「名水点て」とは、各地にある名水を用意し、それを用いるお点前です。

濃茶でおこなうのがふさわしいとされております。



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水指には、木地の釣瓶(つるべ)を用い、
名水であることを客に示すために

水指に、しめ飾りをしておきます。


客が席入りする前の事前の荘りつけは、風炉の横に水指(釣瓶)を据え、

その前に通常の濃茶点前同様茶入を荘ります。




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名水点ての特徴は、総礼の後、正客より
「お水を頂戴いたしたい」と所望されることです。

これを受けて茶入、茶杓を清め、茶巾を水指の蓋上にのせると
釜側の水指蓋を開け、水を汲んで茶碗に入れ客に水をすすめます。



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連客が順次水を飲みまわしている間に、正客は頃合いを見計らって

名水の由来などを聞きます。


水の飲みまわしが終わると、茶碗に湯を入れすすぎ

もう一度湯を入れて茶筅通しをし、

以下普通の濃茶点前と変わりありません。




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さて、本日の掛物は、有馬頼底 筆による

瀧 銀河三千丈 (たき ぎんがさんぜんじょう)


李白の詩の一節に

「飛流直下三千丈 疑是銀河落九天」
「飛流直ちに下る三千尺、疑うらくは、是れ銀河の九天より落つるか」
とあります。

「瀧の眺めはしぶきをあげて直下すること三千丈あり、
まるで天の川が天空から落ちてきたかのようである」
という詩です。
この李白の詩からとった言葉です。


  

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茶花は、宗旦むくげと、ヤハズススキです。


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筏を模った香合にも季節を感じます。


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そして、主菓子は、6月の代表的な和菓子「水無月」です。


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京都では、1年のちょうど折り返しにあたる6月30日に
この半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する神事
「夏越祓(なごしのはらえ)が行われるそうです。

この日に食べる和菓子が「水無月」です。



小豆には、悪魔祓いの意味があり、
三角の形は、暑気を払う氷を表しているそうです。






お干菓子には、金平糖をご用意下さいました。


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本日も、充実したお稽古でした。


次回は、「洗い茶巾」というお点前だそうです。





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