今朝の朝日新聞の1面に「ウィルス性白血病拡大」という記事が載りました。

 主に母乳を介して乳児に感染する成人T細胞白血病 (ATL)です。

 この白血病、HTLV-1というウイルスの感染によりおこります。このウィルスは、母乳や精液にに含まれるもので、

  1、母子感染 = 母体内感染、産道感染、母乳感染がありますが、大半が母乳中に含まれるウィルス感染リンパ球が原因とされています。

  2、夫婦間感染 = 精液に含まれるウィルス感染リンパ球により感染します。 この場合,感染力が低いので、特定の相手との反復した行為で感染します。  夫から妻への感染であり、妻から夫への感染は確認されてないようです。 また,感染はしても発症することは無いようです。

 3、輸血 =  1986年以降は血液検査が行われており、感染の危険性は無いそうです。

 この三つが感染経路です。

 この成人T細胞 白血病(ATL)は感染から発症まで50年程かかり、発症率も5%と低いものです。(喫煙者が肺がんになる確率は、10%だと言われています。) でも、 発症すると根治が難しい病気です。

 九州・沖縄地方で感染者が多いという地域性もあります。

 この病気を無くしていくた めに必要なことは、妊婦健診で母体の感染の有無を調べること、そして、母乳をやめて人工乳にすることだそうです。

 母乳感染は、長期に母 乳を与え続けた場合、約20%。

 母乳を与えていなくても感染している可能性があることや、母親からもらった移行抗体(抵抗力)が存在す るとされる短期間(3か月以内)の授乳は、長期間の授乳と比較して感染率が低下するとされているため、感染している母親本人に、母乳をいつまで与えるか決 めてもらっている医療機関が多いようです。

 まずは検査を受けて、感染の有無を知ることが大事ですが、妊婦健診にHTLV-1の検査が含 まれているのは、関東地方だと84.6%と低いようです。

 朝日新聞に書かれていた厚労省の教授のコメントには、「全ての妊婦が検査を受 け、対策をすれば2世代で病気を根絶できる。」とあります。

 妊婦の皆様は、妊婦健診でどんな検査がなされているか関心を持ってみるとい いのではないでしょうか?