「**…?」
一瞬だけ目が合ったのが、とても長い時間に感じた。
俺が名前を呼ぶと、同時に弾かれたように逃げ出す**。
「**!」
くわえていた煙草を吐き捨て**の後を追ったが、酒が入っているせいか思うようなスピードで走れず
そしてとうとう人通りの多い曲がり角に逃げ込まれ、**の姿を見失ってしまった。
「…チッ」
俺は小さく舌打ちをし、冷静に思考を組み立て直してみた。
**は旅行用のような大きめの鞄を持っていた。
アメリカから帰ってきたばかりなのかもしれない。
だとしたら、俺にも一つだけ**の行く先の検討がついた。
今はそれに賭けるしかなかった。
買ったペットボトルを持って、急いで武井先生のところまで戻り水を飲ませる。
武井先生はもう大丈夫ですと言ったが念の為、タクシーに乗せて家に帰した。
そして俺は
一縷の望みに賭けて神蘭寮へと向かった。
寮に入って来た俺を見た夏男の慌てぶりが、賭けの勝利を確実なものにしていた。
つづく。
短めupすみません…このあたりキリのいいところがなくて困る(((゚д゚;)))