ワインを運んで来たボーイに対し、ヒズリ大佐が吐いた言葉には、モガミ中尉も一応は同感だった。
「まさかと思うが、そんな古典的な方法でこの部屋に入れると思ってるんじゃないだろうな?」
今時ガキでも引っかからないだろう?と鼻で嘲笑う大佐。
ボーイの顔が徐々に引き攣っていくが、大佐は気にせず追い打ちをかける。
「…っと、ザザではまだ主流な侵入方法だったか?それは悪かった」
まったく悪いとも思っていない態度と口調でボーイ…もとい侵入者を逆撫でする。
それはわざと挑発しているだろうと判ったが、キョーコとしてはつい先ほどまで大佐に遊ばれていた自分を思い出し、侵入者に少し同情した。
(わかるわ…貴方の気持ち…)
生きる美術品のような美貌を持つ男に鼻の先でせせら笑われ小馬鹿にされることが、いかに敗北感と屈辱感を味わうか。
やすやすと正体を看破された侵入者から一気に殺気が表立つ。
これ以上隠すことは無駄と判断し、邪魔者の排除へと切り替えたようだ。
反射的に中尉は臨戦の構えをとる。
が、大佐はまだ床に座ったまま動かない。
それどころか片膝に頬杖をつきながら更なる挑発をかけた。
「面倒だから潜んでる奴もまとめてかかって来い」
いかに間抜けな登場でも、腕には自信があるのだろう?
と、シニカルに嗤う大佐。
「…っ!調子に乗りやがって…!」
侵入者は片腕を上げ何か合図をした。
すぐさま前から背後からと黒づくめの男達が姿を現す。
侵入者は全部で6人、完全に囲まれた。
「6人…こんなもんか」
大佐は少しも動じることなく、ようやく腰を上げる。
中尉は大佐と背合わせにつけると、わざと大きな溜息を零してみせた。
「大佐。隣にいる部下の戦闘能力も考慮いただけますか」
つまり勝手に敵を煽るなよ、と言いたい。
体格上キョーコは肉弾戦があまり得意ではないのだ。
しかし大佐は部下の抗議を鼻先で一蹴した。
「ふん、6人くらい俺だけで問題ない。とりあえず躱すことに専念しろ。それくらいは出来るだろう?」
「ええ!素早さには自信がありますので!」
絶対に足手まといにはなるものかと意気込む。
でないと後でどんなイヤミを言われるか。
「たかが6人、間違っても捕まるなよ」
「承知してます!」
中尉はナイフを片手に構える。
大佐は指をポキリと鳴らした後、全員を一瞥しながらクイと指を曲げた。
「さぁ、全力で来い」
モガミ中尉が敵の攻撃を躱したのはたった一度だけだった。
躱せなかったわけじゃない。
躱す相手がいなくなったからだ。
「う、そ…」
戦闘開始から3分も経ったか怪しい。
大佐は、侵入者6人のうち5人は急所を突いた一撃で昏倒させ、残る1人はわざと急所を外しつつも戦闘不能状態にさせた。
それも素手で、だ。
(向こうも精鋭…だったはずよね…?)
反則まがいの強さに唖然とする中尉の方を、息一つ乱していない大佐が振り向いた。
「突っ立ってないでさっさと錠をかけろ」
大佐はリーダーと思しき男の手足に錠をかけ床に転がした。
慌てて中尉も昏倒している5人に手錠をかけ、それぞれの錠と錠を繋いでいく。
リーダー格の男は、大佐に足で踏みつけられてもなお威勢良く睨みつけてきた。
「くそ…っ!何でこんな柔そうなヤツに…」
「よく言われる。人を見た目で判断して後悔するのも古典的だな」
ここで大佐は外していたフロックコートのフロントボタンを留め始めた。
それにつれ身頃の陰に隠れていた勲章達が露わになる。
中でも一際大きな勲章を見つけた男は、驚愕に眼を見開いた。
「そ、それは…!まさかお前…っ」
大佐はニヤリと笑うと、男には答えず通信機を口許に寄せた。
「——ヒズリだ。鼠を捕らえたので誰か取りに来い。今後も警備は怠るなよ。以上」
男にはそれで十分だった。
男の知る情報でヒズリという名の軍人は1人しかいない。
だが詳細な情報はザザも掴んではいなかった。
知っていたのは、階級は大佐であること。
そして、
警戒度S——接触は回避せよ。
—————
世間はもう春なのに私の心は暗黒吹雪で視界不良って感じですね…(遠い目)
3月4月はイカンのです…一年で最も精神が病む…。(´д`lll)
3月は病みすぎて本誌ですら「ふーん」で流してしまう蓮キョスキーにはあるまじきことをしてしまいましたし…。
いやでもコミックスの総扉には滾って思わずルーペで拡大して凝視しましたが←
なにあのいかがわしい視線!←←
「まさかと思うが、そんな古典的な方法でこの部屋に入れると思ってるんじゃないだろうな?」
今時ガキでも引っかからないだろう?と鼻で嘲笑う大佐。
ボーイの顔が徐々に引き攣っていくが、大佐は気にせず追い打ちをかける。
「…っと、ザザではまだ主流な侵入方法だったか?それは悪かった」
まったく悪いとも思っていない態度と口調でボーイ…もとい侵入者を逆撫でする。
それはわざと挑発しているだろうと判ったが、キョーコとしてはつい先ほどまで大佐に遊ばれていた自分を思い出し、侵入者に少し同情した。
(わかるわ…貴方の気持ち…)
生きる美術品のような美貌を持つ男に鼻の先でせせら笑われ小馬鹿にされることが、いかに敗北感と屈辱感を味わうか。
やすやすと正体を看破された侵入者から一気に殺気が表立つ。
これ以上隠すことは無駄と判断し、邪魔者の排除へと切り替えたようだ。
反射的に中尉は臨戦の構えをとる。
が、大佐はまだ床に座ったまま動かない。
それどころか片膝に頬杖をつきながら更なる挑発をかけた。
「面倒だから潜んでる奴もまとめてかかって来い」
いかに間抜けな登場でも、腕には自信があるのだろう?
と、シニカルに嗤う大佐。
「…っ!調子に乗りやがって…!」
侵入者は片腕を上げ何か合図をした。
すぐさま前から背後からと黒づくめの男達が姿を現す。
侵入者は全部で6人、完全に囲まれた。
「6人…こんなもんか」
大佐は少しも動じることなく、ようやく腰を上げる。
中尉は大佐と背合わせにつけると、わざと大きな溜息を零してみせた。
「大佐。隣にいる部下の戦闘能力も考慮いただけますか」
つまり勝手に敵を煽るなよ、と言いたい。
体格上キョーコは肉弾戦があまり得意ではないのだ。
しかし大佐は部下の抗議を鼻先で一蹴した。
「ふん、6人くらい俺だけで問題ない。とりあえず躱すことに専念しろ。それくらいは出来るだろう?」
「ええ!素早さには自信がありますので!」
絶対に足手まといにはなるものかと意気込む。
でないと後でどんなイヤミを言われるか。
「たかが6人、間違っても捕まるなよ」
「承知してます!」
中尉はナイフを片手に構える。
大佐は指をポキリと鳴らした後、全員を一瞥しながらクイと指を曲げた。
「さぁ、全力で来い」
モガミ中尉が敵の攻撃を躱したのはたった一度だけだった。
躱せなかったわけじゃない。
躱す相手がいなくなったからだ。
「う、そ…」
戦闘開始から3分も経ったか怪しい。
大佐は、侵入者6人のうち5人は急所を突いた一撃で昏倒させ、残る1人はわざと急所を外しつつも戦闘不能状態にさせた。
それも素手で、だ。
(向こうも精鋭…だったはずよね…?)
反則まがいの強さに唖然とする中尉の方を、息一つ乱していない大佐が振り向いた。
「突っ立ってないでさっさと錠をかけろ」
大佐はリーダーと思しき男の手足に錠をかけ床に転がした。
慌てて中尉も昏倒している5人に手錠をかけ、それぞれの錠と錠を繋いでいく。
リーダー格の男は、大佐に足で踏みつけられてもなお威勢良く睨みつけてきた。
「くそ…っ!何でこんな柔そうなヤツに…」
「よく言われる。人を見た目で判断して後悔するのも古典的だな」
ここで大佐は外していたフロックコートのフロントボタンを留め始めた。
それにつれ身頃の陰に隠れていた勲章達が露わになる。
中でも一際大きな勲章を見つけた男は、驚愕に眼を見開いた。
「そ、それは…!まさかお前…っ」
大佐はニヤリと笑うと、男には答えず通信機を口許に寄せた。
「——ヒズリだ。鼠を捕らえたので誰か取りに来い。今後も警備は怠るなよ。以上」
男にはそれで十分だった。
男の知る情報でヒズリという名の軍人は1人しかいない。
だが詳細な情報はザザも掴んではいなかった。
知っていたのは、階級は大佐であること。
そして、
警戒度S——接触は回避せよ。
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世間はもう春なのに私の心は暗黒吹雪で視界不良って感じですね…(遠い目)
3月4月はイカンのです…一年で最も精神が病む…。(´д`lll)
3月は病みすぎて本誌ですら「ふーん」で流してしまう蓮キョスキーにはあるまじきことをしてしまいましたし…。
いやでもコミックスの総扉には滾って思わずルーペで拡大して凝視しましたが←
なにあのいかがわしい視線!←←