私をはじめとするADHDの方々は、集中力を維持するのが極めて難しいという短所があります。

これによって、普通の人がしないようなミスをしたり、気が散って作業に集中することができず、ミスが多くなります。

特に、それが嫌々やっている作業だったり、「仕方なく」やっている作業であれば、さらに難易度は上がります。

これは、ADHDの方の脳は集中力を司る神経伝達物質であるドーパミンの力が弱いためであると言われています。

 

しかし、ADHDの方は、得意な事や好きな事をやるとなると、これが完全に逆転します。

普段は弱いドーパミンの分泌量が、一転して過剰に分泌されるようになるのです。普通の人には出せないレベルのドーパミンが出るようになっていきます。

この過剰なドーパミンの力により、ADHDの方は好きな事や得意な事になると、普通の人には維持できないレベルの集中力を発揮することができます。

歴史上のADHDだった発明家や天才・偉人の多くが、何十時間も睡眠をとらずに集中して研究に没頭していたのは、このためです。

 

これを「過集中力」といいます。ADHDの人が成功するために必要な能力であり、そして才能の1つです。

 

ADHDの人は、苦手なことをやると集中力を維持するのは非常に難しく、普通の人と同じレベルのパフォーマンスを発揮するのは極めて困難であると考えます。無理に苦手克服に力を入れても、非常に長い期間を要して甚大な時間を失うことになります。

それよりは、成功のために得意なことを発見し、好きなことに非常に高いレベルで集中し、「過集中力」を最大限に発揮し、ADHDの特性を最大限に発揮することが重要であり、成功に結び付く要素であると考えます。

 

「過集中」はどうしてもマイナスな文脈で語られがちです。例えば、「集中しすぎて日常生活に支障をきたす」などといった意見です。確かに、マイナス面が出てくる場合はあります。私も、電車の中で勉強に集中しすぎて、あっという間に降りるべき駅を過ぎてしまい、途方に暮れてしまいました。しかし、仮に行き過ぎても、戻ってくるだけの数百円分の料金を別途支払えばいいだけですし、何よりそれまで電車の中で集中して勉強をできており、それが将来に付加価値をもたらすと考えれば、この程度では損失のレベルには入りません。このように、仮に失敗しても、何でもポジティブに考えるべきです。

 

また、確かに集中しすぎると時間感覚を忘れてしまい、あっという間に時間が経ってしまいます。しかし、人間は逆に物事に集中できないと時間が経つのが非常に遅く感じられ、非充実感が湧いてきます。こう考えると、時間があっと言う間に経つくらいに夢中になれるのは、素晴らしい事であると考えます。

 

何でも、短所→長所に置き換えて考えることができれば、明るく前向きに生きることができます。ADHDの過集中も、成功のために必要な「過集中力」という才能だと考えれば、それを生かして成功に結び付けることができます。何かに集中して夢中になれることは、本当に素晴らしいことです。

あなたも、是非この過集中力を最大限に良い方向に生かして、将来の成功につなげてください。