狭い登り坂の頂上付近に、子供の後ろ姿が見えた。
子供は反対側の方へ駆けて行った。

ちょっと僕!待って!

相田が大きな声で叫んだが、子供は止まらなかった。
歩き続けてクタクタになった体にもう一度力を込めて、相田は坂を登って行った。

少年は茂みの方を見てしゃがんでいた。
あっ!トカゲ!

大きな声で少年が叫んだ。
青黒く光るトカゲが、茂みの方から相田のほうへ向かってきた。

朦朧とする意識の中で、少年に話を聞かないといけない、相田はそう思った。

走り向かってくる少年をみて、声をかけようとしたとき、相田は驚愕した。

少年には目がなかった。
瞼が開くと、目が抉られた跡がはっきりと見えた。

あまりにも衝撃的なことに、相田はそのまま気絶した。