参考にしたリンク

特定外来生物等一覧(環境省)

侵入生物データベース(国立環境研究所)

日本固有種目録(国立科学博物館)

アレロパシーについて

フィトンチッドの様々な効果

他参照書籍 「すごすぎる雑草」

 

 

■外来種とは

生物がもともと生息していた場所から別の場所へ人によって持ち込まれたり、広がったりしたもののこと。(鑑賞や緑化のために意図的的に持ちこもれたもの、意図的ではないものがある。)

※植物が種を飛ばしたり、動物によって運ばれる種などは除く。

 

■外来種の影響(植物)

毒を持った外来種や、とげのある外来種によって直接的に害がある場合や、農作物への被害など。

元々あった固有種と競合する。外来種が固有種と交配することで「遺伝的攪乱(いでんてきかくらん)」を起こすこともある。(交配してできた種は雑種として、元の固有種では無くなってしまう。)など、生態系に大きな影響を及ぼす。


■侵略的な外来種

外来種の中でも、影響力の大きいもの。環境的に侵略してしまう状況になっているもの。日本のクズはアメリカでは侵略的外来種。

 

■国内由来外来種

海を越えて日本で繁殖する生物だけでなく、日本国内で移動する場合もある。日本は北海道から沖縄まで南北に長く、例えば北海道には生息していなかった植物が、九州などから持ち込まれて、そこで繁殖する場合は「国内由来外来種」と言われる。

高知では物部川より西部に自生するノジギクが、東部で自生するシオギクの自生地に意図的に植栽されて、雑種がみられるようになった。


■特定外来生物

明治以降に日本に入って生きている外来生物のうち、特定外来生物に指定された生物は、平成28年10月現在、全部で132種類。そのうち植物は16種類。特定外来生物に指定された生物は「輸入・飼育、栽培、運搬・野外に放つこと」が禁止とされている。

 

■特定外来生物(植物)のうち、高知で確認されている植物9種類

 

オオキンケイギク Coreopsis lanceolata L.

原産地 北アメリカ(ミシガン~フロリダ、ニューメキシコ)

キク科の多年草。開花期は5~7月頃。明治時代に観賞用として持ち込まれ、後に緑化用に導入されたところから急速に拡大し、河川や道路で野生化し群生している場合がある。一時期は花が終わったあとも汚くならないため、繁殖力を利用してグラウンドカバーとしてもてはやされたり、道路などを工事した後の法面緑化(のりめんりょっか)などに用いられたこともある。

 

ミズヒマワリ(ギムノコロニス)

Gymnocoronis spilanthoides (D.Don ex Hook. et Arn.) DC.

原産地 中央・南アメリカ

キク科の多年草。開花期は早いものだと6月頃~11月頃まで。水辺に生える。

戦後、熱帯魚の輸入とともに日本へ入ってきたと考えられ、1990年代に愛知県の河川にて野生化が確認された。繁殖力が大変強く、茎がちぎれてもそこから根を出してあっという間に大きな株になるため、ちぎれた茎の一部や種子が流水や土砂とともに移動にし、分布拡大する。

オーストラリアでも問題になっており、河川で在来の水草を駆逐し、酸素濃度を低下させ魚が住みにくくしてしまうことなども懸念され、対策の必要があるとされている。

 

オオハンゴウソウ(ルドベキア・ハナガサギク)

Rudbeckia laciniata L.

原産地 北アメリカ

キク科の多年草。開花期は7~10月頃。観賞用に明治時代に輸入され、野生化が確認されたのは1955年。寒冷に強く、湿地帯を好む。同じ環境で生息するモウセンゴケやツルコケモモなどの貴重な植物を駆逐してしまうことがある。園芸品種のハナガサギクはオオハンゴンソウの八重咲き種なので、同じく規制対象。

 

ナルトサワギク Senecio madagascariensis Poir.

原産地 マダガスカル

キク科の一~多年草。開花期は通年。1976年に徳島県鳴門市で確認された。繁殖力が強く、風媒花・虫媒花で一年中花を咲かせ種子を風散布で拡散させる。埋立地の緑化資材としてアメリカから輸入したシロツメクサやシナダレスズメガヤなどの種子に交じってナルトサワギクの種子が混入したと考えられる。在来種との競合の他、牧草へのアレロパシー作用、アルカロイド毒性による草食動物・家畜の中毒等の影響がある。海外ではオーストラリアの牧草地などへの侵入が問題になっている。

※シマカンギクに花が似ているが、ナルトサワギクは葉が細い。

 

オオカワヂシャ Veronica anagallis-aquatica L.
原産地 ヨーロッパ~アジア北部

オオバコ科の一年~多年草。開花期は4月~9月頃。地下茎で繁殖するほか、種は風や雨などで散布されます。近縁種のカワヂシャ(在来種・環境省で準絶滅危惧種Ⅱ類(NT))が、オオカワヂシャと交配してしまうことで、特に西日本では雑種のホナカワヂシャが繁殖し、遺伝的攪乱が起こっている。

 

アレチウリ Sicyos angulatus L.

原産地 北アメリカ

ウリ科の一年草。開花期は8月~10月頃。

アメリカやカナダからの輸入大豆に種子が混入し豆腐屋を中心に拡大したと考えられる。つる性植物の中でも非常に生長が早い。実には鋭い棘がある。種子は休眠性があり、土壌シードバンク(埋土種子集団)を形成する。

 

オオフサモ Myriophyllum aquaticum (Vell.) Veldc.

原産地 南アメリカ アマゾン川

アリノトウグサ科の多年生の抽水植物。繁殖期は5・6月

雌雄異株の植物で、観賞用にドイツより雌の株だけ輸入され、地下茎で栄養繁殖で増殖。日本には雌株しか存在しない。ヌマフサモ、スマフサモ、パロットフェザーなどの別名がある。
 

ボタンウキクサ Pistia stratiotes L.

原産地 アフリカ

サトイモ科の浮遊性の常緑多年草 
繁殖期は5~10月。かつて鑑賞用として輸入され、国内生産とも行われホームセンター等で大量に販売されていた。ホテイアオイのような浮草。形状からウォーターレタスとも呼ばれる。繁殖力が高く根茎により繁殖する。水面を埋め尽くしてしまうことで水中の環境が変化してしまうほか、固有植物を駆逐されてしまう。冬季の水温が15~20℃以上ないと衰弱して枯れることが多いとされるが、平均水温12℃程度なら生育を続け、子株の形成が可能との報告がある。 

 

アメリカオオアカウキクサ(アゾラ・クリスタータ)

Azolla cristata Kaulf.

原産地 南北アメリカ?

サンショウモ科の小型の浮遊植物。一~二年草。合ガモ農法に随伴して合ガモの餌飼料・マルチング用・緑肥用に1990年代から利用が広がった。水鳥の脚などに付着して分布拡大していると言われている。空気中の窒素を固定する藍藻(Anabaena azollae)と共生しているため、繁茂すると富栄養化を引き起こす可能性がある。水面を覆うことにより在来種との競合・水面下の水生生物への被陰の影響が懸念される。

 

 

他の7種類

 

ルドウィギア・グランディフロラ(オオバナミズキンバイ)

Ludwigia grandiflora (Michx.) Greuter et Burdet subsp. grandiflora

ナガエツルノゲイトウ Alternanthera philoxeroides (Mart.) Griseb.

ブラジルチドメグサ Hydrocotyle ranunculoides L.f.

ツルヒヨドリ Mikania micrantha Kunth

ナガエモウセンゴケ Drosera intermedia Hayne

スパルティナ属全種 Spartina spp.

ビーチグラス? Ammophila arenaria

(オオハマガヤ属全種? Ammophila spp.?)

 

 

■アレロパシー

植物が他の植物の生育を助けたり抑制したりする作用のある物質(アレロケミカル)を放出したり、動物や微生物を防いだり引き寄せたりする効果の総称。邦訳では「他感作用」という。帰化植物が勢力を拡大する要因の1つ。

結果としては自分の有害物質で自家中毒を起こして衰退することも多い。(群落が衰退して他の種類の植物の群落に変わる)

連作障害の原因の1つと考えられている。

セイタカアワダチソウ、クルミ、サクラ、マツ、ソバ、ヨモギ、ヒガンバナ、ホテイアオイ、アスパラガス、レモン、など

マリーゴールドから放出されるテルチオフェン?はセンチュウ防除に効果が高く、樹木が傷つくと放出されるフィトンチッドは微生物の活動を抑制(抗菌)する作用がある。

※一緒に植えると、病害虫を防いだり成長を促進したり、収穫量が増えたり、風味や芳香を良くしたり等、様々な良い効果を生み出すと言われる植物の組み合わせをコンパニオンプランツ(または共栄作物、共存作物)と呼ぶ。