実子の支援が受けられれば、できるだけ介護保険のお世話になりたくないという高齢者は少なくないと思います。
私の母も80歳過ぎても介護保険の認定は受けていませんでした。
買物支援は私がしていたし、たまの通院はタクシーで行っていたので、まだまだ不要と思っていたと思います。
脳梗塞で言語障がいが残ってからは、言語リハビリを続けるためという名目で病院入院中に認定調査を受けてもらい要介護1を取得、退院と同時に週3回のデイ通所を開始できました。
言語リハビリを行なっているリハビリ施設は県内でも数カ所なので、たまたま近隣にあって、間があくこと無くそこで継続できたことは幸いでした。
最初の数年は本当にリハビリ目的で。
途中から、入浴サービス等も受けるようになりましたが、それはデイでできた友達のオススメ。
「一緒に◯◯しましょうよ」の効果は大きいです。
定期的に通っているうちに友達ができて、私があれこれ言うより良かったと思います。
困ったのは弟の方。
母より5年も前にくも膜下出血で半身不随になっていて、それこそリハビリ継続が必須でしたが、リハビリ専門病院の入院期間を終えると、通所型のリハビリは全く拒否するようになりました。
最初こそ、母が一緒に歩いたりしていましたが、母が自分のリハビリに通うようになり、自分が障がい者枠で働く日以外は、昼食を用意して行っても食べていなかったり、食事制限があるのに勝手なものを食べていたり。
家にひとりで居てもろくな過ごし方はできません。
弟には、ずいぶんリハビリ通所を薦めたものです。
脳血管系の疾患で障がいが残った場合は、60歳未満でも介護保険の対象になります。
介護認定調査も受けて要支援1になっていたので、週に2回程度の通所は可能だったと思います。
これはと思ってパンフレットまでもらってきたのがさいたま市内のリハビリ施設。
午前か午後か、半日の通所で送迎付き。
運動リハビリに特化した施設なので、通りから中を見ると、トレーニングマシンが並び、ファストジムのような感じでした。
半日と言ってもいる間ずっとトレーニングをするわけではないので、マシンがあくまでの間におしゃべりしたり備え付けの飲み物を飲んだり。
社交的な人なら、すぐに顔なじみができると思います。
ファストジムは自分でトレーニングするだけですが、リハビリ施設なのでトレーニングには理学療法士の介助がつきます。
ジムで有料のパーソナルトレーニングするようなもので、至れり尽くせり…と思いましたが、弟にはあっさり却下されました。
パンフレット投げつけられてオシマイ。
その後も情報見つけては資料を取寄せましたが、意固地にとうとうどこにも通おうとしませんでした。
最後に訪問リハビリを試し、担当者がとても良い人でうまくいきそうでしたが、その時には開始半年で弟のカラダが限界になってしまいました。
私の薦めたどこかに早くから通っていたら。
私が訪問リハビリに早く気づいていたら。
色々思うところはありましたが、時すでに遅しで。
運動は精神面にも肉体的にもメリットばかり。
定期的に通うことで、新たな人間関係もできたことでしょうに。
先に希望の無い生活で自暴自棄な生活態度になってしまったのが、間違いなく弟の寿命を縮めた原因です。
介護保険の利用をしたがらない親御さんに、こういうリハビリもありますよとコメントして、弟の時のことを思い出しました。
デイ通所と言ったって、何も「宅老所」みたいな施設ばかりではありません。
私が見つけた送迎付きのファストジムみたいなところも、都市圏ならたぶんあちこちにあると思います。
リハビリ訓練に音楽や美術を取り入れているところとか、フリータイムの過ごし方が囲碁・将棋やゲームの盛んなところとか、施設によって色々です。
介護保険の対象施設というだけで、利用料が1〜2割で済むというのも魅力。
精神面でも、家族以外の人とつながる時間は大事です。
「お元気」なご高齢者には介護保険が不要なのではなく、元気だからこそこういうところを検討したらと思います。