函館オペラの会『不思議の国のアリス』が終演いたしました。


同会の公演へ最後に参加したのは22歳の時。

その日から再びこの舞台へ戻ってくるまで、声楽を研鑽する道程には様々なことがありました。

留学中の出口が見えない毎日。

雨の日も風の日も通った練習室。

沢山のご縁をいただいたリサイタル。

夢が叶ったカーネギーホール。

暗中模索の日々の中に溶け合っていた悲しみも喜びも、今は私だけの色となり、

本公演ではその成果を故郷における芸術文化の役に立てればという想いでいっぱいでした。


私が演じましたジャックには『タラの歌』というソロがあります。

タラがカタツムリをダンスに誘うという不思議でどこかコミカルな内容の歌詞と、劇中でも白眉な耽美的旋律のギャップが聴きどころの一曲。

本来はその様な解釈で歌うものではないのかもしれませんが、本番で私は函館に住む人々皆に歌いかける心境でいました。


ご来場いただきましたお客様、

温かく迎えてくださった関係者各位に

心より御礼申し上げます。