精子について②~数ではなく質が大切~ | 医療法人社団 晴晃会 育良クリニック

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中目黒アトラスタワーにある産科・婦人科・生殖医療科の病院です。
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皆さんこんにちは。

胚培養士の富田です。

 

前回のブログの中で、精子は毎日作られるとお話しました。

卵子は、女性と決まった時に一生分の卵子ができ、年齢を重ねるにつれて数が減っていくのに対し精子は毎日作られるから質がいいという事ではありません。

 

 

精子は毎日74日間かけて作られます。

精巣で作られたあと、精巣上体、精管を通って外へ射精させれると前回お話しました。

射精しない日(禁欲期間)が続くと、どんどん作られた精子はたまっていきますので量も増えてきます。

 

しかし、射精されないので古い精子の数も増えその間に状態が悪くなり死んでしまいます。古い精子からは活性酸素というものが発生します。これが酸化ストレスの原因です。

精子は酸化ストレスに非常に弱いので質の低下にもつながります。

また、長くとどまっている精子は遺伝情報であるDNAにも傷がつき妊娠したとしても流産に繋がる原因にもなります。

 

簡単に例えるとしたら、パンの製造工場を思い浮かべてください。

よく売れるパンは、毎日大量に生産してどんどん出荷されますが全く売れないパンの工場はどうでしょう。

パンは作っても出荷されませんので在庫が増えていきます。残されたパンはどんどん悪くなっていきます。

 

要は精子も生ものですので、生殖の観点からいうと

最低でも2-3日に1回は射精したほうが良いという事です。