出産ダイアリー。~陣痛と雑誌~
午後2時。
この頃になると。
痛みもほども。
MAXを超えた超MAX。
さっきまで痛いと思っていたものは。
全く痛くなかったんだなという事に気づく。
助産婦さん「おかめさーん。陣痛どうですかー?」
あたし「うぉ・・・うぉぉぉぉぉぉぉ~!!!!」
何を言わずとも分かってください。
この痛み。
必死です。
あたし。
超必死。
助産婦さん「んー。やっぱり陣痛微弱だねー。どうしよっかなー。もう一回打とうかなー。」
これで微弱って!
これが微弱って!
助産婦さん。
それ嘘嘘。
絶対ないない。
助産婦さん「よし。じゃもう一回だけ打とう。」
と。
この3日で、どれだけお付き合いしたか分からない陣痛促進剤。
午後2時すぎ。
再び促進剤を注入することに。
助産婦さん「筋肉注射だからちょっと針も太くて痛いかも。すこーしだけ我慢してねー。」
注射をぶすっと打たれた。
尻に。
多分。
普通だったら超痛いんだと思う。
本当に「ぶすっ」て刺す音がしたし。
あたしでも分かるくらい太い針だった。
しかし。
こちらとら。
全身どこが痛いか分からないくらいの痛み。
注射の痛みなんて全く分からん分からん。
余裕余裕。
助産婦さん「じゃあもうちょっとだけ頑張って。また来るからねー。」
と。
助産婦さんは去って行き、
あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!うぉぉぉぉぉぉぉ~!!!!」
再びあたしの断末魔の叫びが始まった。 もーいつまで痛いの。
さぶろー山「どこだー。どこが痛いんだー。」
と。
必死にお腹や腰をさすってくれるさぶろー山。
あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!うぉぉぉぉぉぉ~!!!」
優しさ。
届きません。
さぶろー山「どのくらい痛いのさ。ほら。手を握ってごらん。」
あたし。
渾身の力でさぶろー山の手を握る。
さぶろー山「うぉぉぉぉぉ~!いてーいてー。まじでいてー。」
バカヤロウ。
こっちはその100倍痛いわ。 ほんとそう。100倍以上痛い。
そして午後2時半。
穏やかな午後の日差し。
あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!うぉぉぉぉぉぉぉ~!!!」
眠気。
眠気。
断末魔。
眠気。
眠気。
断末魔。
陣痛室にひたすら響くあたしの声。
このくらいの時間になると。
意識も朦朧。
現実と夢の境が分からない。
もーお願い。
誰かどうにかして。
100万円。
いや。
1000万円もいらないです。
1億円も放棄します。
お願いします。
誰かどうにかしてください。
と。
誰もくれると言ってもいない1億円を思い浮かべ。
勝手にいらないとかぬかしてみる。
そう。
誰もくれるって言ってもいないのに。
しかも、自分で持ってもいないのに。
勝手に1億円放棄。
あたし「うぉぉぉぉぉぉ~!うぉぉぉぉぉぉ~!!!!!」
夢か誠か。
はい。
現実です。
痛みが全ての夢を消し去ってくれます。 一億円はどこー。
あたし「うぉぉぉぉ~おおおおおおーん!!!!!」 もー泣きたい。
と。
ひたすら苦しむあたしの横では。
さぶろー山「あー。こっちの雑誌読み飽きちゃったなー。」
おかん「ああ。じゃこっちの女性セブンと交換しようよー。」
さぶろー山「お。いいねいいね。交換しよう。」
的な会話がなされ。
ええ。
おかんとさぶろー山は。
雑誌を読んでおりました。
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