前回は、車を速く走らせるとき、3つの要素が重要だと書きましたね。
エンジンパワーと、路面との摩擦と、車にぶつかる空気の抵抗。
で、前の二つは、現状、色々な意味で、ほぼ完成に近づいているというか、車のコンセプトを決めた時点で、ほぼ同時に決まると考えてよいかと思います。
スーパーカーではあっても、市販車としての運用を考えた場合の色々な制約などが大きな要因ですが、そういうところから決まってきます。
まずパワー。
つまり、エンジンですね。最近はモーターもありますが、とりあえず。
基本的に、パワーを上げれば、重量が重くなり、燃費が下がります。
とにかく直線を馬鹿みたいに速く走ることを考えたとしても、重量が重いと加速が鈍くなりますから、最高速度に達するまでに時間がかかる。
そして、燃費が悪いとその前にガス欠で車が止まるという間抜けなことになるわけです。
まあ、極端に言えば。
なので、車体の重量とガソリンの燃焼効率からおのずと適当なパワーのエンジンが決まります。市販して、一般道もある程度走ることを考えたら燃費というのは、なおさら重要なファクターです。
そして、エンジンって言うのは、車の部品の中でかなりのお金がかかっている部分ですので、車を普通に売るということを考えた場合、金額的な制約がかかってきて、やっぱり、それなりのところで決まってしまうわけです。
さらに言えば、最低でも数万キロは走ってくれないと困りますので、F1みたいに2000キロくらいでエンジンが一台ぶっ壊れてもOKみたいな耐久性では困るわけです。
これらのことを総合すると、際限無くパワーが出て、レアメタルをふんだんに使い、軽量化のためにペラペラの材料でエンジンを作るというのは無理なんですね。
だから、有名どころで言えば、ヴェイロンのW16、1000psくらいのパワーの出るエンジンが、まあまともな市販車としては限界という感じです。
ヴェイロンがまともか?という議論はとりあえず、無しですよ。まずは、イメージとして。
で、次に、摩擦。
これも、ある程度決まりなんですよね。
というのは、道路が決まってるから。
レースみたいに、特殊な舗装道路だけを走るなら別なんですが、一般道路の摩擦は決まってる(というか、道路によって、また天候などによってもまちまちです)し、
もちろんサーキットのように滑らかじゃなくて、たまに穴があったり、溝があったり。段差があったりするから、そういうのもある程度は、ちゃんと超えられたり、ショックを吸収したりしないといけない。
いくら速くても、乗り心地最悪の車は市販できないわけですよ。
それにやっぱりここでもタイヤには耐久性が必要で、F1みたいに100キロくらい走ったら、みんなで寄ってたかって取り替えちゃえ、ってわけには行かないのですよ。
それなりの強度が必要なわけ。
そういう理由から、F1のタイヤみたいに、熱を加えると糊のような表面になって、むちゃくちゃな接地能力を発揮する、溝のないタイヤなんて使ってられないんですね。
市販車には、どんな路面でも、どんな速度のときでも、どんな天候でも、それなりに走れて止まれて曲がれるタイヤとサスペンション、足回り、駆動系が必要なわけです。
また、車の重量を重くすれば摩擦力が大きくなるので、それでも良いんですが、上でも書いたように重量が重いと燃費が悪くなったり、運動性能が落ちたりという弊害があるので、それもやりすぎるわけには行かない。
だから、今のところ、一般的な道路での摩擦を確保する方法というのは、ある程度決まっていて、それもどこの車もそれなりなところまで来ているわけですね。
それを打ち破るメカニカルな方法も一応ありますけどね。
例えば、6輪車にするとか。
タイヤの幅を思いっきり広くするとか。
F1の技術で、トラクションコントロールとか、アクティブサスペンションとか、色々ありましたがああいうのとかね。
これは、一部、搭載している市販車もあるみたいですので、摩擦面では多少の性能アップがあるのでしょうけれども、
やっぱり、市販化を考えている車に搭載する上で、劇的に摩擦力を変化させるのはなかなか難しいところなわけです。
ということで、空気以外の話をしたところで、今回はおしまい。
なんかすいません。
でも、車を早く走らせるには何が必要なのか?というのを、わかっていてもらった方が、空気の話がどのくらい重要なのか?ということも判断していただけるとおもいますので、少し詳しく書いてみました。
それに、あまり一気に話をしてもわけがわからなくなってしまいますからね。
小分けにして、次回に続きますが、次回は、やっと空気の話が本格的に出てきます。