翌日・・・横浜の赤レンガ倉庫で・・・。
休暇で・・・中島敦、泉鏡花がそこら辺をブラついてた。
そして、偶然谷崎潤一郎とバッタリ出会い、そしてそこでルーシーとも鉢合わせ、そこへ偶然立原道造と銀も偶然出くわした。
でも・・・特に何かするわけでもなくただ居合わせただけである。
金もそんな無いメンツなので遊ぶにしても限られてる。
敦「でも、立原さんと銀さんなら僕らよりかは・・・。」
立原「んな訳ねーだろ、俺たち下っ端の給料なんざたかが知れてるさ、お前らと大差無ぇーよ。」
ルーシー「どこもそこまで余裕があるわけじゃ無いって訳ね。」
谷崎「僕らの立場じゃそんなもんだよ・・・・・。」
立原「あー面白くねー!・・・・・・・ん?そうだ!」
偶然、駐車場の車が目に入った。
立原「おい、一丁やってみるか?周りには今誰もいねーしよ。」
敦「え?・・・まさか・・・。」
立原「ちょっくら俺の異能で・・・。」
「ダメですよ!?」
「!?」
「いくらポートマフィアでも車上荒らしなんか柄じゃないでしょ?そんな事したら中也さんに殴られますよ?と言うか・・・やったら何処からともなく異能特務課か猟犬がすっ飛んで来て現行犯逮捕なんてオチになっちゃいますよ?」
立原「誰だ!?」
「でしょ?皆さん。」
声の主は・・・。
敦「あ!中島君!」
中島「どうです?久々に顔を合わせたんだし近くで飯でも。」
ルーシー「珍しいわね、一体どういう風の吹き回し?」
中島「良い儲け話があるんです!成功すれば7億!」
「!?」
谷崎「7億!?」
中島「皆さんは仕事上、裏社会の人間でもあるんですよね?ルーシーさんは元ですけど・・・だったら聞いた事はあると思います、伊佐坂先生が経営している裏カジノに・・・・・饕沼と言う異名のパチンコ台・・・! 人喰いモンスターがあることを・・・!」
「・・・・・・・・。」
中島「どうやらご存知の様ですね・・・そいつを攻略・・・出す算段がついたんだ!」
「!!?」
立原「出す!?あの千倍台をか!!?」
中島「はい!」
敦「無理だよそれは!あの台は異能や魔法も通じない様に施されているんだ!立原さんの異能力{真冬のかたみ}を使っても無効化されるからどう足掻いてもあの台は攻略出来ないよ!」
中島「大丈夫!出来ます!・・・異能を使わずとも・・・僕と皆さんで力を合わせれば・・・!!!」
「・・・・・・・・・。」
ざわ・・・。
銀「それは・・・・・・絵空事です・・・例え出来たとしても・・・・・・。」
中島「気が引けるなんて皆さんらしくないですよ?それに困ってるんでしょ?お金に・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
立原「たくー・・・・・分ーったよ!話だけでも聞いてやる!」
中島「よっしゃー!!!!!」
そして、一同はファミレスへ。
敦「言っておくけど、甘くないよこの勝負は!机上の理論通りで事が運ぶとは限らないよ?」
鏡花「そう、不測の事態は常に起こりうる。 1つ何かが嚙み合わなかったらそれで破綻・・・そこでお終い・・・・・GAME OVER・・・それに計画が軟弱。」
立原「まぁでも、贔屓目に見てその計画が具現化・・・成功する確率は半分ってとこだろうな。」
中島「半分・・・50%ってとこですか?」
立原「そんなとこだな。」
中島「・・・クク・・・・・上等!」
「?」
中島「5割?充分ですよ!どうせ何もしなけりゃジリ貧で地下に逆戻り!今この状況を考えたら・・・・・5割で7億!!!運命を託すに充分な確率・・・・・宝話!!!それは立原さん達も同じでしょ!?」
「・・・・・・・・・。」
ルーシー「・・・・・・・全く・・・本当にガキよね・・・で?いくら必要なの?」
立原「ここまで聞いて協力しないわけにもいかねーしな。」
敦「それに、中島君だけじゃ不安だし・・・。」
谷崎「今、特に事件が起きてないし協力するよ。」
鏡花「暇だし協力するわ。」
銀「同じ。」
中島の表情が晴れやかに!
中島「さすが!!!やっぱ探偵社とポートマフィアと元ギルド!いざとなれば頼れる若手異能力者!!!」
銀「あ、私は異能使えませんよ?刃物を使用した接近戦術が主です。」
中島「え!?そうなんですか!?」
敦「銀さん、動きがほぼくノ一顔負けの運動神経があるから・・・。」
立原「こいつは普段は大人しいけど、いざとなったら暗殺者の顔になるからな、雑魚なら秒で始末出来るぜ。」
中島「うわぁ・・・・・さすが芥川さの妹さん・・・・・。」
立原「んで?その計画に必要な金の高は?」
中島「それなんですが・・・昨日ざっとした計算だけど、当日のパチンコが5000万・・・それとこの勝負前の工作費として即金で今500万・・・!プラス人!こういう裏事に躊躇無く手を染めてくれる人!これを数人!この金と人を・・・皆さんに用意して
もらいたい!でも・・・今回太宰さん達や芥川さん達には内緒にしてください、さすがにこれ以上迷惑は・・・後、フランシスさんにも・・・・・。」
敦「分かってるよ、但し・・・・三羽カラスだ!」
中島「3羽カラス?」
敦「そう、朝・・・カラスがカァーっと鳴けば借りた金に1割の金利が付く借金をカラス金って言うんだけど・・・・・今回はそれが三羽で、1日3割・・・!」
中島「・・・・・・・。」
敦「借りた時から24時間以内に返せば3割増しで済むけど・・・1分でも過ぎればその3割増しした金に再び金利が乗って更に3割増し!福利で増えていく借金だ。」
鏡花「そして今回の場合は・・・当日の勝負金5000万は、単純に3割増しで6500だけど・・・・・あなたが即金で借りたいと言っていた500は福利で増える。」
ルーシー「と言うかその前に、工作費そのものは500でもこっちが人手を用意するなら・・・その人件費及び人材調達の手間賃としてもう500必要になってくるわ・・・! つまり・・・・・アンタが今日あたし達から借りる金は1000!この1000万に金利が付いていく。」
谷崎「そして、君の指定した勝負日、6日後まで1000万が三話ガラス・・・1日3割の福利で増えていくとなると・・・。」
電卓で計算・・・そして。
谷崎「こうなるよ。」
しめて・・・4826万8090!!!!!!!!
中島「え!?」
立原「端数はまけてやってもいいぜ。」
中島「おいおいおい!!!!!!!ポートファイナンスは商売がヒドすぎるでしょ!?」
立原「あほ!これは俺たちだけでやる!ボス達にはもちろん秘密だ!」
敦「それに・・・これはまだ良心的だよ?それにお金はそれぞれの会社から極秘で抜き取ってくるから・・・・・もし失敗して大損したらクビは免れないどころか・・・・・僕たち一緒に破滅!一緒に仲良く首を括るか地下で強制労働になるかもしれないし・・・・・・・・。」
銀「一か八かの貸付です、1日3割ぐらいは当然かと思います。」
立原「寧ろ逆だ!なんて甘い金融会社かと反省したいくらいだ、感謝される事はあっても文句を言われる筋合いは無いぜ!」
中島「わ・・・分かりました!分かりましたから・・・!」
中島、コーヒーを一杯飲んで少し落ち着く・・・。
中島「ふー・・・って事は、つまり当日500が6500になり、工作費の1000が約4800になるから・・・敦さん達から6000借りて・・・約1億1300万にして返せばいいって事ですね?」
敦「そう。」
中島「はー・・・でもそれなら何とかなりそう・・・・・。」
立原「プラス!」
中島「え?」
立原「出玉を折半!」
中島「はぁ!?」
立原「7億からある出玉を・・・折半だ!俺たちとお前で!」
中島「!!!!?」
中島「何ぃ!!!!!??」
ルーシー「当然でしょ!?これはれっきとした共犯者になるのよ!!!さっきの貸し付け・・・金利云々の話はあくまでポートファイナンスとしての請求よ。」
立原「共犯者としての取り分は入ってないぜ!成功報酬はまた別問題だ。」
中島「ちょ!ちょっと待って!って事は3億5000に1億1300・・・4億6300をあなた達が持っていくって言うの!?7億の出玉の4億6300万!ほぼ2/3じゃあねぇか!!!!!!!」
敦「仕方ないよ・・・公平に分配するとそうなるから、後は僕たちがそれぞれ分けるから・・・。」
中島「ふ・・・!!!」
「ふざけたらダメだ!!!!!!!」
「!?」
後ろの席を振り返ると・・・・・そこにカツオの姿が!!!
カツオ「ダメだ!!!ふざけたらダメだ!!!ダメダメダメダメダメダメダメ!!!!!!!!!!!」
立原「・・・・あ!?」
カツオ「強欲だよそれは!!!!!あまりにも強欲!!!」
敦「カツオ君!?」
ルーシー「あんた!いつの間に!?」
中島「落ち着け磯野!とりあえず座れ!」
カツオ「ふざけたらダメだって!!!!!!!」
立原「・・・・・・相も変わらず頭の悪い猿みたいな面してんなぁお前。」
カツオ「何だとー!!?」
中島「だから落ち着けって磯野!僕だってこの儲け分配に納得した訳じゃない!話はこれから!最初から喧嘩腰になってどうすんだよ!?仲間だろ!僕たちは!」
「!?」
谷崎「え?・・・もう仲間扱い?」
中島「そう!饕沼攻略!その厚い壁は・・・僕たち8人で突破するしかない!僕!磯野!敦さん!立原さん!谷崎さん!ルーシーさん、鏡花さん!銀さん!このメンバーで饕沼攻略だ!!!!!」
ルーシー「え?・・・マジ?」
中島「マジっす!」
立原「ぬ~・・・・・・。」
そして・・・一同はポートファイナンスへ!
そして事務所に・・・。
立原「儲けが減るのはしょうがねーか。」
中島「めちゃくちゃ儲けてるんだからちょっとくらいいいじゃん!言っておくけど僕は退かない!公平平等って事ならこれが1番のはずだ!・・・・・一目瞭然!僕達小学生にだって分かる公平性だ!」
立原「・・・・・・・ちっ!分かったよ!」
そう言うと、棚から借用書を取り出す中島に渡した。
立原「サインだ、即金の500万三羽ガラスの借用書だ!」
中島「って事は!?」
立原「今ので手を打ってやるよ。」
中島「よっしゃ!」
立原「ボス達には言うなよ?」
中島「もちろん!」
カツオ「よっしゃよっしゃ!それならまずまずだ!な!?中島!」
結局!中島・カツオ・立原達、この3組の成功報酬は均等に純利益の三等分と言う話で決着がついた!
純利益三等分・・・つまり、仮に出玉が7億1300万あったとしても中島がこの{饕沼}を攻略するのに使った金・・・・・それは実際の経費に止まらず立原達に支払わなければならない金利分!これら一切合切を加え1億1300万かかったなら、その分を出玉の7億1300万から引き、残った6億を2億ずつ均等に分けようという取り決めである・・・まあ、実際にはぴったり2億というわけにはいかず、当然だがいくらかの端数は出るだろうが・・・。
カツオ「・・・・・どうした中島?まだ何か不満でもあるのか?計画を練った中島も同等はやっぱ納得がいかない感じか?」
中島「いや、そうじゃない。 それは良いんだよ、でも・・・この紙切れ、借用書・・・油断ならないんだ!」
立原「は!?」
中島「特に、金利だけはよくよく確認しておかないと・・・。」
立原「バカかテメーは!?こんな状況で嵌めるバカがいるかよ!
敦「そうだよ、そんな露見したら戦う前に仲間割れになるよ!」
銀「後それと・・・・・。」
すると銀は・・・もう一方の棚から木製のケースを持ってきた。
その中には・・・たくさんのな行の三文判がびっしり!!!!!!!!
中島、カツオ「!!?」
中島「凄い数だ・・・・・。」
銀「これはまだ一部です、1つの行でもかなりの数があります。」
谷崎「はんこ屋顔負けだね・・・。」
銀「これです、中島君の氏名が入った三文判です・・・サインが終わったら判はそれでお願いします。」
カツオ「しっかし凄いなぁ!しかもほんの一部なんて・・・。」
立原「安いもんだよ、この程度の支度で滞りなく契約を済ませる事が出来れば・・・! ちょっと手間取って5分か10分で気が変われたら堪ったもんじゃねぇからな。」
カツオ「なるほど!」
中島『用意周到と言うか悪徳と言うか・・・まぁ裏の顔がマフィアだしな・・・でも極悪組織って訳じゃなさそうだし結構義理高い人たちで話せば分かる感じだしそれに・・・本当に悪人だったら僕みたいな底辺の人間に力を貸すわけない・・・!ポートマフィアには仁義があるのは間違いない!』
中島「出来ました。」
立原「よし!これでOKだ。」
中島「お金は?」
立原「現金なら500万はあるな。今はキャッシュレスの時代だから現金を使う人が少なくなってきてるからなぁ。」
立原「とりあえず500万だ。」
中島「よっしゃ!」
中島「それでは、手配を頼みます!立原さん達に本格的に動いてもらうのはもう少し後って事になるけど準備にはかかってほしいので・・・。」
立原「OK!今からでも動き出せるぜ!」
敦「賽は投げられたって事だね。」
ルーシー「後はもう・・・やるだけね。」
立原「とりあえず当日の軍資金5000万の工面だな・・・(スマフォを手にし)ちょっと話してくるぜ。」
そう言うと、立原達は事務所を後にした。
中島「・・・・・・やるぜ…!もう・・・やるしかない!今夜決行だ!!!!!!!立原さん達本番はもう少し先だけど・・・僕達は今夜動く!!!」
カツオ「あぁ・・・分かってる!分かってるさ!!男!磯野カツオ!一世一代の大暴れを!!!!!!!!」
そして夜・・・カツオは虚無僧姿で向かっていた。その姿に振り替える人が続出!
カツオ『やるんだ!勝つんだ!開く!まずは僕がその道を!』
そして到着。
中島も少し遅れて到着した。
中島『頼むぜ磯野!ここでコケたら後がない!ここは肝心だ!失敗は決して許されない!』
そして、カジノのインターホンを鳴らした。
一瞬怪しまれたが袈裟を取って正体を明かしたら何とか入れた。
スタッフリーダー「あのぉ・・・何故に虚無僧姿で?」
カツオ「勝つ為だ!今宵最後の勝負!邪念を封じ・・・明鏡止水!精進潔斎!天佑神助!寵愛一身!これこそ勝利への道!」
「???」
カツオ「仏の御加護!海の御加護!神仏の念波!我が身の降臨す・・・!僕は勝つ!」
そして金を渡す・・・。
スタッフリーダー「(サブローに電話)店長どうします?またあの猿坊主ですよ、性懲りもなく・・・。」
その様子を、サブは監視カメラの映像で見ていた。
サブ「フフ・・・まぁいいじゃないか、やらせてあげようよ。 去る者は追わず来る者は拒まずだよ。」
サブ「多分、残った金の持って行き場が無いんだろう・・・・・・・・・!全部吐き出せば納まりが付かないってやつだよ・・・・・・・哀れなギャンブルジャンキーだよ、まだ子供なのに・・・・・・・まぁいいや受け入れてやろうよ。」
スタッフリーダー「はぁ・・・・・分かりました。」
そして身体チェックや磁気チェックも済み、パッキーを手にいよいよ!
カツオ「(ミニ仏像(黄金色)を取り出し)むむむ・・・・・・・・むむ・・・・・・ありがとうございますそう!仰ってくださいますか・・・・・・・よし!!!!!!!やってやるぞ!!!!!!!」
「おいおい、マジかよ・・・・・?」
「この間、あれだけ大敗したのに・・・何考えてるのかしら?」
「狂ったか?自暴自棄?・・・・・・。」
「それとも・・・・・・・あるのか?何か策が?」
一方・・・中島も動き出した。
カツオ「うおおおおおおおお!!!!!!!」
始まった!
カツオ「かあ!!!!!かあ!!!!!!はあ!!!!!!!だあ!!!!!!!!ぬあーーーーーーー!!!!!!!!!!」
その様子を、サブローも監視カメラで見ていたが・・・・・何か違和感を感じた。
サブ「おかしい・・・どう見てもこれは、演技だ。」
スタッフリーダー「演技?」
サブ「本気で打ってない・・・勝つ気0だ・・・!」
スタッフリーダー「は?」
サブ「虚仮だ!一体何を考えてるんだ!?」
そして、2人も饕沼の元へ。
スタッフリーダー「一体どうしたんですか?店長?」
サブ「いや、ちょっと確かめたくてさ・・・カメラ越しではなく直接カツオ君の気と熱を・・・。」
カツオ「くっ・・・・・・・・ぬっ・・・・・・・!!!!!!!」
サブ『おかしい・・・・・この違和感は何だ?勝ちへの執念と気迫が全く伝わってこない・・・。』
サブ「熱意と気迫が感じられない・・・そう思わないか?」
スタッフリーダー「う~ん・・・・・・そう言えば勝負前に明鏡止水とか迷いは無いとかさんざ言ってましたが・・・・・。」
サブ「・・・・・・。」
サブ『さすがにそれは無い!彼らは死ぬまで亡者!』
違和感!漠然とした不安感!この時サブローは感じていた!客観的に見れば心配する事態ではないが・・・・・。
そして7分後・・・・・。
カツオ「・・・・・。」
チーン・・・。
終了!打ち尽くす!全て!
サブ『ふー・・・今度ばかりは訳が分からなかったなぁ・・・ただ負けるために打ってたとしか思えないし、あれで燃えてたのか?』
その時!
ガシャーン!!!!!!!!!!
「!?」
カツオ「インチキインチキ!!!!!!!この台はイカサマ!遠隔だー!!!!!!!!」
何と!カツオは持っているミニ仏像で饕沼を破壊し始めた!
サブ「な!?」
スタッフ「このガキ!!!」
カツオ「うるせー!(スタッフを仏像で殴打!)」
スタッフ「グフォ!!!!!!!」
カツオ「これだー!!!ここが諸悪の根源!死ねー!!!!!!!!」
役物を破壊!!!!!!!!
スタッフリーダー「あ!何て事しやがる!!!!!!」
スタッフ「このバカヤロー!!!!!!!」
カツオ「皆ー!これは遠隔操作だ!この台は真ん中のパクパク役物!今ぶっ壊したこれだ!店側の操作で玉を弾く仕組み!とんでも仕組み!このカジノはとんでもないインチキ!鬼畜カジノだー!!!」
サブ「ぐっ!・・・おい!そいつを黙らせろ!引っ立てろ!事務所に!」
スタッフ「はっ!・・・おい立て!」
カツオ「ふざけんな!誰が行くかー!いっそ◯せ!
もとより死ぬのは覚悟の上だ!今日はこのインチキ台と心中するつもりだー!」
スタッフリーダー「何をバカなことを!そもそもどうやって・・・ん!?」
中島の手には何と!
スタッフリーダー「うわー!!!ダイナマイトだ!」
スタッフ「嘘だろおい!?」
カツオ「死んでやる!今日は元々そのつもりだー!このインチキ台と心中する覚悟!死にたいやつは前に出ろー!止めてみろ!」
スタッフリーダー「店長!」
しかし、サブローは違和感を抱いていた。
サブ『何だ?この違和感は?・・・こんな事態になってもまだ感じない、カツオ君から熱・・・本当に死ぬという迫力を・・・・・!』
サブ『似非に見える・・・しかし似非だとすると何故このような行動を?注目を浴びるにしても金も物も手に入らないし動画撮影してるとは思えない・・・ただ注目されるだけの人騒がせな変人としての注目・・・!?』
サブロー!気付いた!
サブ『あ!そうか!そういう事か!』
思わず走り出すサブロー!
スタッフリーダー「店長!?」
サブ「皆!そのダイナマイトは偽物だ!それより!来るんだ!僕の後に2〜3人!」
スタッフ「は!はい!」
スタッフリーダー「・・・・・・・???」
サブ『そうだ!熱が無くて当然!あれは囮なんだから間違いない!カツオ君は完全な囮!僕らの目を引き付ける偽物の松明!奴らの狙いは・・・・・!!!』
到着したのは・・・店長室!しかし・・・・・・・。
サブ「くっ!一足遅かったか・・・。」
そう!実はさっきまでここに中島がいて何かを探していたのだが・・・・・間一髪のところ部屋から出たのだ。
中島『(店長室の扉前)ふー・・・危ない危ない・・・。』
スタッフ「店長?」
サブ「感が良いみたいだね彼は、惜しくも取り逃したよ・・・でも、お目当ての物はどうやら入手出来なかったようだけど。」
スタッフ2「お目当ての物?」
中島「・・・・・・・・・。」
サブ「そうか、確か皆も知らないみたいだね、特別に教えてあげるよ・・・このシステムでは彼はとてもじゃないけど入手出来ないだろう。」
するとサブローは、棚の横にある液晶画面が付いたインターホンの様なスイッチを押し・・・。
サブ「サブローだ。」
すると!システムが反応し・・・指紋認証になり・・・次は暗証番号。
サブ「この三重チェックさ。」
すると・・・突然横の棚が左右に開きシャッターが現れた!
中島『え!?』
そして、サブローはまた暗証番号を入力するとシャッターが開き中からは・・・・・・・。
何と!大量のお金の札束がぎっしりと収まっていた!!!!!
中島『あああ!!!・・・金・・・・・!!!金の壁!!!札束の壁!!!』
サブ「恐らく、狙いはこれさ。」
スタッフ「はぁ・・・。」
サブ「ウチたいな高レートの裏カジノをやる以上は、手元にそれ相応の現金が必要・・・その推察は当然!となれば・・・その金がこのカジノの何処かにあるはずだと・・・こう考えるのも必然の流れ!」
サブ「ほら、ちょっと前に中島君が半ば強引に事務室に入ってきたろ?」
スタッフ「あ・・・はい、確かに。」
サブ「あれもこうなってみれば、確認行為だったって事が分かる!事務室に・・・・・金庫があるか無いかどうか!」
中島「!?」
スタッフ2「なるほど!」
サブ「事務室に無ければ残るは1つ・・・店長室って訳さ!そう踏んで・・・今日、カツオ君を囮にしてここに忍びこんで来たわけだ、惜しくも取り逃がしたけどね。」
サブ「まぁでも!忍び込んだ今日は即お金を奪うのは考えず・・・あくまで金庫の有無の確認!もし金庫が見つかればそれがどういう仕組みになっているか調べ後日金庫破りに挑戦と言う指針にしようかってのが今日の狙いだろうね・・・だが!ウチの金庫は難攻不落!饕沼同様に十重二十重に守られている鉄壁!実質不可能さ。」
トゥルルルルル!
スタッフ「失礼!・・・(社員用スマフォに出る)はい・・・分かりました!店長!磯野カツオを確保しました!」
中島『何!?早く戻らないと!』
サブ「分かった、では饕沼に戻るとするか。」
そして・・・現場に戻るとカツオは押さえつけられていた。
カツオ「ヒー!ごめんなさーい!」
スタッフリーダー「して良い事と悪い事くらい分からないのか!?小学生でもそれくらい分かるだろ!?」
カツオ「わーん!許してー!」
中島「すいません!!!!!後で言っておきますからどうかご勘弁を!」
スタッフリーダー「店長!どうします!?」
サブ「そうだねぇ・・・あれを使うかな?」
中島「あれって?」
サブ「彼はまだ子供だ、暴力と言う手荒な真似はしたくないから・・・これだ!」
サブがジャケットの内ポケから取り出したのは何かの筒状の器具だった。
サブ「名付けて【血のマニキュア】さ!」
「!?」
中島「確かそれって・・・カイジさんと一条さんが出ていた例のアニメにあったあの拷問器具!?」
カツオ「え!?ちょっと・・・・・嘘でしょ?サブローさん!?」
スタッフリーダー「店長・・・いくら何でもそれはちょっと・・・彼はまだ子供ですよ?」
スタッフ「さすがに小学生には・・・。」
サブ「そうかな?」
難物「その通り、サブロー君・・・流石に限度をわきまえなさい。」
サブ「あ、社長。」
難物「彼も反省している、今回ばかりは見逃してあげなさい。」
サブ「社長は寛大ですねぇ、でも・・・この器具の恐ろしさだけでも教えたいんだけどなぁ。」
スタッフ3「社長!店長!パチスロコーナーで違反者を捕らえました!」
「!?」
スタッフ4(女性)「磁気を使っての違法行為です!」
中年男性「許してくれー!出来心なんだー!」
スタッフ3「何が出来心だ!そんなので許されると思うなよ!」
サブ「お!こいつは丁度良い!」
そしてサブローはスタッフに、その男をうつ伏せ状態にしろと命じ・・・その筒状の器具の蓋を取り男の中指に嵌めた。
サブ「こいつなら別に問題無いですよね?」
難物「・・・・・あぁ・・・構わん。」
カツオ「それって、指折りですか?」
サブ「カツオ君は、カイジさんと一条さんが出ていたアニメを見てないのかい?あれを見ていたらピン!と来るけどね・・・それに、そこまで手荒な真似はしないよ。」
中島「あ!それって確か・・・・・逆境無頼伝カイジに出てきた・・・・・。」
サブ「お!どうやら中島君は知ってるようだね、これはもっと上品さ!こうして抜けない様に指にネジでセットして後は・・・。」
男「ひぃ~・・・・・。」
サブ「この先端のネジをクルクルと回して動かすんだ・・・筒の中の針を・・・・・針は爪の僅か下に。」
男「!?」
サブ「あの敏感な果肉の中にめりめりと進む仕掛けさ。」
中島「え!?マジで!?」
サブ「深爪の経験ってあるだろ?あの部分に針が刺し進んでいったらどうなるか・・・・・見てみないかい?違反行為をした者の末路を。」
男「ま!待ってくれ!!!!!」
サブ「では、始めよう。」
そして・・・針は遠慮なく男の爪の中に!!!男の口から途轍もない悲鳴が上がる!
サブ「1本だけでもこのリアクション・・・余程激痛だったわけだね。」
そして抜いてみると・・・・・爪の中は真ん中に濃い赤い血の線が出来、徐々に血で染まっていった。
サブ「これは、世にも珍しい裏から塗る血のマニキュアさ、こんな事をする伊達者はこの世にそうはいない、彼はつくづく果報者さ・・・さーて残りの爪もやろうかね。」
男「嫌だーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
そして・・・数分後。
中島とカツオは店を出てビルを後にし・・・男は乱暴につまみ出された。
カツオ「うわぁ・・・惨い事するなぁ・・・。」
中島「自業自得ってのもあるけどな・・・しかし今回は運がよかったよ・・・とりあえず絶対勝つ!勝てる!サブローさんには悪いが・・・負けてもらうよ!」
すると・・・カツオは何かに気付く・・・。
カツオ「・・・あ!中島!」
中島「ん?」
カツオ「シャツの襟に小さいスピーカーみたいなのが・・・。
中島「え?・・・・・あ!!!!!これって盗聴器じゃん!くそー!あいつ等!!!」
カツオ「あ!ちょっと貸して!」
するとカツオは・・・盗聴器に向けてデカい屁をこいてバーカ!!!と言い放ってその盗聴器を踏み壊した。
一方、カジノの事務所ではそれを聞きながら晩酌をしていたが・・・。
スタッフリーダー「うわ!あのガキ!屁をかましやがった!!!!!こっちは食事中だぞこらー!!!!!」
スタッフリーダー「負け犬の愚痴を聞きながらそれを肴にして酒を嗜むのが俺の楽しみなのによー!!!こんな事ならあいつ等も徹底的に痛めつけてやればよかったぜ!!!」
サブ「まぁまぁ村谷、いいじゃないか別に。」
スタッフリーダー村谷「え?」
サブ「今回はこの程度で充分だよ、それが原因で死なれては困るだろ?ましてや相手は子供、地上で死なれると困るしね・・・娑婆で死ぬと面倒な地下労働施設の比じゃないさ、まっ!地下もちゃんと病院施設が完備されてるから債務者が死ぬ事はそうは無いみたいだが・・・・・あくまで地下だよ、彼がくたばるのは。」
村谷「・・・・・・・。」
サブ「手ぬるく感じるだろうがまあ、今回はこの程度の決着が頃合いって事さ、良い見せしめも出来たし。」
村谷「はぁ・・・。」
確かにそう思えた!誰もが決着が着いたと・・・中島らのこのカジノ!及び饕沼への挑戦は決着・・・終了・・・・・誰が見てもそう思えた・・・!
事実・・・・・その翌日から中島達は全く姿を現わさなくなった!
饕沼の停止中はもちろんの事、3日後・・・破壊された部品が届き、修理!そして・・・・・。
村谷、試し打ち!
サブ「どうだい?」
村谷「問題無しです、取り替えた部品の動きもスムーズですし例の{ブロック}もきっちり作動します。」
サブ「そうか、よし!今夜から再開だ!」
スタッフ全員「はっ!」
そう!2人修理後も全く現れない!饕沼が再開されても姿を現わさない!だがもっとも!この饕沼に寄り付かないのは他の客も同様である!
でも、当然と言えば当然!数日前のカツオが起こしたあの大騒動!
遠隔操作がどうの・・・とカツオが散々怒鳴り散らし喚き散らした直後!そりゃあ打つわけがない!
そして・・・・・あの日から6日、饕沼が再開してから3日目・・・中島がこの地上にいられる最後の日!その日が遂に来た!
村谷「店長、饕沼のチェック完了しました!設定は変わらずCです。」
サブ「そうか、ご苦労さん。 少し休憩するか。」
村谷「はい。」
忘れていた、このカジノの誰もが中島のことなど・・・だから、その日が中島がこの地上での最後の日・・・ラストチャンスである事も知る由もない・・・その時!スタッフの1人が慌てて店長室に入って来た!
スタッフ「店長!大変です!またあいつ等が・・・性懲りもなく・・・!」
サブ「ん?」
スタッフ「しかも・・・・・新たな仲間を連れて・・・・・。」
サブ「!?」
急いで現場に向かい、入り口の監視カメラのモニターを確認すると・・・いた!
サブ「え!?中島君にカツオ君に・・・!?彼らは確か探偵社の人間とポートファイナンス(ポートマフィアの表向き事業)の人間に元ギルドの・・・。」
スタッフ「店長・・・。」
サブ「まだいたのか?・・・地上に・・・これは驚いた・・・。」
村谷「確か・・・正確なタイムリミットは午後4時です。」
サブ「なるほど・・・と言う事は、今9時だから・・・・・残り7時間、溺れる者は藁をもつかむって訳か、ほぼ玉砕だね。」
村谷「え?玉砕と言いますと?」
サブ「彼は地下を出るとき80万くらいに軍資金を持っている、それを使わない手はないと言う事さ!1
村谷「・・・・・。」
サブ「このまま何もしないままだと、文句なしで地下行き・・・それなら一か八か!ルーレットの30倍辺りに30万張って・・・当たれば1000万!それを連続でやれば借金を完済出来る、そうすれば戻らなくて済むと訳だが・・・そうは上手くいかないのが世の中ってやつさ。」
サブ「じたばたと色々仕掛けて最後の最後はそんな手口さ・・・だけど!中島君のこの地上での最後の張り!ギャンブル!見届けてやろうじゃあないか!最後の夢想・・・・・足掻きを!通せ!」
スタッフ「はっ・・・!」
そして!中島達は入店!
サブ「やぁやぁようこそ!当カジノへ!今回は探偵社やポートの関係者やギルドの元関係者も御一緒来店してくださるとは・・・当店のご利用いただきまことにありがとうございます。」
サブ「中島君にとっては貴重なこの地上での最後の時を・・・・・当カジノで費やしてくれるとは身に余る光栄!ありがたい!どうぞごゆるりと・・・・・。」
中島「張っていいんですね?」
サブ「はい?」
中島「僕と磯野は問題児扱いで入店は・・・。」
サブ「あぁあれね!あれはとっくに水に流したよ、もうあんな事はお気に召さらずに自由にプレイしていってくれ、元々我が店は誰でもウェルカム!年齢性別国籍関係なし!分け隔てなく営業しております!ルーレットでもバカラでもどうぞご自由に!」
中島「そうか・・・。」
そして中島は真っすぐ向かった・・・ここに!
「!?」
中島「これだ!この饕沼をやりたい!」
サブ「え!?」
村谷「な!何を言ってるんですか!?これをプレイするには多額のお金が必要なんですよ!?貧乏人が手を出せる代物じゃ・・・。」
敦「それならあります。」
「!?」
ルーシー「5000万はあるわ!これだけあれば充分でしょ!?」
中島「さぁやってください!磁気チェックを!」
「・・・・・・・。」
サブ「しょ・・・少々お待ちを・・・。」
その場から少し離れたサブロー達・・・これはさすがに予想はしていなかったであろう。
サブ「一体どういう事だ?・・・。」
村谷「さぁ・・・あの台にはもう懲りてると思ったんですが・・・。」
サブ「・・・・・まさかと思わないが、何か細工はされてないよね?あの台に。」
村谷「え!?それはさすがに無いと思います!24時間四六時中あの台には常にスタッフが常駐していますし監視カメラを厳重にしてあります!」
スタッフ「細工どころか側に近づく事さえ不可能です!それに・・・一時的そういう事が出来なくなる状況、例えば火災や大規模な地震や停電・・・そのようなアクシデントもありません!」
スタッフ「実質!細工はまずあり得ません!」
サブ「・・・・・・設定はCで間違いないかい?」
村谷「もちろんです!今朝の事ですから間違いありません!その時は例のブロックもチェックしております!」
サブ「・・・・・・なら何故、あいつ等は三度突っ込むんだ?破滅に・・・・・・自ら破滅に向かって・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
村谷「・・・・・・今回は、お引き取りしてもらいますか?借金返済分のお金を渡して。」
「!?」
村谷「あの台は、100%大丈夫・・・出る理由は無いと言うか道理はないんですが・・・・・・・・何故か違和感を感じて・・・今回は我々が潔く辞退を・・・。」
サブ「う~ん・・・・・・・・・。」
立原「おい、逃げる気か?」
「!?」
立原「ちょっとでも違和感を感じたり危険と察知すると尻尾を巻いて逃げるのか?ここのカジノの売りの饕沼ってのは?」
ルーシー「とんだお笑い草ね!草生えすぎてもはや草原!サバンナよ!散々絶対的みたいな大口叩いていざ勝負となると日和って逃げる!本当虚仮野郎ね!」
サブ「ぐっ・・・。」
中島「そうだそうだ!底が割れたな!三河屋のサブちゃん!所詮お前は管理人だ!お前は大人しく三河屋で配達してりゃあよかったんだよ!」
村谷「貴様!強い味方を付けて調子に乗ってるな!!!!!!!!お前ら全員ただで済むと思うなよ!!!私刑だ!!!」
立原「何だお前?俺たち喧嘩売って勝てると思ってるのか?」
カツオ「そうだぞ!こっちは異能力者が5人に最強暗殺者が1人!こんなカジノ何てあっという間に潰せるよ!」
村谷「ぐっ・・・・・。」
サブ「落ち着け、村谷。」
村谷「店長!?」
サブ「・・・覚悟は出来てるよね?」
中島「おぉ・・・・・闘志むき出しの表情!そうだ!その顔だ!怒りを露わにしているその顔!来いよ!サブちゃん!」
サブ「・・・・・・・・・・。」
でも、まだサブローには余裕があった。
サブ「村谷、どう思う?・・・中島君のこの自信はどこから来ると?」
村谷「え?・・・いやそれは・・・・・・・・。」
サブ「フフフ・・・まぁここまで仕掛けるというか、勝負に挑むと言う事は・・・・・何らかの魂胆・策がある訳だろうが・・・・・そこら辺は皆目見当がつかない!そもそもパチンコは台が全て!一度台は出ないと設定されたらもう打ち方もクソもないどんな打ち方をしようと金輪際出ない!」
サブ「それに万が一にも、つまり逆を言うなら勝つ為には何らかの形でこの台に細工をしなければならないが・・・その痕跡は一切無し!村谷、どうやって勝つと思う?この台に。」
村谷「え?・・・・・まあ確かにそれは、不可能であり見当も・・・。」
サブ「だよね・・・ククク・・・フフフ・・・・・逆に興味が湧いたよ!君のそのトリック!戦略・・・誤解!浅知恵に!」
サブ「ククク・・・クク・・・・・ククククククククク・・・いいだろう!その挑戦!受けてやろうじゃあないか!!!!!!!」
ざわ・・・!
「えぇ!?」
村谷「店長?本気ですか!?」
サブ「心配ご無用さ!恐れる必要は皆無だよ、十重二十重・・・僕の饕沼はちょっとした思い付きやアイディア、そんな付け焼刃でどうにかなる代物じゃないし・・・・・それにだ、僕の異能力によってこの台は一切の能力や魔力に呪術と言った特殊能力は一切受け付けないようにしてある。」
「!?」
敦「え!?まさかサブローさんも?・・・・・。」
サブ「そう!僕も異能力者さ!僕の異能力【エデンの領域】はこの能力はかけた人や物はさっきも言ったように全ての能力系の技を無効化する!だから能力での細工も一切通じない!この能力を解くには・・・太宰治の人間失格や天草四郎やジャンヌに霊夢や早苗の聖職系の能力じゃないと無理だ、今回は彼らいないからそれは不可能だね。」
「・・・・・・・・。」
サブ「そうなれば、この5000万も道端に落ちてる金同然!拾っとこうじゃないの!」
サブ「臆する必要もない!理は僕らにある!それに・・・この金さえ失えば粘り強い中島君ですらアウト!GAME OVER・・・玉砕!もはや反撃も手段も無い、つまりは・・・・・・・決定だ!生涯あの地獄の住人にね。」
中島「ぐっ・・・!」
サブ「ククク・・・もう拝まなくて済むわけだね、そのアホみたいなメガネザルみたいな顔を・・・よし!やってくれ!磁気チェックを!」
そして磁気チェック中に、一本の電話が・・・出てみると何と・・・・・かけてきたのはエスデスだった!
彼女が率いるバンド【PhantasM@goric】は現在、ニューアルバムのレコーディング中であり完成間近である。
携帯のスマフォはスピーカー機能で皆で聞いてる。
サブ『え?・・・こんな午前早くどうしたんだろ?』
そして出てみると。
エスデス「久しぶりだな。」
サブ「どうも、ご無沙汰してます。」
エスデス「少し気になってな、今日だろ?今日が最終日、中島が地上にいられる最後の日。」
サブ「!?」
エスデス「確か、今日の午後4時がタイムリミットだが・・・何か変わったことはないか?」
サブ「実は、来てます・・・。」
デンジ「は?来てる?」
アキ「お前・・・まさか入店させたのか?」
サブ「そうですが・・・。」
アキ「お前・・・もはや終わったと言っても過言じゃないな。」
サブ「え!?」
アカメ「随分と軽率ね。」
サブ「・・・そうでしょうか?」
タツミ「え?」
サブ「入れましたが問題はありません、奴は必ず負けます!」
「・・・・・・・・・。」
サブ「他の種目ならやられる可能性はありますが、あの饕沼!無敗不敗神話のあの饕沼です!負けるはずがありません!」
「・・・・・・・・・。」
エスデス「・・・全く、実に愚かだな男だなお前は。」
サブ「!?」
エスデス「その饕沼こそ1番危険なのに気付かないのか?中島があの饕沼に異様に固執していた事を知らぬわけはあるまいな?」
マキマ「その固執の果て、彼があの台を打つということはつまり・・・明らかに何らかの勝算があるのは事実ね、恐らくは・・・・・・・・。
マキマ「5割強!」
サブ「!?・・・バカな!!!あり得ません!そんな事は一切・・・!!!」
タツミ「とりあえず、勝算が有りか無しかそれを今ここで話しても仕方ないよ、ともかくこうなった以上は勝つしかないよ?」
サブ「当然です!」
マキマ「面子云々も去ることながら、現在貯まってる6億なんぼかの貯玉は・・・とても「負けました、すいません」では済まされないわね。」
エスデス「つまりだサブロー、万が一敗北したら・・・過酷かつ破滅的な処遇が、お前に科せられるだろうな、分かったか?」
サブ「・・・・・はい!構いません!」
エスデス「そうか、どうやら覚悟は出来てるようだな。」
サブ「どうぞご安心を!何ら心配するような・・・。」
エスデス「とりあえず今の生活を送りたいなら、勝つしかないぞ、生きるためにな。」
そして、切られた。
サブ「ぐっ・・・!」
そして、チェックが終わりいよいよ・・・。
サブ『出るはずがない!あれはそう出来てる!買い被りすぎだろあの人たちは!大体外出に1年間の猶予を許可してる時点で問題だ!奴は格下!一般市民!僕より遥かに下のメガネ猿坊主!』
中島「まず1000万のパッキーを!」
スタッフ「はっ!」
「本気か!?」
「友の仇だとしても無謀だろ・・・。」
「また同じ過ちが?・・・。」
そして、パッキーを受け取り挿入!
中島「サブローさん、いいんだな?」
「!?」
中島「いざ幕開けだ!僕とあなたとの最初で最後の真剣勝負!後戻りは無しだ!どっちが滅びるにしても恨みっこ無し!いいんだな!?」
サブ「・・・・・あぁ、もちろん、いつでも始めていいい!」
中島「よっしゃ!」
中島『とりあえず、すぐに分かる!あなたの傲慢・・・あなたの脆弱!故に生まれた・・・この饕沼の・・・隙!』
そして開始!!!・・・・・・すると開始して間もなく予想外の事態に!!!
「お・・・おい!寄ってるぞ!!!」
「また入ったわよ!!!」
「最初の難問のクギの道をいとも簡単に・・・!?」
敦「本当に寄ってる・・・クギの道に・・・。」
そして・・・また来た!
立原「来たぞ!また!」
「よっしゃー!!!いけいけー!!!」
「このまま攻めろー!!!!!」
サブ「ちょっ・・・どういう事だ!?」
村谷「分かりません!設定は間違いなくCです!今朝だって・・・。」
サブ「だったら・・・これは一体どういう事だ!?実際に何度も・・・。」
村谷「自分もさっぱり・・・・・。」
「うわ!惜しい!」
「後ちょっとだぁ・・・。」
サブ『ぐっ・・・・・一体何が起こってるんだ!?・・・』
「おー!!!遂に来たぞ!クルーンに!!!」
「今日1回目のクルーン!」
サブ「ぐっ・・・!」
「来た来た来たー!!!」
「行けー!!!!!!!」
だが!なかなか2クルーン目に辿り着けない・・・。
「ああー!!!くそっ!」
「後もうちょっとじゃん!」
「でも行けるわよ!!!」
「そうだ!この勢いならあり得るぞ!!!」
すると村谷は提案を出した、クギの森を難なく通過してクルーンに辿り着いてしまう以上・・・例のブロックを発動されてはどうかと・・・。
だが!サブローはそれを拒否!
村谷「え!?でもここは念には念を・・・。」
サブ「このギャラリー注視の中、出来ればそれはしたくない・・・・・それでなくても・・・今客の不信を買いたくはない、この間カツオ君を懲らしめた時もやり過ぎた、特に・・・今言った第二関門のブロック、あの殺しが露骨すぎた・・・今はダメだ!ほとぼりが冷めるまで今しばらく・・・あの手は封印だ。」
村谷「はぁ・・・。」
サブ「まあでも・・・クギの森を抜けてあのブロック・・・第二関門を突破出来ても、あのクルーンがある!あそこは鉄壁!問題は無い!」
村谷「まぁ、確かにそれは言えますが・・・。」
サブ「この状況は、まだ慌てる事じゃない・・・そうだろ村谷?」
村谷「はあ・・・。」
サブ「それより・・・確かなんだろ?今日のクギ設定{C}は。」
村谷「はい!それは間違いありません!何しろ今朝の事です!記憶違いなど考えられません!」
サブ「そうか、なるほど・・・・・そうなると、可能性はもう1つしかないか。」
村谷「もう1つ?」
サブ「村谷、例の検査板を持ってきてくれ・・・彼の仕掛けは多分それだ。」
村谷「あ!そ!そうか!今持ってきます!」
サブ『ククク・・・さてさて、いたずら子猿にはお引き取りを願おうか?』
サブ「そこまで!」
「!?」
サブ「この勝負は一旦中止!」
「えー!?」
中島「おいおい!言いがかりかい!?そっちの思惑通りの運んでる時はいいがちょっと不都合や計算外の事態が起こると中止!?そんな理不尽を強いるのか?このカジノは!?」
サブ「まぁまぁ、当カジノは公平さ!何が起ころうとこうして打ち出た以上は、やめるやめないは全て打ち手の勝手・・・判断!納得の行くまで勝負していいが・・・それは、不正がない場合に限る!」
「!?」
サブ「ゴト行為が明らかな場合は!」
立原「おい!言いがかりも甚だしいぜ!」
中島「その前に、ゴト行為って?」
サブ「確かに盲点だったよ、パチンコってのは一も二もなく台・・・!台さえ管理すればそれで安全さ!だから・・・カメラまで何台か据えたりして工作や細工を防ぐ!しかし・・・パチンコには1つ、重要なポイントがある!」
サブ「言われてみれば、「な~んだ!そんな事かよ!」って話になるが、案外意識の外・・・そこに細工が加わるとは端から思わないでいるところがある!」
「・・・・・・・・。」
サブ「そういう意味では、中島君の狙いは本当に悪くない!ただ・・・君にとってツキが無かったと言うか不運だったのは、かつて同じ事をやらかした奴がいたという事だ!」
「!?」
中島「え!?」
サブ「今君がやってる・・・ゴト小玉を!」
「!?」
「え?」
「は?」
「な?」
ルーシー「ハァ!?あんたいきなり何言ってんのよ!?」
サブ「小玉しかないんだ!設定Cの厳しいクギなのにバンバンその狭い隙間を潜り抜けて真ん中に寄っていくなんて明らかにおかしい!これはもう・・・通常より玉が小さい小玉と考えるしかないが・・・君がいつどうやって別のビルにある補充用の饕沼専用の玉を小玉にすり替えたかは分からんが・・・台に細工するよりかは遥かにやり易い仕事と言える・・・。」
村谷「店長、持ってきました。」
サブ「おい。」
中島「・・・・・あー良いよ良いよ!それなら好きに調べてもらっても結構さ!」
サブ「なら!話が早い!調べりゃ分かることだ!」
サブ「この検査板の穴は、正確に本来のパチンコ玉と同じ直径になっている・・・つまり!もしこの板の穴を玉が抜けるならそれは・・・通常より小さい小玉ってことだ!」
サブ!饕沼から玉を取り・・・・・検査版に!
サブ「残念だが・・・君の進撃もここまで!!!!!!!!!」
だが・・・。
「え!?」
サブ『え!?・・・・・えぇ!?・・・何で・・・落ちないんだ!?揺すっても揺すっても・・・・・全く落ちない!?』
何と!落ちない!
谷崎「落ちない!・・・って事は・・・・・不正じゃない!」
「セーフだ・・・セーフセーフ!」
敦「やった!問題無し!」
そして、パチンコ玉を戻し・・・。
中島「そんじゃあ・・・・・続けさせてもらうぜ!遠慮なく!」
サブ「・・・・・・・・。」
中島「皆!今日は来てるぞ!マジで見せれるかもしれない!この饕沼の爆発!・・・大当たりを!!!!!!!!」
「おぉ!!!!!!!」
「やれやれー!!!」
「見せてくれー!!!」
「見たい!大当たり!!!!!!!」
村谷「店長・・・。」
サブ「うぅ・・・。」
サブ『そんな・・・バカな!だったら一体・・・どうして!?どうなってるんだ!?』
「いけいけー!!!やっちまえー!!!」
サブ『しかし・・・この検査版を抜け落ちないと言う事は、結局は正常って事に変わりはない!今の玉は・・・あ!!!』
サブロー!ある事に気が付いた!
サブ『待てよ・・・そうだ!!!そうだよ!!!何でこんな事に気付かなかったんだ!?』
突然走り出すサブローに、スタッフも思わず困惑しながら付いて行く。
村谷「店長!?一体どうしたんですか!?」
最初に思ったのは、検査板がすり替えられた可能性!!!しかし・・・他のパチンコの台を打っている人の玉を借りて試したが、異常なし!これも違った。
サブ『なら・・・一体どうして?・・・何で寄る?何で入る?・・・分からない!正常な玉で設定はC!入る訳がないんだ!本来!入るって事はつまり、台に細工が・・・いや!不可能だ!僕らとカメラの厳重な目を逃れての細工は実質不可能!』
「来た来たー!」
「またクルーンに来たぜー!」
サブ『くそっ!一体どうなってる!?饕沼を再開して3日目!細工どころか触られてもいない!なら・・・ 何故こんな事に!?』
サブ『まず寄らないはず無い!日課のクギチェックでも確認済み!今朝は村谷で、昨日は僕がチェックしている!クギに問題はない・・・一体・・・!?』
ふとサブローは、昨日チェックした時の事。
・・・・・・・・・・・・・
サブ「・・・・?・・・ククク、村谷のヤツ・・・フフ。」
・・・・・・・・・・・・・
サブ『あ!』
サブ「村谷、今朝はどうだった?」
村谷「え?今朝と言うと?・・・クギの事ですか?」
サブ「そのクギだ!クギの調整はどうだった?」
村谷「どうって・・・どんな感じもなにも、私はただ設定Cに・・・。」
サブ「それは分かってる、設定の事ではなく、今朝・・・・・前日に比べクギと開けたか閉めたか・・・それを聞いてる。」
村谷「はあ・・・・・確かそれは若干・・・開けました・・・と言っても、もちろん設定Cの範囲の話で何しろあのままだと・・・・・100に1つ通過の設定Cどころか150か200・・・。」
サブ「やられた!!!!!それだ!!!」
「!?」
サブ「僕も・・・全く同じ事を昨日・・・くそ!」
村谷「店長!何処行くんですか!?」
サブ「事務所だ!皆も来てくれ!!!
村谷「は!はい!」
そして・・・急いで事務所に着いたが・・・。
サブ『やられた!油断した!・・・逆発想!死角を衝かれた!』
サブローは、徐にツールボックスを取り出し蓋を開け・・・。
サブ『饕沼本体への接触と細工は早々に不可能と見切りを付け、全く別の発想!つまり・・・あろうことか彼は・・・こっちを!』
サブ「このゲージ棒の玉の方!細工!すり替えられた!!!それによく見ると・・・デカい!設定Cの玉が既に設定Aより!」
サブ「ぐっ!!!」
村谷「店長・・・。」
サブ『多分彼は・・3日で少しずつ大玉にすり替えたんだ!こんなので調節したらそりゃあ・・・ガバガバになる!くそー!!!!!!!!』
サブ『しかし・・・饕沼程じゃないにしろ、この部屋だってそうは入れない!いきなり飛び込んり何か出来ない!ほとんど常に誰かは事務所で待機しているし、仮にいないとしても・・・この部屋の入り口にはウチの者がウロウロと見張りのようにいる・・・・・だったらどうやって・・・・・・えっ・・・!?』
サブロー!ボックスの中にある細かい粒粒を発見する!
村谷「店長!?」
サブ「この粒は・・・コンクリか!?」
そして、サブローはふと上を見上げると・・・換気口があるが・・・それを見てサブローはある確信を得た!
サブ「あ!!!そうか!そういう事か!!!」
村谷「え?店長!?」
続く・・・。