出産ダイアリー。~陣痛とアロマと週刊誌と~
あれよあれよと。
午後3時。
陣痛室では相変わらず。
あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!」
という地を這うような断末魔と。
さぶろー山「ああおかめ。大丈夫かー。ほーら。撫でてやるぞー。なでなで。なでなで。
でさ。おかーさん。このサッチー事件はさー。なんちゃら。かんちゃら。」
おかん「そうだよね。こっちのムネオハウスもさー。なんちゃら。かんちゃら。ああ。おかめ。なでなで。なでなで。」
と。
片手であたしをさすり。
もう片方の手には週刊誌。
なんとも器用なマネをしたお2人様が。
当時世間を賑わしたニュースネタで。
大変な盛り上がりを見せております。 もーやめてこの盛り上がり。
助産婦さん「おかめさーん。どおー?」
あたし「うぉ・・・うぉぉぉぉぉぉ~!!!」
ダメですじゃー。
もうダメですじゃー。
助産婦さん「んー。なかなかどうして微弱なんだねー。」
おかん「あー。あたしもそうだったから。」
助産婦さん「そうなんですかー。出産はお母様に似るって言いますもんね。」
そんなん似なくていーーーー!
やめて。
お願い。
おかんみたいに一晩も分娩室にいたくない。
今すぐ。
お願い。
今すぐ生ませて。
助産婦さん「そうだなぁ。もう促進剤はいっぱいだし。アロマオイルしよっか。」
あたし担当になってくれた助産婦さんは。
たまたまその産院に1人しかいないアロマオイルの資格者。
流行のアロマ出産。
当時は大変人気だったらしく、
彼女の予約は半年先まで埋まっていたそうだ。 さすがあたし。こんな時でも運がいい。
そして助産婦さんはいろんなオイルを出してくれて。
助産婦さん「体あっためると陣痛も進むから。ちょっとマッサージするね~。」
と。
温めたオイルを出してくれた。
ほわわわわ~んと広がるオイルの香り。
なんだろう。
花の香りかな。
すっごくいい香り。
助産婦さん「足元が冷えるから。足元からするねー。」
と。
もみもみ。
もみもみ。
うん。
気持ちいいんだろうな。
多分。
すっごく気持ちいいんだと思う。
今じゃなければ。
そう。
今以外の時であれば。
あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!うぉぉぉぉぉぉ~!!!!!」
現在、オイルどころの騒ぎではありません。
そして。
あれよこれよと午後3時30分。
助産婦さん「んー。どうしよっかな。先生4時って言ってたもんねー。そろそろ呼んでみようかー。」
そう。
朝、先生が発した謎の言葉。
あれは先生なりの出産時間予告。
4時か。
4時になったら開放されるのか。
4時だ!
4時だ!!
4時だーーーーー!!!
あたし「よっ・・・呼んで。今すぐ。今すぐに!!!」
渾身の力を絞って。
何時間ぶりかに日本語を発した。
4時まであと30分。
ダメです。
もう待てません。
頼む。
先生を呼んでくれ。
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先生早く来て。
あたしの切なる願い。
