ヘンリー・フォンダ主演の1957年のアメリカ映画、
そのリメイク版がロシア映画として再登場。
オリジナルをみてから30余年ぶりに現代の「怒れる男の会話」を満喫しました。

12人の怒れる男
 

1957年版は「法廷映画の原点」とも言われている名作で、
私自身も70年代の学生時代に京都のとある映画館のオールナイト特集に二回通って見ました。

物語りのほとんどがたった一室というか、ほとんど密室状態の部屋で展開され、
陪審員たちの一人ひとりの語りから
一時たりとも「耳」をはずすことができなかったのをよく覚えています。

ひたすら英語のセリフを聞いて字幕をみるのも忘れるほどの緊迫感。
脚本の素晴らしさに「脚本家になりたい」などと思ったものでした。

十二人の怒れる男 (57)


その映画のリメイク版で、ロシア映画の巨匠と言われるニキータ・ミハルコフの監督、脚本、製作。
「黒い瞳」のマルチェッロ・マストロヤンニがフラッシュバックしてきます。

57年版の脚本の骨子の忠実に仕上げながらも、エンターテインメント要素もあり、
現代ロシアが抱える混沌とした問題も抉り出したドラマに仕立てになっているので、
57年度版を見た者としてはリメイクというよりはほとんどオリジナルのような感を受けました。

が、原作の脚本の素晴らしさは健在で、12人の会話に「耳漬け」でした。

いろいろな「法廷物」の映画がありますが、
この作品はオリジナルもリメイク版もやっぱり名作中の名作ですね。