結局、土曜日は9時過ぎに獣医さんに電話。

桜子さん、静かだけど、明らかに呼吸が浅く早い。

水も飲んでないみたいだし。


電話口の獣医さんの声は、いつもよりワントーン低く、眠そう。

申し訳なかったけど、月曜日まで待つ気持ちにはなれず、診察をお願いしました。

「30分後に開けておきます」男の子



すぐ支度して行くと、ボサボサ頭で眠そうな先生が開けてくれました。

でも、診察は丁寧です。

問診して、聴診器当てて、レントゲン撮って。


診断は「肺水腫と肺炎」

レントゲンで見た肺は真っ白で、炎症を起こし、水が溜まってるんだそう。

肺水腫で水が飲めない場合は、点滴しても水分がさらに肺に入ってしまうので、点滴できません。

利尿剤と抗生物質2種類の注射をしてくれました。

利尿剤で水が排出されて、抗生物質で肺の炎症が治まれば回復できますが、高齢なのでかなり難しいとのこと。


預かりになっている事情をご存じなので、「母に会わせた方が良いですか?」と聞くと、「今すぐ何があってもおかしくないので、お別れさせたい人がいれば会わせてあげて」



帰宅後、母に電話して容体を話したら電話口で泣いているみたい。

「迎えに行くから、会う?」と聞くと、遠いのでしばらく躊躇していましたが、結局迎えに行くことに。



母を迎えに行って、家に連れてくると、桜子は薬が効いてか、帰宅したときより呼吸が静かになっていました。

じっと横になっていますが、苦しそうに唸ったりすることは無く、眼振やけいれんがあるわけではないので、普通に眠っているみたいです。

気づいて起きたのでしばらく母に抱かせていましたが、「安静にして、静かな部屋で眠らせて」ということなので、カドラーに戻して背中をさすっていました。


我が家での滞在時間は20分程度でしたが、苦しそうでないことで安心したみたいです。

14歳9か月、人なら78~9歳で、犬の平均寿命は超えています。

眠ったまま逝けるなら、それで幸せだと納得したようでした。



夕食後、早いけど静かな呼吸をしている桜子を見ていて、飲もうとしなかった食器の水を交換しました。

そしたら、それを待っていたように飲んで。

またしばらく横になっていて、見るともなくそばにいましたが、突然、呼吸音が大きくなりました。

大きく、ゆっくりした呼吸。


名前を呼んだけど、もうこちらは見ないで、何も見えていない様子。

あとは、2~3分背をなでる間に呼吸の感覚が短くなって、6時過ぎに逝きました。

荒い呼吸は少し苦しそうだったけど、静かな最期だったと思います。



母に電話して知らせました。

母は、今日会えてよかった、桜子は充分幸せだった、と言っていましたが。


6歳で、一番可愛がっていた私の父が亡くなり、11歳で我が家に預けられ。

仕方ないことばかりでしたが、変わらない家族とともに過ごすことができなくて、そのことは可愛そうだった。

ひとりっ子気質で、本当なら家族全員の愛情を独占したい子です。

今は虹の橋を渡って、父の膝の上にいると思います。



先代の犬の時のように取り乱すことはありませんが、送るときは本当につらい。

小振りなリンゴくらいしか無かった桜子の顔なのに、目だけは黒く巨峰の実くらい大きくて、隣の部屋に居ても扉をあけてあれば、こちらを見ていることはよくわかりました。

いつも寝ていたカドラーから見ていた桜子がいないのを、今朝はすごく寂しく感じます。