■ムラサキベニシダ(紫紅羊歯) オシダ科オシダ属
Dryopteris labordei
(Christ) C.Chr. var. purpurascens (H.Itô) Seriz.
絶滅危惧ⅠA類(CR)・(環境省)
絶滅危惧ⅠA類(CR)・高知
本州(紀伊半島、広島県)、四国(愛媛、高知県)、
九州(含む屋久島)、沖縄(石垣島)。
山地のやや湿った林下に生える。葉柄と葉軸は紅紫色を
帯びる。葉柄基部鱗片は黒褐色~黒色。葉身は2回
羽状(うじょう)複葉~3回羽状深裂。三角状広卵形、
上部はやや急に狭くなって尖る。中軸や羽軸も紅紫色を
帯びる。新葉は紅紫色で、成葉は淡緑色。ヌカイタチシダモドキ
によく似ていて変種とされることもある。
草丈50~70cm。(ベニシダよりも葉が薄く、ツヤが少ない
気がします)
若いと包膜が白いのかな??
ムラサキベニシダその後 2020.04
ベニシダよりも紫っぽいかな?
見難いけれど赤紫色の若葉
曲がっているものも多くて。
■ベニシダ(紅羊歯) オシダ科オシダ属
Dryopteris erythrosora (D.C.Eaton) Kuntze
本州〜九州の森林や路傍などに普通に見られる。
葉柄が若い時は紅紫色。長さ20~30㎝、茶褐色~黒褐色の
鱗片がやや密につくが落ちやすい。葉身は2回羽状全裂~
3回羽状浅裂でやや光沢のある緑色、先端はしだいに狭まる。
若葉は紅色になることが多い。長さ40~60㎝、幅15~25㎝の
長楕円形~卵状長楕円形。最下羽片の下側第1小羽片は小さく
無柄で浅裂、小羽片は浅裂~鋸歯縁。ソーラスは小羽片の中間
~やや中肋寄りにつき、包膜は紅紫色を帯びる。
膜が白色のものはミドリシダ。草丈50~120cm。
(ムラサキベニシダよりも葉が厚く、ツヤがある気がします)
この写真の色は黄色が強いです。
ベニシダ? 2020.04
■マルバベニシダ(丸葉紅羊歯) オシダ科オシダ属
Dryopteris fuscipes C.Chr.
本州(新潟、福島県以南)~九州(種子島まで)
葉柄は長さ20~40 ㎝、上部はわら色で下部は暗褐色。
鱗片は赤褐色~褐色、密生するが少ないこともある。葉身は
2回羽状全裂~複生で暗緑色、若葉は赤色を帯び、
長さ30~40㎝、幅15~25㎝の卵状披針形~三角状卵形。
羽片は長さ10~15㎝、幅3~4㎝の披針形、中軸にやや傾いて
つき、最下の羽片は小さい。小羽片は基部が広く、円頭~
鈍頭、軸に傾いてつき、葉先に近い羽片の小羽片は浅裂。
最下羽片の下向き第1小羽片は2番目よりやや小さい。
ソーラスは大きく、中肋、羽軸寄りにつく。包膜は白色で
紅紫色を帯びない。草丈50~80cm。
(※葉に光沢あるように見えた?)
■オオベニシダ(大紅羊歯) オシダ科オシダ属
Dryopteris hondoensis Koidz.
関東地方以西〜九州の低山のやや乾いた林縁に生える。
葉柄はわら色で長さ25~35㎝、褐色〜暗褐色。鱗片は茶色~
茶褐色、羽軸や中軸の鱗片は少ない。葉身は2回羽状複葉~
(3回羽状深裂?)で先端はしだいに狭まる。
葉身は黄緑色を帯び、光沢が少ない。長さ40~50㎝、
幅20~30㎝の 三角状広卵形、最下羽片は長い柄があり、
基部の小羽片には短い柄があり、中裂〜深裂。
下向き小羽片は上向き小羽片より長く、下向き第1小羽片は隣
の小羽片より短い。ソーラスは小羽片の中肋寄りにつく。
包膜は灰白色で、薄紅色を帯びることがある
※(帯びないのとどちらが正しい?)。
草丈は50~90cm?(ベニシダよりやや小型?)
■オクマワラビ(雄熊蕨) オシダ科オシダ属
Dryopteris uniformis (Makino) Makino
北海道〜九州の低地から山地までの林縁に生える。
根茎は太く直立。葉柄はわら色、長さ15~24㎝、基部に光沢の
ある黒褐色〜褐色の鱗片が密生し、中軸では黒褐色で
狭披針形の鱗片がまばらにつく。
葉身は2回羽状深裂~複生で、長さ40~70㎝の長楕円形~
長楕円状披針形。下部の羽片は短くならない。小羽片は先端部
では中裂、基部では全裂。小羽片は長楕円形、円頭で細かい
鋸歯がある。ソーラスは葉身の上半部のみ3~6対。
小羽片の中肋と辺縁の中間につく。草丈50~80cm。
オクマワラビ? なかなかのフサフサっぷり。 2020.04
少し後
■ナガサキシダ(長崎羊歯) 別名オオミツデ
オシダ科オシダ属
Dryopteris sieboldii (Van Houtte ex Mett.) Kuntze
準絶滅危惧種・高知
本州(千葉県以西の太平洋側、石川県)、四国、九州に生息。
葉身は奇数羽状複葉、広卵形~円状卵形で、長さ30~70cm、
幅25~35cm。
全縁かやや波状縁または幅が広くて低い鋸歯があり、
質はやや厚い。裏面に毛のような細かい鱗片がまばらに
ある。下部の羽片には柄があるが、上部のものは無柄か中軸
に流れて翼となる。頂羽片はは側羽片と、形、大きさともほぼ
同じ。胞子嚢群は羽片のほぼ全面に散在し、包膜は円腎形。
草丈50~120cm。
参考にしたリンク
理科教材データベース 植物図鑑 シダ植物 ( 岐阜聖徳学園大学 教育学部)
シダ(歯朶・羊歯)植物は、維管束植物のうちの花を咲かせない
非種子植物のこと。コケと同じように胞子で増える。
栄養葉(裸葉)と胞子葉(実葉)と2種類の葉をつけるものがある。
小葉シダ類(ヒカゲノカズラ植物門)と大葉シダ類(シダ植物門)に
大きく二つに分けられる。
トクサ類はトクサ植物門(有節植物門)として従来独立門とされて
いたが、マツバラン類等と合わせ、シダ植物門内に含めるように
変わってきている。
世界で約1万2千種、日本で600種以上がある。