思いもよらよらない
“パリの空の下”
での出来事で
僕の考え方は変わった。

とにかく続けよう
クビと告げられるまでは。


したいことが出来なくて
くすぶっていると思っていたけど
そもそもその手前
精神論が間違いだった。

技術の前に覚悟。
フルスイングするカクゴ。

闇雲でもなんでもいい
その球打つの!?てびっくりされてもいい

とにかくVISAが許される残り約10ヵ月
「KY」って言われてもいいから
フルスイング




そしてロンドンに帰ってきて
時期的にもヘアースタイリストの仕事が落ち着いて空き時間が増えていた。

空いている時間がある時は
前に紹介してもらっていた
サロンSに通っていた。


そこのオーナーのSさんもまたもや神懸かり的優しさで何の経験のない僕の事を理解してくれ、シャンプーマンとしてヘルプする変わりにヘアーカットを教えてくれていた。



日本ではおそらく出来ない事だ。



パリに行く前までは週一回ある練習会の為のモデルハントも見つけられなければ仕方がないと連れて行かない日もあった。



ただパリでの出来事で僕の気持ちも





「見つけるまで帰れまテン」 





すたiLLになっていた。



ただ“モデルハント”もいざロンドンでするとなるとなかなか大変だ。そもそもモデルハントをしたことがない上に言葉の壁が半端ない。


片言の英語で話しかけてもオチは決まって怪しまれる。聞いてもくれない。


確かにそうだ、どこの誰かもわからない人に
街で声をかけられて心よく承諾してくれるわけがない。



信用がない。


作戦変更。



最初は街で声をかけていたけどオチに気づいてからはサロンの前で声をかける事にしてみた。



すると

意外や意外


前よりモデルになってくれる人が増えた。
話を聞いてくれる人も増えた。




信用が増した。





モデルハント=信用

またどうでもいい公式を思いつく。






「ささやかだけれど、役に立つ事」






やること山積みな僕にとって
動かざること山の如しな僕にとって
“モデルハント”とは大切な事を
気付かせてくれた。





何てね。










オナラで月まで行けたらいいな。

何てね。