劇団時代の同期でバレエ教室を主宰する野﨑愛子さんにお声がけいただき、今年も発表会へ出演させていただきました。
私はこどもの為の創作バレエ『みにくいあひるのこ』に歌唱と朗読での参加です。
私にとって朗読は長い間憧れていたジャンルであり、それがこの様な形で実現したことは思いもかけない幸運でした。
ただ、初めての朗読、それに加えて歌唱はブラームスの子守唄を歌うとのことで、子守唄を歌うのも初めての経験です。どの様にアプローチをしていったら良いものか、出演が決まってからは模索が続く毎日。
そんな私の背中を強く押してくれたのは共に出演する小さな生徒さん達の、舞台に向けられる真っ直ぐな眼差しでした。
小さなダンサーさん達に寄せる本番へのプレッシャーはいかばかりでしょう。しかし、皆、小さな身体から溢れんばかりの元気と素直な心で乗り越えていきます。
更には自分のことだけでも大変なはずなのに、もっと年齢の小さな共演者達に踊りのタイミングを教えてあげたり、励ましたりと、温かくも頼もしい交流が展開され、私の胸を打つばかりでした。



「こんなに小さな生徒さんが臆せず舞台と向き合っているのだから、私も弱気なことを言っている場合ではない」そう気持ちを新たに、最終的には、この様な素敵な舞台をご一緒できる幸せを、そしてこの作品に関わる一人としての役目に喜びを覚えつつ舞台に臨むことが叶い、非常に充実した経験をさせていただいた次第です。

主宰の野﨑愛子さんは、どんな時も決して感情的になることなく、ユーモアたっぷりにそれでいて的確な指導をされます。
以前の戦友が天職にその才を花開かせる様子にも深く感動を覚えました。

小さな共演者の眼差しが、いつまでも今日の日の様に真っ直ぐで尊くあることを祈りつつ。