事故で亡くしたばかりだった


結婚後、二人はイギリスの広大な屋敷マンダレイで暮らし始めるが、そこには前妻レベッカの影が色濃く残っていた


特に、レベッカを崇拝していた家政婦頭のダンヴァース夫人は、「わたし」を新妻として認めず、執拗な嫌がらせで「わたし」を精神的に追い詰めていく


ある日、入江でレベッカの遺体が乗ったヨットが発見されたことで事態は急変する


マキシムは「わたし」に、世間が信じている完璧な妻レベッカの正体は、奔放で残酷な女性だったこと、そしてレベッカの死の真相を告白する


二人はこの窮地を乗り越えようとするが、レベッカの死をめぐる審問が始まり、マキシムに殺人の疑いがかかる


しかし、レベッカがある秘密を抱えていたことが判明し、事件は意外な決着を迎えるのだった


すべてが明るみに出た直後、マンダレイの屋敷は、絶望したダンヴァース夫人の手によって激しい炎に包まれる





⚫︎感想


レベッカってNOKKOがボーカルのバンドとなんか関係あるの?なーんて思っていたら、大ありでした!この原作に感銘を受けて名付けたバンド名なんだそうです。


白黒映画で、今にも海に投身自殺しそうな男に女が声をかけるシーンからはじまります。


この男はイギリスの超富豪マキシム、女はアメリカの金持ち夫人に雇われた付き人の「わたし」です。


名も無い「わたし」はマキシムに求婚されて、イギリスの城のような超豪邸の妻になるんです。しかしそこにはレベッカという前妻の強大な力が残っていました。


そのマンダレイの屋敷にはダンヴァース夫人という家政婦頭が居て、マンダレイの全てを仕切っています。


しかもダンヴァース夫人は前妻のレベッカに心酔していて、新しく来た「わたし」をいびるんです。


このダンヴァース夫人が怖いんです。新参者なんか認めませんって感じで、新しい奥さまをいびります。


「わたし」は何とか前妻レベッカに負けないように奮闘します。



⚫︎ダンヴァース夫人はレベッカを愛していた?


 前妻レベッカに、異常⁈とも思える執着をするダンヴァース夫人。それは母のような、恋人のような、またはそれ以上の同性愛のような感情を持っていました。



⚫︎ダンヴァース夫人は元祖「いびり」


 ダンヴァース夫人はその後のエンタメ界に「恐ろしい執事・家政婦」というジャンルを確立させた元祖なんだそうです。

 「家政婦は見た」や「家政婦のミタ」の、主人の秘密を握り、無表情で屋敷の陰から監視するというキャラクター像は、まさにダンヴァース夫人がモデルの一つだと言われています。






⚫︎二転三転する面白さ


マキシムが本当に愛したレベッカ

わたしはレベッカには敵わない

レベッカは他の男の子を孕っていた

実はレベッカは酷い女だった

マキシムはレベッカを殺害していた

レベッカは妊娠ではなく子宮がんだった

それなら自殺する可能性がある

マキシムの疑いが晴れる

絶望でダンヴァース夫人が火を付ける



⚫︎ ジャック・ファヴェルはレベッカの従兄(いとこ)なのに愛人?


 ファヴェルは、レベッカが「自分の子を妊娠しており、それを知ったマキシムが逆上して殺した」という筋書きを証明しようと、当局を連れて医師のもとへ向かいます。

 しかし、医師が明かしたのは「妊娠」ではなく「末期の子宮ガン」という診断でした。これにより、彼女の死は「病を苦にした自殺」と公に認定され、マキシムは法的に救われることになります。



⚫︎イギリスは家に名前を付ける


 映画レベッカのマンダレイのように、イギリスには家を1人の人格のように名前を付ける習慣があります。

 マンダレイは前妻レベッカそのものだったのです。そのためダンヴァース夫人は「わたし」をマンダレイに入れることを拒みました。ですが最後にレベッカが自殺したと知り、マンダレイを燃やして消滅させてしまいます。

 でもそれは、わたしやマキシムにとってレベッカからの解放を意味しました。



⚫︎それでもマキシムは犯罪者


 何であれマキシムはレベッカを乗せた舟を沈めました。それを「わたし」にだけ打ち明け、何も知らない無垢な「わたし」は秘密を共有したことで、マキシムを守る強い女性に成長します。

 映画レベッカを知った上で、歌手レベッカの「フレンズ」を聴くと、「どこでこわれたの Oh フレンズ」という叫びが、屋敷マンダレイの崩壊や、壊れてしまった人間関係の悲鳴のようにも聞こえてきて、よりドラマチックに感じられます。