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断酒の三本柱、ということが、少なくとも僕が入院していた頃のアルコール医療では口を酸っぱくして言われていました。
「抗酒剤」「通院」「自助グループ」
通院、自助グループに関しては、精神療法の側面が大きく、当時は抗酒剤のみが、アルコール依存症治療のための投薬でした。
今は、レグテクトという渇望抑制剤があり、抗酒剤が唯一の薬物療法ではありませんが、このレグテクトは、どちらかというと精神療法の補助的な存在であり、抗酒剤のようにそれだけで何らかの効果を現す種類の、そんな薬ではないようです。
抗酒剤は、「アセトアルデヒド脱水素酵素」の働きを抑える薬です。「アセトアルデヒド脱水素酵素」というのは、悪酔いの原因となる、アセトアルデヒドを分解して、酔いを醒ましてくれる酵素です。
その働きを抑える、と、言うのは、要するに、二日酔いを治さない、身体の状態を、より二日酔いになり易くする、と、そういうワケです。
そうすると、ちょっとのお酒だけで、もの凄い悪酔いをするようになり、それ以上はお酒が飲めなくなる、と、そういう事態に陥ります。
もちろん、実際に、そんな状態になることを求めているワケではありません。
抗酒剤を服用した上で、万一、大量にお酒を飲んでしまうと、生命に関わることがあり得ます。死ぬかも知れません。
そんなものを医療が勧めるワケもなく、実際には、
「抗酒剤を飲んでいるんだから、もう、今日は(数日は)お酒を飲むことができない」
という、そういう覚悟をもたらすのが最大の効果なんだと思います。
「薬」という名前がついていますが、決して身体に良いものではありません。そこが一般の薬とはちょっと違うところかな?と、僕はそう思います。
アルコール依存症者の自助グループや、ネット上の断酒ブログの中では、時々、断酒歴数年、断酒歴十数年という先輩が、
「近所にお洒落なバーができました。もうお酒は飲まないけど、ちょっと覗いてきます」
「勿論、飲む気もないし、飲まない自信はあるけれど、念のため、シアナマイド(抗酒剤の一種)を持ってね」
とか、そんなんを嬉しそうに、ちょっと自慢そうに?話したり、書いたりされていますが・・・。
少し考えれば解るのですが、シアナマイドだって薬物。
身体に何もいいこともないし、ましてや、薬物である以上はお酒で相当なダメージを受けている肝臓には悪影響を及ぼすものです。
そんな話を見聞きすると、僕はいつも複雑な気分になってしまいます。
・・・僕なら、万が一でも、そんな可能性=お酒を飲んでしまう危険性があるのなら、多少、興味はあっても、そういう場には行かない、と、そういう判断をするかなあ?と、そう感じます。まあ、もうそういう場所には、今は興味が湧いても来ないのかも知れないのですけどね。
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