おはようございます。
風疹の流行が続いています。
昨年夏前から流行が始まり、今年に入ってうなぎ上りに増加しています。
そして今回の流行には地域性があります。
東京近郊と大阪・兵庫。
いわゆる大都市圏で流行しています。
今年一月末の状況と比べると、
東京近郊の流行が関西に広がってきている状況がうかがえます。
今回のゴールデンウィークでさらに全国に広がるともいわれています。
で、
風疹ってどんな病気でしたっけ?
毎度おなじみ、国立感染症研究所のHPによりますと、
『風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。』
そして、
『基本的には予後良好な疾患であるが、高熱が持続したり、血小板減少性紫斑病(1/3,000~5,000人)、急性脳炎(1/4,000~6,000人) などの合併症により、入院が必要になることがある。成人では、手指のこわばりや痛みを訴えることも多く、関節炎を伴うこともある(5~30%)が、そのほ とんどは一過性である。』
昔、三日麻疹と呼ばれた風疹は、はしかに比べて軽い病気ですよとの意味が名前に込められている疾患です。
基本的に予後良好。
かかったことに気付かない人もいるくらいの病気です。
で、現在何が問題になっているか?
「先天性風疹症候群」です。
『免疫のない女性が妊娠初期に風疹に罹患すると、風疹ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風疹症候群 (CRS)と総称される障がいを引き起こすことがある。』
ここが問題になっています。
先天性風疹症候群の発症例数は、
前回の流行期の2004年(推計患者数約4万人)に10例とゆう発症があり、昨年が5例、4月10日現在3例の発症が報告されています。
風疹が流行すれば、先天性風疹症候群の発症も増えるということですね。
ただし、2004年の10例の先天性風疹症候群の発症例のうち3例は母親に予防接種歴があり、母親の妊娠中の風疹の罹患歴がないというところは不思議なところです。
こういった状況下で風疹の予防接種の成人への公費補助が全国で始まっています。
対象は、
(1) 妊婦の夫
(2) 10代後半から40代の女性(特に、妊娠希望者又は妊娠する可能性の高い方)
自治体によっていくらか違いがあります。
世田谷ですと、
対象は、◯妊娠を予定または希望している女性 ◯妊娠している女性の夫(児の父親)。
助成額は、麻しん風しん混合ワクチン(MR)予防接種 1回限り 5,000円 風しん単独ワクチン予防接種 1回限り 3,000円
さて、どうでしょう?
妊娠中に風疹に感染しますと先天性風疹症候群の児を生む可能性がありますよと言われると、やはり予防接種は受けたいと多くの方が思うでしょう。
国はこの予防接種を勧めるという方針で今後も行くでしょう。
でもここで考えて欲しいことがあります。
長くなったので次回に。