アーツ & クラフツ
イリーコレクションのコンセプトは、練りきれた部分も、未完成のまま見切り発車した部分もありましたが、イリーカフェ社は90年から2年の歳月を費やしアイデアを纏め上げました。この年1992年に、このカップ(アルティ・エ・メスティエリ)を、リリースし、新たなスタートを切りました。
カップは発泡スチロール箱にビニールがラップしてあるだけの簡易な入れ物で、バーやレストランにイリーのコーヒーをサーブしてもらうように配られました。しかしながらオランダでは(え”-!また勝手にオランダはやっちょるのカ-!?)、雑誌”エレガンス”や倉庫会社の"デ・ビジェンコフ"で販売していました。
このアルティ・エ・メスティエリはエスプレッソのために芸術の創造性と小さな日常生活のアイテムとしての美しく良いものに対する工芸の情熱を融合した結晶といえるでしょう。
この第一作目のタイトルが表すように、工芸でありアートの範疇であろうとする姿勢は、そのまま生き続け、今日までに「モダンアートの宝石箱や-」 と云われるほどアーティストを連投し続けているのです。このイリーカフェ社に誰も躊躇なく拍手喝采を贈ることでしょう。
"digital coffee" Maurizio Cargnelli
"tunji" Paolo Cervi Kervischer
"vaganti su bianco" Cosimo Fusco
"ties, oh my ties!" Francesco Illy
"pianeta caffe" Luca Missoni
"mysterious coffee" Matteo Thun
カップには、マウリッゾ・カーネリ、パオロ・セルビ・ケルビシャー、コシモ・ファスコ、フランチェスコ・イリー、ルカ・ミッソーニ、マテオ・ テューンのデコレーションが施されました。彼らはグラフィックデザイナー、画家、彫刻家、写真家、スタイリスト、建築家と、モダンアートの世界でイニシア チブを取り、学術的な研究の方面でも評価の高い方々です。独特なデザインは「コーヒーを示唆する指紋」「裸の女性」「複雑な彫刻」「結束」「何かのサイ ン」「不思議な惑星」を表していました。コレクションの多様性とそれからの展望に期待せずには居られませんでした。
インスクリプションは"illy collection 1992"です。
サイン/ナンバーが入ると欧州文化が匂ってくるんですよね
さて、なぜイリーカフェ社がすごく偉いのかを、お話ししましょう。
どこの会社も、米国流にお金になると思えば大量生産で商売に乗せることが経営だ、と言い切ってしまう今の世の中で、(グローバルな展開をしているイリーをもってすれば、コレクションを商売のネタにすることは簡単なことなんですが)イリー社は大量生産至上主義のカップ工場ラインを使って、商売ベースにならない、限定少量のカップ生産を行っております。手間隙掛けて、カップ1,000客を限定で売ったとしてもどれだけの商売ですか?たかだか数百万円にしかなりませんよね(経費もかけてるのに)。イリー社にとって、これは商売では無いということなんです。アートを愛する社風が成せる技なんです。勝手ながら、いつまでもこの姿勢を貫いて頂きたいとつくづく思います。(ちなみに最近日本でイリーを展開している某社とはまったく関係ありませんので。そこは混同しないでね。(^∇^))
日本の裏千家のように奥が深いとは決して申しませんが、社のポリシーにはいつも関心しております。
A.製造年:1992
B.作 家: マウリッツオ・カーネリ
パオロ・セルビ・ケルビシャー
コシモ・ファスコ
フランチェスコ・イリー
ルカ・ミッソーニ
マテオ・テューン
C.種 類: コレクションカップ
D.客 数: 6客
E.内側の刻印: illy collection 1992
F.裏底のサイン/ナンバー: ナシ / ナシ
G.製造数: -
H.窯 元: Richard Ginori
I.用 途: エスプレッソ
J.サイズ:
カップ: 直径 62mm /高さ 50mm/ 重さ111g/ 容量 40ml
ソーサ:直径111mm/ 高さ 20mm/ 重さ149g
K.他のバージョン: -
L.小冊子: アリ
M. 箱 : アリ(スタイロフォンボックスのみ)
N.相 場: 104,400-118,000
O.イリーのコレクション公式リストに記載: アリ
P.レア度:★
2008年7月24日現在




















