私達は互いに大学4回生のとき、とある授業で知り合いました。

私を含め女子4人、男子は彼1人で、私達女子とは違い、物静かで落ち着いた印象の人でした。


彼は最初私のことをどう思ってたかは後で書きますが、私は彼のこと、好きだとかはまだ全く思っていませんでした。(笑)

むしろ、この頃はちょうど皆就活中でピリピリしていました。


皆で雑談できるぐらい打ち解けたごろに、彼は「イノウエさんは、公務員試験受けよる?」と聞いてきました。

大体周りは民間企業を受けて、余裕があれば公務員も受けてみるという感じでしたが、私は公務員になりたくて、3回生のときから公務員一本で勉強していました。

逆に、公務員は民間より内定出るのが時期的に遅いので、公務員だけ受けている自分に焦りも感じていました。


「俺民間も受けてるけど、公務員も受けようと思って。」

「今度の大学職員の試験、受ける?」

色々公務員試験のことを訊かれて、心中穏やかではありませんでした。

「ヤシロ(彼の名字)君も?すごい!」

「公務員試験って、一次試験の筆記の時点でめっちゃ難しいよね!全然合格せん…。」

とか何とか話は盛り上げておきましたが、思っていたのはただ一つ。


こいつは敵(ライバル)だ。


6月の時点で全く何も受からない試験。

3回生から受け続けた学内の公務員講座で、同じく受講していた人たちがちらほら、しかも複数の公務員試験受かってる。

私より真面目に勉強してなさそうだったチャラい人らでさえも。

ゼミの人たちもほとんどどこかの内定ゲットしたとか何とか。

誰がもう内定もらってるか分からない、頑張っても受からないし、親にも「何しよんよ!」と叱られるし、SNSで「辛い、消えたい」と何度投稿しても誰も反応してくれないし。

もう内心四面楚歌でした。

周りの人のこと、疑心暗鬼で、負けたくないとだけ思っていました。


そんな荒んだ心でいた私は、『蹴落とす対象』として、彼のことを意識し始めました。

授業が始まるまで、私はずっと公務員試験の問題集を解きまくって、正解したらウザいぐらい音立てて丸を付けてました。(苦笑)

でも、特に彼はこちらを見るでもなく、授業のテキストなどを静かに読んでいました。


また、私は授業中、質問タイムによく自分から先生に質問していました。

それも、彼を意識してのことでした。

時々彼も、何かしら質問していました。

でも、私の方が内容的に濃い質問してるもんねと、内心鼻で笑っていました。


そんな私の心が変わったのが、授業の一環であった、8月の実習でした。