では、『生島ヒストリー14』です。



…大学三年の春が来たとき、学校に休学願いを提出した。

それ以降は、以前にも増してモーレツなアルバイト生活。


月月火水木金金の働きづくめ。十二時間の労働。こうやって資金を蓄える一方、アメリカでのコネ作りに励んだけど、こちらはまったくままならない。


二、三の先輩が友人の住所を教えてくれるが、直接の知り合いでもないから本気で頼れず、コネ作りは半ばあきらめ気分だった。


留学に関する本も読みあさった。中でも、なぜか俳優の目黒祐樹さんの体験が印象的だった。


目黒さんは、確かどこか日本人の少ない町に留学。

空手の茶帯を持っていたので、アメリカ人に空手を教えたりして、モテモテになった、という一節にとくに気を引かれた。


単純なボクは「オレも空手のキャリアは十分だから、やれるな」とニンマリした記憶がある。


困っているときは、なんでも共通項があると、すぐ結びつけたくなってしまうんでしょうね。


そのほか、数多く読んだ本の中で、ボクのハートをしびれさせた一冊は、
某大学教授の若き日の留学体験記だった。


若き留学生は、幸運にも、アメリカ行きの飛行機の中で億万長者と隣り合わせ、
すっかり気に入られ、アメリカ到着後、ハウスボーイとしてその億万長者の家に住み込み、
大学に行かせてもらい、卒業して帰国、現在は英語の教授をしている、という夢のような話が書いてあった。



そうか、ムムッ…。

単純なボクは、「オレは運が強いから、この手が使えるぞ。
絶対に隣の席には億万長者が座るに違いない。」と、
その日から毎日、それを念じるようになったのであります。

(これホントなんだから、オメデタイ人なのです。)