※スカラ座の前で


先日足を運んだヌッチリサイタルの感激も冷めやまないこの頃、過去のSNS投稿がふいに顔を覗かせた。

何やら鼻息荒く語っており、思わず苦笑しつつも、記憶は昨日のことの様に思い出される。


『遂に始まりました「5日連続オペラ鑑賞フェスタ」! 

こんなに続けて愛する舞台を観られる日が来るとは本当に夢のようで、昨日から興奮状態にあります。

演目はどれも僕が上演を熱望していたものばかりという、天の粋なお計らい! 神様、今日からは真面目に生きます!

演目は Madame  Butterfly、Il trovatore、Lucia di Lammermoor です。

Il trovatoreに関してはManricoにAlvarez,そしてLunaはNucciが歌うというこの上ないキャスト!

Luciaの演出はメトロポリタンのもので、このDVDでは何度泣かされたことでしょう。

Luciaと共に狂乱してくる心積もりであります!

歓喜と興奮のうちにこの身が灰と化しても、そんな僕を祝福していただけると幸いです。』


ちょうど10年前の今頃もヌッチにお熱だった様子。

上記三作前に観劇したナブッコのヌッチは実に素晴らしかった‼︎

登場するなり、そこに立っていたのはオペラ歌手でもなく、ヌッチでもなく、疑いもなくナブッコでしかなかったその衝撃と感動たるや今も色褪せず!

ちなみに、トロヴァトーレは興奮混じりに当日券の列に並んでいたところ「ヌッチはルーナ伯爵をレパートリーから外したので今夜は歌わないことになったらしい」と新情報が流れショックを受けたが、10年後の先日、まさか日本でIl baren (ルーナ伯爵のアリア)を聴けることになろうとはその時は想像もつかず。

ヌッチの代役に、前日のルチアでエンリーコを歌った方がルーナ伯爵を見事に演じきったのも奇跡ではあった。


留学中は大変なことも多かったが、本当に良い舞台をお腹いっぱい観られたことだけは胸をはることが出来る。