昨年末、1通のお問合せメールが届きました。

 

留袖をさよりすキモノにリフォームできるかのお問合せでした。

 

もちろん、できますと返信。

 

そしてお返事が届きました。

 

お祖母様がお持ちの黒留袖をリフォームしたいとのことでした。

 

このお着物は下襲(したがさね)を着て、留袖を着るという正礼装のものだそうです。

 

下襲は留袖と同じように作られる形の白羽二重で作られる下着です。

 

ちょっとお話逸れますが・・・

 

これを着たような感じにするために考えられたのが比翼仕立て。

 

今はこちらが主流です。

 

なぜならこの下襲を着るととにかく重たくなるんです。。。

 

ただでも黒留は黒を染めるための染料が何回も使われるため、非常に重い。

 

その上、生地も厚い。

 

そこにさらに白羽二重ですから、相当な重量です。

 

これを避けるため、衿周りに比翼を付けて下襲を着た感じにするようになったのです。

 

実は私も下襲を実際に見たことがないんですあせるあせるあせる

 

今回お尋ねくださったことで初めて、黒留に下襲をお使いの方が実際にいらっしゃるのを知ったのです。

 

そのくらい貴重なお着物だったのです。

 

このお着物はその前のお祖母様がお祖母様のためにお作りなったものだそうです。

 

代々受け継がれていきたいというお客様のお気持ちが素晴らしいですね。

 

しかし今回はお着物の状態があまりよくないということで断念されました。

 

でもそのお気持ちが素敵だなぁと感じています。

 

そのお着物で家族の絆を感じるというか・・・

 

新春にふさわしいお心持ちだなと。

 

温故知新という言葉が思い浮かびます。

 

年明けからほっこり温かな気持ちにさせていただいたこと感謝です。