故ポール・ソロモン氏が世界大戦の勃発を予言した際に残した

日本への戒めをもう一度思い返して欲しい。

 

 

2015.05.27

日本北部に世界の救世主となる男がいる!? ノーベル平和賞候補ポール・ソロモンの\"恐ろしい予言\"を検証!!

 

 

ポール・ソロモンという人物をご存知だろうか。すでに故人(1994年没)だが、アメリカの牧師兼霊能力者で、エドガー・ケイシーと同じように、トランス状態においてリーディング能力を発揮したとされる。しかも、キリスト教の既成概念を超えて輪廻転生を肯定し、太古のアトランティスや未来予言についても語っていることもケイシーと酷似している。 

 

 また、現実の奉仕活動を主宰した点も特徴で、93年にはタイで奴隷状態にある子どもたちの解放に尽力した功績によりノーベル平和賞に推薦までされているため、その辺の自称霊能者の方々とは次元を異にすることがわかろう。

 

 

日テレの番組で予言した内容が的中か?

 

 実は、そのソロモン氏は、1991年に来日し、三宅裕司氏が司会を務める『EXテレビ』という深夜番組(日本テレビ)に出演していた。しかも、生放送中にリーディングにチャレンジするという趣向で、タイトルはズバリ、『初公開! チャネリング大予言』。つまり、「その場で近未来を予言する」というのが企画だった。リーディングは結果的に成功したようで、その模様はYouTube動画で視聴することができる。

 

 さて、放送されてから24年たった今、改めて当時の番組を振り返ってみると、たいへん興味深い。時期は外れているものの、内容的にはかなり当たっているという印象を覚えるからだ。

 

 

・リーマン・ショック、ISテロ、第三次世界大戦の勃発

 

 冒頭、ソロモン氏(の身体を借りている何らかの実体)は、ノストラダムスの1999年人類滅亡説について尋ねられると、「ノストラダムスがそのように言ったということになっているが、まったく誤解されている」と一蹴する。そもそも、この説はもっとも有名な『百詩篇集 10巻72番』が元になっているが、実際、詩にも滅亡云々といった内容は一切記されていないため、これは納得できよう。ただし、ソロモン氏は近未来の破局自体は到来すると予言した(人類の努力次第で不可避ではないが、このままでは起きる可能性が高いというスタンスだが)。それが世界的な経済崩壊と第三次世界大戦の勃発である。

 

 番組で実演されたリーディングの順番と前後が異なるが、ソロモン氏は、前者について「すでに始まっている」とし、借金と政治的な操作をベースとしたバブル経済と呼ばれるものが、それに当たるとした。その行き過ぎによって、90年代のうちに世界経済が破綻し、また何らかの異常気象(?)によって7年間の食糧危機が来るのだという。

 

 周知のとおり、これは外れた。ただ、2008年、実体経済とかけ離れた金融資本主義の行き過ぎを原因として、リーマン・ショック(※米大手投資銀行のリーマン・ブラザーズ破綻をキッカケとする世界的な金融危機)が起こったのは記憶に新しい。肯定的に見れば、ソロモン氏は、危機の本質自体は見抜いていたともいえる。しかも、リーマン・ショック以降、まさにその「借金と政治的な操作」の問題が顕著になり、先進国は景気を下支えするために軒並み極端な金融緩和政策を余儀なくされている。つまり、世界的な経済危機はまだ去っていないか、またはこれからが正念場とも言えるのだ。そういう意味で、たしかに時期は20年以上もズレたが、内容的にはかなり的中していると思えなくもない。

 

 

■第三次世界大戦の発火ポイントはここだ!?

 

 しかも、同様のことは、後者の第三次世界大戦の予言にも当てはまるのだ。同じく90年代のうちに起きるとしたため、時期はたしかに外しているが、内容的には今読んでも、いや、今だからこそ戦慄するものがある。

 

 ソロモン氏は番組中、イスラム教圏の人々が世界的な銀行・経済システムからシャットアウト――つまり経済繁栄の恩恵から疎外――されている事態に不満を募らせ、「残りの世界に対して立ち上がる」と予言したのだ。

 

 これはむしろ、現代の我々だからこそ単なる絵空事で片付けられないものがある。というのも、今まさにイスラムの人々のやり場のない怒りが爆発している様を目撃しているからだ。しかも、彼は、テンプル・マウント(Temple Mount)で悲劇が起こり、それをキッカケとしてイスラムの人々が決起し、日本も含めて世界中の国々が戦争に巻き込まれるだろうと、かなり具体的な説明をした。正直、私はこれを聞いた瞬間、ぞっとした。というのも、通訳者は「寺院のある山」などと誤訳し――しかも同席の栗本慎一郎氏も気付かない――、番組の最後になってソロモン氏に促され、ようやく「イスラエルのエルサレムのことです」と訂正したのだ。このテンプル・マウントとは要するに「神殿の丘」(エルサレム旧市街)のことだからだ。

 

 ソロモン氏は、ここで何らかの「悲劇」が起こり、イスラム教徒がいわば「暴発」するとリーディングしたのである、24年も前に。しかも実は今、ここに「第三神殿」を建てる計画が持ち上がっているのだ。

 

 なぜ「第三」なのか。かつて栄華を極めたソロモン王がこの場所に壮麗な神殿を建設した。それはBC6世紀にバビロニアによって破壊されるが、その後、再建される。しかし、西暦70年にローマ帝国によって再び破壊され、その後は二度と再建されなかった。これを現代に甦らせよう、というわけだ。だから「第三」なのである。

 

 


画像:Otters and Science Newsより

 

しかし、図をご覧のように、現在は敷地のど真ん中に「岩のドーム」というモスクが鎮座している。ここからムハンマドが天に昇ったとされるため、イスラム教徒にとっても大聖地なのだ。しかし、神殿を建てるためには「岩のドーム」を撤去するしかない。日本人の感覚でいえば、在日米軍がブルドーザーで皇居や御所を更地にするようなものだろう。いや、イスラム教徒にしてみればそれ以上の暴挙に違いない。

 

 

 驚くべきことだが、イスラエル内には、本当にそんな恐るべき計画を立て、設計図まで完成させている政治集団がいる。これまでも旧市街では何度か衝突が起こっているが、仮に「岩のドーム」がブルドーザーで壊されたら"衝突"ではすまない。間違いなく、イスラム教徒は銃を取って立ち上がる。これは「ジハード」なのだ。周辺のイスラム国は次々と決起してイスラエルに宣戦布告するだろう。つまり、中東戦争の勃発である。

 

 ソロモン氏は「日本も巻き込まれる」と予言している。その理由は、私の推測だが、石油の安定供給に問題が生じるからではないだろうか。おそらく、湾岸諸国の油田・パイプライン・シーレーンの防衛において、西側兵士の死者が出る。当然、金だけ出して兵士は出さない日本に対して、西側国際社会の非難が巻き起こるだろう。大方、「日本が使う石油のために、アメリカの若者の命なら犠牲にしてもいいが、日本人の命は犠牲にできないというのか!」などという正論で畳み掛けられ、アメリカに脅され、煽られ、憲法がどうだろうが、超法規的措置として参戦を余儀なくされるに違いない。だが、「聖書の予言」が記すところによると、中東に参集した軍勢は、何らかの超兵器によって全滅する運命にあるのだ。

 

 ソロモン氏は世界大戦の勃発を予言した際、そんな日本の危機を"見た"のか、大事なアドバイスを残してくれた。彼は、戦後の日本が軍事力を使わずに政治と経済だけで大きなパワーになったことを称え、"Do not, do not destroy that example!!(この例を決して、決して壊してはならない!)と、強い調子で戒め、リーディングを終えたのだ。

 

■そのほかの予言――やがて救世主となる人物が日本の中で雌伏中?

 

 さて、実際のリーディングと前後するが、予言によると、こういった宗教が絡む殺し合いが起きる一方で、それを克服しようとする動きもまた活発化するらしい。

 

 実は、ポール・ソロモンとエドガー・ケイシーの大きな違いは、日本に対する視線にある。よく知られているように、ケイシーは「日本の大半が海没する」などと予言したが、ソロモン氏は『EXテレビ』とは別の機会で行ったリーディングでそれを否定している。そればかりか、この公開リーディングにおいて、なんと日本から世界的な指導者が現れて「愛の法則」と「すべてはひとつ」という教えを説き、宗教間の争い鎮めると予言したのだ。

 

 

 トランス状態の彼は、「日本から現れることになっている世界的リーダーとは誰か?」という質問に対して、次のように答えた。

 

 

"we have said that a light come from japan, and will help in the enlightenment of the world"

(私たちは日本から光が来ると言いました。そして、世界の啓蒙を助けるだろうと)

 

■日本の北部生まれ。1991年時点で若い。武術を習う人物が救世主?

 

 ソロモン氏は「ヒントだけならよい」として、その人物は、今(1991年)はまだ若い男性で、日本の北部におり、準備ができていない。彼には「青木先生」という武術を教える師がいる。その青木氏自身、武術だけでなく、ある種の哲学を説いている、という。

 

 果たして、この人物とは誰か。そして彼が説くという「愛の法」と「すべてがひとつ」という教えとは何か。私は期待して、彼の出現を待ちたいと思う(*注)。

 

 さて、あとは蛇足だ。ソロモン氏に対して、質問者サイドが"救世主候補"として、大川隆法や麻原彰晃の名を挙げているのは、当時の世相を考えるとやむをえない面もあろう。興味深いことに、ソロモン氏は「幸福の科学」についてだけは「将来確立される」と述べた。これが「的中」か、否か判断に迷うが、リーディングの時点ではまだ宗教法人として出発したばかりだったことは確かだ。また、ソ連の将来について尋ねられると、「現在はリフォーム中だが(※ソ連は91年12月に崩壊)、将来は重要なパワーを持つ国になる。それも軍事力ではなく、豊かな資源に基づいて」と述べた。これはほぼ的中と言ってよいのではないか。先の食糧危機の予言も、ロシアに関してはそう間違いではない。

 

 

 とりわけ、私が気になったのは、21世紀初頭のロス地震、2008年の関東大震災、2005~2010年の富士山爆発なども予言していることだ。むろん、すべて外れだ。しかし、「時期はズレても内容的にはかなり当たっている」というソロモン予言の傾向からすると、そう遠くない将来に実現しても不思議ではない。少なくとも、その可能性を考えて備蓄などの対策を強化しておいても、決して損ではないと思うのだ。

(文=山田高明) 

 

※注「日本が世界の救世主になる」「日本から救世主が現れる」などといった主張は、外国人が言う分には勝手だが、日本人が口にする場合は、よほどの確証がない限り、自重しなければならないと思う。また、外国人の言葉を紹介する場合でも、確かに本人がそう言ったという証拠が必要だ。間違っても捏造された"アインシュタインの予言"のごときを嬉々として持ち上げる真似はやめてほしい。こういうのは日本人の耳には心地よく響くため、いわば"屈しやすい願望"だ。だが、愛国心というより、ただの恥ずかしい精神的自慰行為である。しかも、ナショナリズムと結びつくと危険ですらある。個人的にはこの種の風潮が一部の超常現象界に散見されることに辟易している。そもそもソロモン氏の予言した日本人指導者が説く教えとは「愛の法則」と「すべてはひとつ」であって、およそナショナリズムとは正反対であることを銘記しておかなければならない。

 

以上、TOCANA より引用