にほんブログ村
さて、その日、僕は朝から、保険証とアルコール外来で書いてもらった紹介状を持って大江戸線に乗りました。
特に緊張することもなく、追い込まれた気持ちでもなく、意外に?落ち着いた気持ちであったことは覚えています。いや、状況からすると、相当に追い込まれた状況ではあったのですけどね。笑。
東中野で乗り換えて中央線。
東京の西の郊外にある大きな精神病院のアルコール病棟を目指します。
何故でしょうか?精神病院もアルコール病棟も、東京では割合とその辺りに集中しているような、そんな気がします。
実は以前、一度、23区内にあるアルコールの専門病院に入院相談に行ったことがありました。しかし、「三ヶ月の入院」と言われ、その当時、一応は定職を持ち、毎日隠れ酒をしながらとは言え勤務を続けていた僕は、
「ああ。駄目だな。三ヶ月も休むワケには行かないな」
とかなんとか、あんまり理由にもならない理由で入院を断念します。そんなの事前に調べて判っていたことで、端から知っていたことではありますし。
おそらくは、相談には行ったものの、何かの言いワケがあれば、できれば入院を避けたい、と、そんな気持ちが心の底にあったのは確かだと思われます。
さて、今回の入院において、僕は、あまり、ことの重大さは理解できていなかったかも知れません。
それまで、そう、アルコール病棟への入院に辿りつく、その前にアルコール外来に通った経験は、もう、二度、三度。
何度か通っては、途中でお酒を飲んでしまって外来に行かなくなったり、あるいはアルコール外来のデイケアに参加しつつも途中で抜け出して隠れ酒したり、で、まともに勤め上げたことはありませんでした。
最後の最後?今回のアルコール外来への通院も、最初は断酒して臨んだものの、あっちゅう間に再飲酒。飲みながら通った挙げ句、
「せんせ。もう限界です。入院させてください」
と、お願いして、ようやく入院への段取りとなりました。
その前に、アルコール病棟に入院相談に行ったおりには、「今の勤務を休むワケには行かない」という曖昧な理由で入院を断念するに至りました。
それは、ある意味、積極的な断念?で、どこかで止めておく理由を探していたのかも知れません。
今回は、お酒の度が過ぎて、辛い日常から逃げるように会社からお休みをいただいていたので、そういう逃げ口もなく、いや、それ以上にあまりにも切羽詰まって自分自身が望んだ入院でした。
しかし、アルコール外来の真面目な患者ではなかった僕は、ほとんどアルコール依存症という病気に関する勉強はせず、この病気がどんなものか?をまったく理解しないままの入院でした。
入院すればお酒が止まるんじゃないか、止まるだろう、と、藁にも縋る思いでアルコール病棟への紹介状を書いていただいたのでした。
そんなだから、あんまりしっかりした決心もなく、ある意味、なんとはなしの入院でした。
軽い気持ちなもんだから、JR中央線への乗り換え時には、駅の自動販売機で缶ビールを買ってごくり、と一口。
「お酒が飲めるのは今日が最後やしなあ」
とか、なんとか言いながら、相当にいい加減な気持ちでアルコール病棟に向かいました。
にほんブログ村