32R
自分の入場が終わり、赤コーナーからチャンピオンの登場。
早く来い…。
またされるのは嫌だ。
場内が暗くなり、なんとチャンピオン2階からド派手な入場。
そんなことは知らなかった…。
俺は待っている間、ただただ立っているだけ。
ようやくリングに上がってきた。
リング中央に行き、レフェリーチェックで顔を合わせ、田中トレーナーと共に俺の前に現れたチャンピオン。
変な感情が過る。
元々ボクシングを始めた理由は、角海老宝石ジムの小堀佑介の影響だ。
小堀の紹介で角海老宝石に入会し、初めてジャブを教えてくれたのが田中トレーナーである。
その田中トレーナーが相手側のチーフセコンド。
(…。)
そうこうするうちに開始のゴングが鳴り響く。
さあ始まった日本タイトルマッチ。
1Rはいつも様子見であまり自分から仕掛けない俺だが、このときばかりは、中途半端に手を出し始める。
相変わらず、余裕のチャンピオン。
いつもと違うスタートを切った俺は、開始30秒程でペースをもってかれた。
ペースを握るのが上手いチャンピオンは、ド派手なパフォーマンスをしながら試合を進めた。
1R終了時点でセコンドが俺にかけた言葉は、
「チャンピオン緊張してるぞ!!」
(えっ!?あれで…?)
俺には全く余裕の表情にしか見えなかった。
そして俺はセコンドの言うことが半信半疑になった。
2R突入。
またもや余裕の表情でのボクシング。
俺はペースを握れず、いっぱいいっぱい…。
チャンピオンのラフな攻撃で、しりもちを着いた。
(やべー、倒れた…。)
レフェリーが間に入り、
「スリップ!!」
と声を上げた。
(なんだよ、スリップかよ。)
チャンピオンのラリアート気味に倒された為、ダウンではなく、試合は再開。
2R終盤、残り10秒の場面で、俺の右ショートストレートがカウンターでチャンピオンの顎を捕える。
チャンピオン腰を大きく落とし、グラグラに…。
狙って打ったパンチではなかった為に、俺は反応が遅れた。
とっさに、
(ん…、効いてる?)
無我夢中でパンチを振ったが全く当たらず、2R終了。
続く3、4、5R再びチャンピオンのペース。
俺は思うようにボクシングができなくなり6Rに突入。
やはりチャンピオンはうまい。
俺はボクシングの幅が狭く、急な展開時での頭の切り替えが下手くそだ。
ラウンドの中盤には、ロープを背負わされて猛攻撃を受けた。
終盤には一発俺の右が当たって少し効いたようにも見えたが、体が動かなかった。
チャンピオンのパンチを結構もらった為に、ダメージが溜まる。
6R終盤から一気に体が重たく感じられた。
7R以降も山場は作れず…。
8Rは自分にペースが傾きかけたが、9Rはまたもってかれた。
そして最終10R、再びチャンピオンの猛攻撃…。
ロープを背に、かなり浴びてしまった。
10R戦って、相手に決定的なパンチを浴びせたのはたったの一発のみ…。
その一発は、練習で何千回と岡トレーナーのミットを目がけ、打ってきた右のショートストレート。
やはり最後は、練習で培ったことが試合に出ると知った。
3ー0の判定敗け。
完敗。
この日の応援合戦は凄まじかった。
試合ではチャンピオンに敗けたが、応援してくれた人達の熱さは勝っていたと思う。
熱い応援、熱い声援、どうもありがとうございました。
2006年5月20日
14戦13勝(8KO)1敗
早く来い…。
またされるのは嫌だ。
場内が暗くなり、なんとチャンピオン2階からド派手な入場。
そんなことは知らなかった…。
俺は待っている間、ただただ立っているだけ。
ようやくリングに上がってきた。
リング中央に行き、レフェリーチェックで顔を合わせ、田中トレーナーと共に俺の前に現れたチャンピオン。
変な感情が過る。
元々ボクシングを始めた理由は、角海老宝石ジムの小堀佑介の影響だ。
小堀の紹介で角海老宝石に入会し、初めてジャブを教えてくれたのが田中トレーナーである。
その田中トレーナーが相手側のチーフセコンド。
(…。)
そうこうするうちに開始のゴングが鳴り響く。
さあ始まった日本タイトルマッチ。
1Rはいつも様子見であまり自分から仕掛けない俺だが、このときばかりは、中途半端に手を出し始める。
相変わらず、余裕のチャンピオン。
いつもと違うスタートを切った俺は、開始30秒程でペースをもってかれた。
ペースを握るのが上手いチャンピオンは、ド派手なパフォーマンスをしながら試合を進めた。
1R終了時点でセコンドが俺にかけた言葉は、
「チャンピオン緊張してるぞ!!」
(えっ!?あれで…?)
俺には全く余裕の表情にしか見えなかった。
そして俺はセコンドの言うことが半信半疑になった。
2R突入。
またもや余裕の表情でのボクシング。
俺はペースを握れず、いっぱいいっぱい…。
チャンピオンのラフな攻撃で、しりもちを着いた。
(やべー、倒れた…。)
レフェリーが間に入り、
「スリップ!!」
と声を上げた。
(なんだよ、スリップかよ。)
チャンピオンのラリアート気味に倒された為、ダウンではなく、試合は再開。
2R終盤、残り10秒の場面で、俺の右ショートストレートがカウンターでチャンピオンの顎を捕える。
チャンピオン腰を大きく落とし、グラグラに…。
狙って打ったパンチではなかった為に、俺は反応が遅れた。
とっさに、
(ん…、効いてる?)
無我夢中でパンチを振ったが全く当たらず、2R終了。
続く3、4、5R再びチャンピオンのペース。
俺は思うようにボクシングができなくなり6Rに突入。
やはりチャンピオンはうまい。
俺はボクシングの幅が狭く、急な展開時での頭の切り替えが下手くそだ。
ラウンドの中盤には、ロープを背負わされて猛攻撃を受けた。
終盤には一発俺の右が当たって少し効いたようにも見えたが、体が動かなかった。
チャンピオンのパンチを結構もらった為に、ダメージが溜まる。
6R終盤から一気に体が重たく感じられた。
7R以降も山場は作れず…。
8Rは自分にペースが傾きかけたが、9Rはまたもってかれた。
そして最終10R、再びチャンピオンの猛攻撃…。
ロープを背に、かなり浴びてしまった。
10R戦って、相手に決定的なパンチを浴びせたのはたったの一発のみ…。
その一発は、練習で何千回と岡トレーナーのミットを目がけ、打ってきた右のショートストレート。
やはり最後は、練習で培ったことが試合に出ると知った。
3ー0の判定敗け。
完敗。
この日の応援合戦は凄まじかった。
試合ではチャンピオンに敗けたが、応援してくれた人達の熱さは勝っていたと思う。
熱い応援、熱い声援、どうもありがとうございました。
2006年5月20日
14戦13勝(8KO)1敗