去年の7月29日に母が有料老人ホームに入居しました。


去年の今日は在宅最後の日で、夕方、母の寝室のベッドに並んで座って、庭を眺めながらゆっくり話しました。

初めて「家を売ってもいい」と言ったのもその時。

「この庭を荒れ庭にしてしまうのは忍びないから」と。

私が手入れしに来ると言っても「大変でしょう?」と案じてくれました。

老人ホームに入居することも「もう、そういう時期だと思う」と納得していて、とても穏やかに話せる時間でした。


日没後はやはりせん妄が出てきて、「家がわからない」が始まってしまいましたが、その前の1時間ほどは思い出深いです。


当日は、ホンネは家を離れたくなかったのか、整理して置いていくはずだった荷物を持ち出していくつも抱え込んだり、朝から精神状態が不安定だったので、前日のその時間が、ちゃんと話せた最後です。


それからたった9ヶ月でホーム内で転倒、車椅子になり、10ヶ月目には今回の入院。

入院4日で意識が無くなりました。

短期間にどんどん状態が悪くなり、私の選択の誤りだったかと本当に悩みましたが、ようやく落ち着いたところです。


一番大きかったのは、お寺の住職さんと話したことかも。

私よりひと回りほど若い方ですが、「お母様の寿命だから」と、今回亡くなれなかったことも含め、私がどうこうできることでは無かったと言ってくれました。

色々なことをそのままに受け容れるって仏教的なのかな。

無宗教の私ですが、少し救われた気がしました。

宗教者の方は、心療科医や心理カウンセラーのような人の心のほぐし方も学ばれているのかと感じました。



朝起きてきたら、夫に「今日は面会日だね」と言われました。

今は面会制限もあり、意識の無い患者さんは、家族が来ない方も多いよう。

さほど大事にしてこなかった「婿」に週1回の面会日を覚えていてもらえるのは、恵まれた姑だと思います。