一年前の今日、カーネギーホールでのリサイタルという僕の大きな夢が叶った。
公演が終わってから「どんな気分?」と訊かれることが多々あったが、正直なところ、もちろん嬉しいにことに間違いはないが、とりわけ大きな感動も無ければ至って普段と変わりはなく。
そのことをNY在住で沢山の大きな仕事をこなしてきた友人に話すと彼女は頷きながら。
「分かるよ。
波長がそこに到達するから夢が叶うの。
夢が実現した時には、もうそれは過ぎた後のことだから、本人としては当たり前の感覚なんだよね」
確かに、長い間願い続けてきた祈りが届く時というのはそういうものなのかもしれない。
次の夢に向かって、僕の想いは今どこを歩いているのだろう。