凍結保存について | 医療法人社団 晴晃会 育良クリニック

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中目黒アトラスタワーにある産科・婦人科・生殖医療科の病院です。
病院のお知らせなどを載せていきます。

本日は凍結保存についてお話しします。

 

採卵を行ってたくさんの胚が出来た場合や女性の体の状態に応じて、胚を凍結保存します。

凍結することによって、半永久的に保存することができ、また胚の質の低下や将来の児への影響が出ることはありません

 

1972年にプログラムフリーザーという機械を用いる「緩慢凍結法」による胚の凍結が行われていましたが、胚の生存率が悪く胚より弱い未受精卵子の凍結保存は困難でした。

しかし、凍結技術が進歩し1985年に「ガラス化保存法」が開発され未受精卵子凍結も行えるようになり、1999年に「超急速ガラス化保存法」開発されました。

ガラス化保存法とは、胚や卵子の細胞内液を凍結保護剤に置き換え、すぐに液体窒素内で凍らせることで細胞内に氷を作らずにガラス化温度まで細胞内温度を下げる方法です。

現在、日本の凍結技術は世界トップクラスであり超急速ガラス化保存法で凍結した場合、融解後の胚の生存率は約95%とされています。

 

現在当院で行っている受精卵の凍結保存は、下記のクライオトップという細いシートが保存容器となります。このシートの先端に受精卵を載せて直接-196℃の液体窒素の中に投入して瞬時に凍結しています。胚の凍結は、原則としてクライオトップ1本につき、載せる胚は1個です。

 

胚は非常に小さい為、顕微鏡下で観察しながら凍結操作を行っています。実際に顕微鏡下で見た、クライオトップに胚を載せている画像がこちらです。

 

保存しているクライオトップですが、患者様のIDやお名前、凍結日などを記入し、一つ一つ判別できるようにしています。

凍結した受精卵は責任をもって大切にお預かりいたしますので、安心して預けていただければと思います。

 

また、今回はご紹介していませんが、当院では精子凍結や卵子凍結も行っています。お気軽にお声掛けください。