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K医師に出会って、なんだか、ちょっと、こう、結構良く言えば、




「生きる希望」




みたいなもんをもらった僕は、自ら志願して、K先生の勤務される循環器系の病院に再度入院させていただき、内臓の手当てをしてもらいつつ、近くのアルコール外来に通う、そんな治療の日々を送ることとなりました。




ただ、その時点で、僕の飲酒欲求は、もう、僕のそれまでの人生においても最大級に肥大してしまっていました。




要するにアルコール依存症の進行が、最早のっぴきならないところまで来ていた、と、そういうワケなんだと思います。




ようやく見つけた新しい職場からお休みをもらって、折角、アルコール依存症の治療のために入院した僕でしたが、迫り来る飲酒欲求には勝てず、いや、日々、飲酒欲求に負け続ける、そんな駄目駄目な入院生活を送っていました。




僕が入院している、K先生がお勤めの病院で、朝一番に抗酒剤を服用するのですが、抗酒剤を服用しているにもかかわらず、昼にアルコール外来への通院をするために外出したおりには、飲酒欲求に耐え切れず、駅で飲酒。




抗酒剤を服用して飲酒すると、とんでもなく酷い悪酔いを起こすワケですが、実際、僕は駅のベンチでぶったおれて七転八倒、地獄の責め苦にもだえ苦しむこととなります。




それに懲りて、僕が取った作戦は・・・




正常な脳味噌で考えると、「もうお酒は飲まない」、「抗酒の服用中は金輪際飲まない!」と、そんな判断になるかとは思いますが、お酒に狂った脳味噌は、これまた、別の判断をしやがります。




そう。




もう飲まないのは、お酒ではなく、抗酒剤。




抗酒剤は、もう、飲まない。




朝一番で手渡される抗酒剤を、看護師さんが目を離した隙に、枕のカバーに、つ~って染み込ませて、空になった容器をすばやく口に運びます。




アルコール病棟の看護師さんなら、一挙手一投足を凝視し、挙句最後には、




「はい。完全に飲んだか、あ~ん、してください」




とか言うところでしょうが、循環器病棟の看護師さんにとっては、抗酒剤の服用なんて慣れてないということなんでしょう。




こうして、抗酒剤の服用を免れた僕は、アルコール外来への通院で外出したおり、駅の売店でお酒を買って飲んだり、あるいは・・・夜、病院が寝静まったタイミングでこっそり抜け出して、表のコンビにでお酒を買って飲む、そんな隠れ酒の日々に逆戻りしていたのでありました。




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