外国人労働者の受け入れ問題
膨れ上がる福祉コスト
出口のない「失われた30年」
少子高齢化
慢性的な人手不足...
今の日本には、解決不可能に思える難問が山積している。しかし、もし僕が、これらの問題をほとんど全て一瞬で解決できる「魔法」を知っているとしたら、どうだろうか。
「そんな都合のいいものがあるはずがない」と笑うかもしれない。だが、その魔法が実在するとしたらどうだろうか。
今回は、その正体を解き明かすための「一つの思考実験」を提示したい。
「もし、日本から高齢者が一人もいなくなったとしたら、社会はどう変わるか」
誤解しないでほしいが、僕はそんなことを望んでいるわけではないし、断じて実行すべきでもないと考えている。しかし、この極端な仮定を置くことで、日本のあらゆる問題を解決するための真の「センターピン」がどこにあるのかが見えてくるのだ。
思考実験の前提:知っておくべき「異常な数字」
まず、僕たちが直面している現実を数字で直視しよう。
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日本の社会保障給付費:約140兆円(※2025年時点)
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2040年の社会保障給付費推計:約190兆円
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2025年時点の「消費税収」:わずか約25兆円程度
消費税収の数倍もの金額が、毎年、社会保障……その大部分が高齢者の医療や年金に消えている。今後15年でさらに50兆円も膨れ上がるこの給付額がいかに異常か、この数字を見れば一目瞭然だ。
1. 現役世代の手取り額の劇的な上昇
高齢者がいなくなれば、この140兆円の負担の大部分が消失する。
まだ真面目にみたことがない人は、直ちに給与明細を確認するべきだ。
現在、社会保険料として労働者の給料から「30%」もピンハネされている。私の給与なら、毎月自己負担だけで7万円以上... 会社負担分と合わせて14,5万円ピンハネされている計算だ。
その実態は、現役世代から見ず知らずの高齢者への「一方的な仕送り」に他ならない。この搾取こそが、僕たちの手取りを劇的に押し下げている主犯だ(詳細は後日、社会保障改革の記事で詳述する)。
地方自治体の予算も同様だ。敬老パスや高齢者向け給付金、老人クラブといった施策は全て、現役世代の手取りを削って捻出されている。魔法が発動すれば、現役世代の一方的な搾取が解消され、可処分所得は即座に跳ね上がる。
そもそも彼らは「高度経済成長」「バブル」「人口増加」というボーナス期を経験した人間だ。
案の定日本人の保有する金融資産のほとんどは高齢者が握りしめている。
60歳以上の高齢者の金融資産の比率は、この30年で30%から70%になった(この図は2009年)。社会保険料で高齢者に巨額の所得逆分配が行われたからだ。
— 池田信夫 (@ikedanob) November 7, 2024
この金融資産は死ぬとき最大になり、子供(高齢者)に老老相続される。これが日本経済の衰退した大きな原因だ。 pic.twitter.com/MYXvuyYVln
そんな彼らが、オーナス期に生まれた世代から取り上げて老人福祉を享受するのは、ちゃんちゃらおかしな話なのだ。
2. 「高齢者向け産業」から「未来」への労働力移転
今、日本の労働力は凄まじい勢いで医療・福祉産業という「公的セクター」に吸収されている。
これらのセクターは、現役世代からピンハネした税金や保険料を原資として運営されているが、その多くは新しい価値を生むことのない、延命などの「生物的なメンテナンス」に終始している。
特に、高齢者は9割引で医療を受けられる... し、高額療養費制度を使えばほとんどタダのような金額で数百万円する医療を受けられる。
「命に値段をつける気かァ〜〜〜〜〜っッ!!」
という反論が聞こえてくるが、命の価値は同じなのだから、最低でも窓口負担3割に応じるべきだ。
さらに深刻なのは、2030年代にはこの医療・福祉産業が日本最大の産業になるという予測だ。
https://www.jil.go.jp/press/documents/20240311.pdf
そもそも高齢者向け産業は新しい価値を産まない... にもかかわらず存続できているのは、誰かが競争の渦中で付加価値を生んでいるからだ。
税金で運営される「公的セクター」が国内最大の産業になった国が、果たしてどうやって国際的な競争力を維持し、付加価値を生み出していくのか。そんなモデルが持続可能なはずがない。
3. 未来に投資せよ
https://www.asahi.com/thinkcampus/article-120135/
更に深刻なのは、高度経済成長期に急ピッチで整備された各種インフラが耐用年数を迎えようとしている現実だ。
医療や介護は、病院の電気や上下水道が問題なく動くからこそサービスとして提供できている。
日本の国家予算の推移から読み取れるのは、インフラ整備を怠ってでも社会保障を維持しようとしている現実だ。
国土交通省管轄のインフラ(上下水道、港湾、道路など)の整備にかかる費用は、2018~2048の30年間で190兆円だという。
...もう一度言う。30年間で190兆円だ。
要は、社会保障1.35年分くらいで日本全国のインフラを整備できるということだ。
という薄らとした疑惑が確信に変わる典型例だ。
4. 外国人問題の前提が消滅する
「労働力が足りないから外国人を入れよう」という議論がある。
しかし、この思考実験に基づけば答えは明白だ。支えるべき対象がいなくなれば、そもそも介護や医療のために外国人に頼る必要などなくなる。
外国人問題の多くの論点は、高齢者産業の担い手という前提に依存しているのだ。
更に魔法の世界では「日本最大の産業になる高齢者福祉産業から労働力の移転が起こる」と述べた。
すでに紹介した、独立行政法人 労働政策研究・研修機構のレポートによると、2025年時点での医療福祉産業従事者は938万人にのぼると言う。
パーソル総合研究所の試算では、2035年時点での日本の労働者は384万人不足するという。
さらに詳細は後日述べるが、外国人の手を借りるのは「マジでよく考えたほうがいい」と思う。
とにかく、高齢者福祉を維持するために外国人の労働力を借りてでもなんとかしよう という発想は危険すぎる。
5. シルバー・デモクラシーの終焉
そもそも、生活の糧のほとんどを見ず知らずの現役世代の仕送りに依存している人間が、国の意思決定に関与し、物申すなど言語道断である。
彼らは「福祉を受けたい側」であり、改革によって自分の取り分が減ることを極端に嫌うインセンティブが働く。だからこそ、何もかもに反対し、現状維持を望むのだ。
その典型例は、おおさか維新の会の「大阪都構想」だろう。
政策の是非はここでは一切論じないが、結果は「他人の下の世代の支払いに依存している人間の反対多数で否決」だった。
自分たちの生活を支えている現役世代を疲弊させ、未来を食いつぶしながら、その仕組みの維持を叫ぶ。 それはもはや「寄生」と言わざるを得ない構造だ。
6. 出生率の改善、その「伏線」
世帯年収が増えれば、出生率は改善に向かうだろう。……しかし、ここで一つ釘を刺しておきたい。「世帯年収の向上」さえすれば少子化が解決するというのは、まだ浅い議論だ。 実は、この裏にはもっと別の「目を背けたくなるような真実」が隠されている。これについては、次回の記事で触れる。
日本のセンターピンを倒せ
この思考実験に対して、「高齢者だって消費者として経済を支えている」「介護は誰がするんだ」といった反論を抱く人もいるだろう。
紙幅の都合上、ここでは詳細は割愛するが、そうした各論に逃げ続けてきたのが失われた30年の正体だ。あらゆる問題の根源を辿れば、やはり「高齢者を優遇しすぎている構造」という本質に突き当たる。
この構造こそが、日本のあらゆる問題を解決するための「センターピン」である。高齢者への過剰な優遇と福祉をバリバリと削り、そのリソースを現役世代と子供たちの未来へ還流させる。
枝葉の議論で浪費している暇はない。なんとしても高齢者の優遇を「今の人口構成に適したサイズまでダウングレードするべき」というのが、私の一貫した主張だ。
結局、どこに投票するのか?
ここまでリップサービス抜きの主張を展開してきたが、では現実問題として、来たる2026年2月8日の衆議院選挙で僕はどこに一票を投じるのか。
かつては、この社会保障改革を明確に訴えていた「日本維新の会」が有力な選択肢だった。特に東京選挙区では、日本医師会という巨大な利権団体を正面から批判し、社会保障改革をアグレッシブに主張していた音喜多駿氏を応援していた。
彼が落選上等で勝負に挑む姿には素直に心打たれたし、高齢者票を諦めてでも社会保障改革を訴える彼の信念に嘘や偽りはないと思った。
うっかりTwitterで自分の局部を全世界に公開してしまう「男らしい一面(婉曲表現)」も、モテたいから政治家になったという浅ましい一面も個人的には大好きだ。私には到底できそうにない。
しかし、彼が議席を失った今、維新の中での改革の機運はどこか盛り上がりに欠けているように感じてしまう。
副首都だの議員定数削減は面白そうだが、センターピンには程遠く 個人的にはほとんど思い入れなどない政策だ。
一時期は「国民民主党」に期待した時期もあった。代表の玉木雄一郎氏が、高齢者福祉の抑制や 公共の電波で尊厳死の議論に踏み込んだのを見て、「ついに現役世代のための政党が現れたか」と錯覚したのだ。
しかし、今は冷静に彼らの政策を分析している最中だ。詳しくは別記事で書くつもりだが、「国民民主党は、実は現役世代向けの政党ではないのではないか」という疑念を拭いきれない。
現状、僕はまだ「本当の選択肢」を模索している。既存の政党のどこが、この「センターピン」を倒す覚悟を持っているのか。選挙当日まで、僕なりの分析と発信を続けていくつもりだ。







