義母と病院へ② ～心もとない二人と憤怒の医者～

①の続きです。

病院に行く前日、

お義母さんから連絡がありました。

「病院に行く前に一緒にお昼ご飯を食べよう」と。

時間は検査の2時間前。

病院近くの待ち合わせ場所を指定されました。

当日、私は遅れてはいけないと

30分前に待ち合わせ場所に到着。

友人たちとの待ち合わせでは

着いてすぐに連絡しますけど。

遅れがちなお義母さんだし。

もう着いたなんて連絡したら焦らせてしまうのでは？

と思い、私は待ち合わせ時間になるまで

連絡をせず近くで待ちました。

そしたら、待ち合わせ時間の3分前に

お義母さんから「どこにいる？」と連絡がありました。

おお！お義母さん！珍しく遅刻じゃない～

と思い、無事に会えたのですが。

お義母さんもなんと

30分前に到着していたことが発覚！！

「イクラに連絡したら、イクラが慌てると思って約束の時間まで連絡しなかったんだよ」

・・・・・似たもの嫁姑ですね

そして、お義母さんは残念そうに言いました。

「今日はイクラに牛カルビをご馳走しようと思ってたのに、店を見に行ったら内装工事中だった。5月頭まで休みみたい」

牛カルビって・・・・

お義母さん、

めっちゃ気を遣ってる。

一人で検査を受けに行くなら、気楽に行けたでしょうに。

嫁が来ることになったものだから、

時間に遅れないようにし、牛カルビをご馳走しようと・・・

くううううっ・・・

結局、目についた食堂に入り、

一緒にキムチチゲを食べました。

お義母さんの予定では焼き肉だったので、

時間がかかると思って2時間前集合にしたそう。

それが、普通の食堂で食事を済ませたため、

検査までかなり待つことになってしまいました。

病院内でジュースを買ってひたすらおしゃべり。

お義母さんは、ユッケが大好きで、

牛カルビ屋で焼肉よりはユッケを食べたかったそうです。

次回、一緒に牛肉を食べに行く約束をし、

どこのユッケが一番お得か一緒に調べたり。

お義母さんお得意の

昔のキラキラ話を聞いたりしました。

マグロ家最盛期、お義母さんが入院する時には、

韓国屈指の大きな病院のVIP室に入り、

芸能人やら政治家と同じ待遇を受けていたそうです。

「病院の診察も入院も何も苦じゃなかったよ」と。

遠まわしに現状が辛いと

おっしゃっているのでしょうか。

そんな話をしていたら、

あっという間に時間は過ぎ、

お義母さんと検査を受けに行きました。

検査を受ける前に、

身長・体重・血圧を自分で測るように言われました。

身長と体重を測るため、

お義母さんは靴を脱いで計測器の上に乗りました。

身長と体重を同時に測るものです。

こういうやつ↓

お義母さんは靴を脱ぎ、

そのまま前(壁際)を向いて立っていたら、

頭に身長を測るためのものが下りてきて、

お義母さんの頭にタッチ！

それを見た看護師さんが慌てて、

「反対を向いてください！背中をつけて！」

と注意しました。

その後、お義母さんは測り直したのですが、

非常に落ち込んでしまいました。

「・・・最近、こういう判断ができないんだよ。どっちを向けばいいかが分からないなんて・・・・」

最近のお義母さんはちょっとの失敗でも

非常に落ち込んでしまうのです。

でも、

見ていた私も

何も気づいてなかった・・・

注意するのは私の役目だったのでは？

ひそかに私も自分自身にショックを受けていました。

しかしながら、身長体重計の乗る場所には、

ここ↓

「靴を脱いでください」という紙が貼ってあったせいで、

足型の模様がほとんど見えない状況だったのです。

「お義母さん・・・あれはわかりづらいですよ・・・・」

と、お義母さんを励ましつつ、

気づかなかった自分をも慰めました。

心臓の超音波検査はすぐに終わり、

次は医者の診察です。

隣りの診察室は1時間の遅れが発生しており、

待合室で隣りに座っていた患者さんが私に愚痴ってくるほどでしたが、

お義母さんの診察室は時間通りというか若干巻いている状況。

予定より早く呼ばれて、診察室に入りました。

私は非常に緊張していました。

マグロ家代表で来ているのです。

詳しい検査結果と

今後の治療についての話があるはずです。

しっかり聞いて

マグロ家に伝えなければ！！

しかしながら、この日、

お義母さんは補聴器を忘れており、

付き添いの私は外国人。

なんとも心もとない二人組です。

大事な何かを聞き逃してはならないと、

医者の説明をちゃんと聞いたうえで、

さらに結果を文書でももらおうと思っていました。

医者は、我々が診察室に入るなり、

パソコンを見たまま、

「心臓血管には問題がありませんね」と。

あら！？そうですか！？

マグロ家ではきっと血管だろうと話していたので、

嬉しいような意外な結果でした。

それなら、なぜお義母さんは昨年の秋から急激に体調が悪くなったのか？

あらゆる症状を伝えてみたら、医者が一言、

「年ですね」

ええー！？

それだけー！？

いやいやいやいや、

「年」では片づけられない何かがあるはず！

お義母さんが、具体的な症状をさらに伝えるも、

「だから、年ですよ」と。

なので、私は、医者にお義母さんの爪も見てもらいました。

手の親指に黒い縦線が入っています。

これも体調不良とともに突如できたもの。

その昔、闘病の末に亡くなった母が言ってたんですよ。

「体の状態は爪に出るよ」って。

だから、お義母さんの黒い縦線も何かのサインだと思うのです。

マグロ家の集まりの時にみんなで検索したら、

「血行に問題がある」

というような内容が出てきまして。

「おおお！やっぱりー！！」

と、みんなで納得したのでした。

医者はパソコンのほうを向いたまま、

目だけを動かしてお義母さんの爪をチラ見。

そして、目をつぶり顔をプルプル震わせ、

憤怒を抑えるかのように、

ふううううううううううう～

とため息をついた後、

「そんなに気になるなら、神経科を予約しますよ」と。

神経科の治療について質問しようとしたら、

「外で（看護師に）聞いてください！」

とデカい声で言われ、ドアのほうに促されました。

さっさと出ろと？

診察室の滞在時間は約2分です。

私は医者の態度に

信じられないような思いでいましたが、

お義母さんは、気になっていないのか、

「年のせいだって？ほんとかな？」

と、診察内容の話だけをしていました。

最初から機嫌が悪そうな医者でしたが、

「爪を見てください」が地雷になったのでしょうか？

ネット情報を話す患者に医者がキレるのを

ドラマで見たことがありますが、

今回はネットの話なんてしていません。

ただ、爪を見てほしいと言っただけですのに。

韓国の病院に何度も行きましたが、

こんなに気分が悪くなったのは初めてです。

この病院、診療に関しては

信頼がおけると人気のあるところなんです。

しかしながら、

看護師と医者が冷たい！

親切な看護師さんももちろんいましたが、

半分ぐらいは、ピリピリした態度で患者さんに接していました。

医者のストライキ問題が

この病院にも影響しているのだろうか・・・・

病院に出勤し診察しているだけで、

いい医者なのかもしれない・・・

とプラスに考え、病院を出ました。

病院を出た私は、

目の前にたくさんタクシーが止まっているにもかかわらず、カカオタクシーを呼びました。

カカオタクシーなら、

私の口座からお金が自動で払えるのです。

「バスで帰る！タクシーはもったいない！」

というお義母さんをタクシーに乗り込ませ、

ドアを閉めたところで、私の役目は終わりました。
 

私が運転できないので、

せめてタクシーで帰ってください・・・

一人になった帰り道、

マグロ家のグループカカオに結果を報告。

次回、神経科の検査が6月の午前中にあることを伝えました。

私はただ一緒にいただけですが、

マグロ家のみんなに労いの言葉をかけてもらいました。

そして、次回の検査は

義妹が午前中空いているので付き添うそうです。

「実の娘ならお義母さんも気楽でしょうし良かった～」

とグループカカオで言ったら、お義母さんが、

「ボラミ（義妹）も来なくていい。一人で行く！誰かを待たせるほうが心苦しくて辛い」

と言いましたが、

それには誰も反応せず会話は終わりました。

ひとまず6月の検査は義妹に任せようと思います。

これまでの付き添いは婿と嫁。

実の娘なら気楽なはず！

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